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フェミニズムの政治学―― ケアの倫理をグローバル社会へ 単行本 – 2012/1/17
岡野 八代
(著)
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近代国家は「自律した個」を理想像とし、子育てや介護などケアする者を政治的に二流の存在とみなしてきた。男を公的領域、女を私的領域に振り分けるその力学を、フェミニズムは公私二元論として鋭く批判してきた。そして、公的領域で“男並み”になることがゴールではないことも指摘した。フェミニズムはその先どこへいくのか。
本書は母・家族・ケアという概念と格闘してきたフェミニズム理論の立場から、プラトンからロールズまで政治思想を貫く公私二元論を徹底的に検討する。そこで明らかになるのは、自律的主体が隠蔽するもの、すなわち、ひとは傷つき依存して生きるという事実だ。依存する存在は自律的主体の下位概念ではない。それこそが「人間の条件」であり、政治学の基礎単位なのだ。
「ヴァルネラブルな存在が世界の代表である」(H・アーレント)。国家暴力に傷つけられながら抵抗し、ケアにおいて他者との非暴力的な関係を実践してきた女の経験こそが、新たな政治の領野を切り拓く。女であることの絶えざる葛藤を理論に鍛え上げ、非暴力の社会を構想する、フェミニズム理論の到達点。
本書は母・家族・ケアという概念と格闘してきたフェミニズム理論の立場から、プラトンからロールズまで政治思想を貫く公私二元論を徹底的に検討する。そこで明らかになるのは、自律的主体が隠蔽するもの、すなわち、ひとは傷つき依存して生きるという事実だ。依存する存在は自律的主体の下位概念ではない。それこそが「人間の条件」であり、政治学の基礎単位なのだ。
「ヴァルネラブルな存在が世界の代表である」(H・アーレント)。国家暴力に傷つけられながら抵抗し、ケアにおいて他者との非暴力的な関係を実践してきた女の経験こそが、新たな政治の領野を切り拓く。女であることの絶えざる葛藤を理論に鍛え上げ、非暴力の社会を構想する、フェミニズム理論の到達点。
- ISBN-10462207639X
- ISBN-13978-4622076391
- 出版社みすず書房
- 発売日2012/1/17
- 言語日本語
- 寸法14 x 3.8 x 19.5 cm
- 本の長さ448ページ
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登録情報
- 出版社 : みすず書房 (2012/1/17)
- 発売日 : 2012/1/17
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 448ページ
- ISBN-10 : 462207639X
- ISBN-13 : 978-4622076391
- 寸法 : 14 x 3.8 x 19.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 36,747位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2013年9月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
楽しく拝読しました。発送スピードも早かった。とても満足しました。
2012年4月3日に日本でレビュー済み
自立/自律しなくてはいけないというむやみな圧力から解放された。
個をコントロールしようとする近代国民国家の暴力的権力構造のメカニズムを解明し厳しく批判する頭脳と、取り返しのつかない傷を追った他者へ歩み寄る切実な思いが両輪となり、社会的責任を果たす方法を模索し、平和な世界を築く可能性をどうにか開こうとする。
依存しつつも独立し自由な個の在り方が想像、肯定できるようになった。思いがけず個人的に楽になれた即効的理論書であったが、これからは社会構想の道しるべとして捉えていきたい。この理論が実践的に応用される具体例が少しでも多い世界になることを望みつつ、それらが紹介されるであろう次の著作にもとても期待します!
個をコントロールしようとする近代国民国家の暴力的権力構造のメカニズムを解明し厳しく批判する頭脳と、取り返しのつかない傷を追った他者へ歩み寄る切実な思いが両輪となり、社会的責任を果たす方法を模索し、平和な世界を築く可能性をどうにか開こうとする。
依存しつつも独立し自由な個の在り方が想像、肯定できるようになった。思いがけず個人的に楽になれた即効的理論書であったが、これからは社会構想の道しるべとして捉えていきたい。この理論が実践的に応用される具体例が少しでも多い世界になることを望みつつ、それらが紹介されるであろう次の著作にもとても期待します!
2012年1月26日に日本でレビュー済み
学問の中にいながら、議論のための議論という印象がなく、
難しさよりからくりの崩し方に打たれながら読み進めました。
これほど厚さが負担にならない本は今までなかった!
フェミニズムや政治学に疎くても読める門戸の広い本。
本当の実用書として繰り返し手に取りたくなるありがたい一冊。
難しさよりからくりの崩し方に打たれながら読み進めました。
これほど厚さが負担にならない本は今までなかった!
フェミニズムや政治学に疎くても読める門戸の広い本。
本当の実用書として繰り返し手に取りたくなるありがたい一冊。
2012年2月6日に日本でレビュー済み
ケアから政治を語るのはますます必要/重要になると思うので、
この本は、これから長いスパンで読まれていく、マイルストーン的な本だと思いました。
この本は、これから長いスパンで読まれていく、マイルストーン的な本だと思いました。