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救済の星 単行本 – 2009/4/18

5.0 5つ星のうち5.0 3個の評価

第一次世界大戦につづく10年の間に、ドイツを中心に、その後の時代に多大な影響をあたえることになる本が続々刊行された。シュペングラー『西欧の没落』、プロッホ『ユートピアの精神』、カール・バルト『ロ-マ書講解』、ルカーチ『歴史と階級意識』、ハイデガー『存在と時間』。力点の違いはあれ、そこに共通しているのは、西欧近代への絶望と徹底した批判精神、そして世界終末観である。ここにもう一冊加えるとすれば、それが、ローゼンツヴァイク『救済の星』(1921)である。
「〈すべて〉についての認識はすべて死から、死の恐怖から始まる」。この文章から始まる本書は「第一巻 要素、あるいは永続的な前世界、第二巻 軌道、あるいはつねに更新される世界、第三巻 形態、あるいは永遠の超世界」から成る700頁に及ぶ大著である。そこに一貫しているのは、古代ギリシャに始まる西欧の伝統的思考にあるモノローグ的思考に代えて、対話の思考を復権することだ。ユダヤ的精神を援用しながら、神・世界・人間の関係を中心に徹底した思考が展開される。
「〈私〉は、〈君〉をみずからの外部にあるなにかとして承認することによってはじめて、つまりモノローグからほんとうの対話(ダイアローグ)へと移行することによってはじめて〈私〉となる。本来的な〈私〉は、〈君〉の発見においてはじめて声として聞きとれるようになるのである」ウィトゲンシュタインの『論理哲学論考』と同様、第一次世界大戦下、志願兵として参加したバルカン戦線の塹壕のなかで着想を得て書きつがれた世紀の書を、88年後のいま、ここにおくる。

商品の説明

著者について

1886年12月25日、ドイツ(カッセル)の裕福なユダヤ人家庭に生まれる。フリードリヒ・マイネッケのもとでヘーゲルの政治哲学と歴史理論にかんするすぐれた論文を書き(のちに 『ヘーゲルと国家』1921として出版)、研究者としての未来を嘱望された。しかし、やがて西洋哲学に疑問を抱くようになり、みずからのルーツであるユダヤ教の意義を再発見する。第一次大戦末期の1918年に、兵士として派遣されていたバルカン戦線の塹壕のなかで突然霊感を受け、主著『救済の星』(1921)を執筆。1920年10月には、ユダヤ人の成人教育の機関である「自由ユダヤ学舎」を開校する。1921年には筋萎縮側索硬化症という難病に冒されるが、マルティン・プーパーと旧約聖書の新しいドイツ語訳に着手する。1929年12月10日、死去。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ みすず書房 (2009/4/18)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2009/4/18
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 720ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4622074591
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4622074595
  • カスタマーレビュー:
    5.0 5つ星のうち5.0 3個の評価

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フランツ・ローゼンツヴァイク
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カスタマーレビュー

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上位レビュー、対象国: 日本

2011年2月12日に日本でレビュー済み
 国家・民族間の対立が深まる中でブーバー、レヴィナスといったユダヤ人思想家が注目されているのは興味深い。ユダヤ人は「永遠の異邦人」であり彼らはどの民族からも疎外される存在だった。しかし逆説的にどの民族ともつながる可能性を秘めている。そしてそのことに最初に述べた人間がローゼンツヴァイクだったのではないかと思う。
 『救済の星』を要約するのは難しい。それは読者が『救済の星』の中にブーバーに通じる「対話の哲学」やレヴィナスに通じる「他者論」それにキリスト教・イスラム教を包括する宗教論・・・あまりにも豊饒な内容にたじろいでしまうからだと思う。
 ローゼンツヴァイクが目指したものを述べようとするならば、西洋哲学とくにヘーゲル哲学が安易に統合しようとした神・世界・人間をもう一度解体し、人間が神や世界と謙虚に向き合えるようにすることではなかったかと思う。そして混迷が続く世界情勢の中でローゼンツヴァイクの試みがやっと評価される時期に達したのではないかと思う。そう世界へと語り合う時期に・・・。
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