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野生のオーケストラが聴こえる―― サウンドスケープ生態学と音楽の起源 単行本 – 2013/10/19
サウンドスケープ生態学のパイオニアである著者が、
生物たちと自然環境がつくる色彩豊かな音響の意味を明らかにする。
70年代に音楽業界から転身して自然音の傑出した録音収集家となったクラウスは、
生物が織りなすサウンドスケープの意味を探るうち、
音響にもとづく生態学の可能性を切り開く一つの仮説にたどり着く。
さらに野生のオーケストラと音楽の起源の関連を追って、
彼の関心はさまざまな民族文化へも分け入っていく……。
音響学、音楽史、民族学をはじめとする幅広い観点を取りこみながら、
生物群が奏でる音響の構造や音楽の起源を浮かびあがらせる議論は、
各方面の専門家から注目を集めている。4500時間分もの音風景
(生物種数にして15000種に及ぶ)を収集してきた蓄積が、著者の洞察を支えている。
祖先がかつてもっていたであろう、自然の音風景の音楽的構造を感じとり、
それに調和的に参加する能力は、西洋文明の発展にともない衰退の一途をたどったと著者は指摘する。
そしていまや私たちは自然の音風景の圧倒的な破壊者となのだ、と。
クラウスが40年間に音録した自然環境の半分以上は、すでに地上から失われてしまった。
本書の終わりに著者の視線は、人間と自然の音の関係を根本から構築し直すという
遠大な目標へと向けられている。環境音への私たちの認識を一変させる、必読の書。
※ 著者が語る音風景の一部は、音声再生用のウェブサイトで聴くことができます。
[目次抄]
序章 過去からの残響
第一章 わたしを導く音
第二章 大地の声
第三章 生命そのものが音を編成する
第四章 バイオフォニー 原始のオーケストラ
第五章 初めての音
第六章 異なる民族、異なる鳴き声
第七章 ノイズの霧
第八章 ノイズとバイオフォニー 水と油
第九章 コーダ──希望
生物たちと自然環境がつくる色彩豊かな音響の意味を明らかにする。
70年代に音楽業界から転身して自然音の傑出した録音収集家となったクラウスは、
生物が織りなすサウンドスケープの意味を探るうち、
音響にもとづく生態学の可能性を切り開く一つの仮説にたどり着く。
さらに野生のオーケストラと音楽の起源の関連を追って、
彼の関心はさまざまな民族文化へも分け入っていく……。
音響学、音楽史、民族学をはじめとする幅広い観点を取りこみながら、
生物群が奏でる音響の構造や音楽の起源を浮かびあがらせる議論は、
各方面の専門家から注目を集めている。4500時間分もの音風景
(生物種数にして15000種に及ぶ)を収集してきた蓄積が、著者の洞察を支えている。
祖先がかつてもっていたであろう、自然の音風景の音楽的構造を感じとり、
それに調和的に参加する能力は、西洋文明の発展にともない衰退の一途をたどったと著者は指摘する。
そしていまや私たちは自然の音風景の圧倒的な破壊者となのだ、と。
クラウスが40年間に音録した自然環境の半分以上は、すでに地上から失われてしまった。
本書の終わりに著者の視線は、人間と自然の音の関係を根本から構築し直すという
遠大な目標へと向けられている。環境音への私たちの認識を一変させる、必読の書。
※ 著者が語る音風景の一部は、音声再生用のウェブサイトで聴くことができます。
[目次抄]
序章 過去からの残響
第一章 わたしを導く音
第二章 大地の声
第三章 生命そのものが音を編成する
第四章 バイオフォニー 原始のオーケストラ
第五章 初めての音
第六章 異なる民族、異なる鳴き声
第七章 ノイズの霧
第八章 ノイズとバイオフォニー 水と油
第九章 コーダ──希望
- 本の長さ336ページ
- 言語日本語
- 出版社みすず書房
- 発売日2013/10/19
- 寸法13.5 x 2.6 x 19.6 cm
- ISBN-104622077949
- ISBN-13978-4622077947
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商品の説明
著者について
Bernie Krause
1938年生まれ.ナチュラリスト,音響生態学者,ミュージシャン,音響エンジニア.
ギタリストとして1963年にフォークバンド,ウィーヴァーズの新メンバーとして注目を集め,64年同バンドの解散後はポール・ビーヴァーとともに「ビーヴァー&クラウス」を結成.ポップミュージックにおけるアナログシンセサイザーの使用,特に60~70年代を通じたMoogの流行を先導したパイオニアとして知られる.
『ローズマリーの赤ちゃん』『地獄の黙示録』『ボディスナッチャー/恐怖の街』などの映画の音響に携わり,『スパイ大作戦』『トワイライト・ゾーン』『奥さまは魔女』といったTVシリーズの音楽も担当した.
1968年,ビーヴァー&クラウス名義の音楽アルバムのために生態環境音を録音したことがきっかけで生体音響の世界に魅せられ,やがて音響生態学の研究と普及に専念する.すでに40年以上にわたり,世界中の生態環境音を収集保存してきた彼が録りためた4500時間分もの音源(生物種数にして15000種に及ぶ)の半分以上は,現在では損なわれてしまったり消滅してしまった自然環境の音であり,アーカイヴとしても貴重なものである.
ほかの著書に,Wild Soundscapes: Discovering the Voice of the Natural World (with companion CD)(Wilderness Press,2002),Into A Wild Sanctuary: A Life in Music & Natural Sound (with companion CD) (Heyday Books,1998) ほか.著者の活動母体であるWild Sanctuaryのウェブサイト:www.wildsanctuary.com
訳者略歴
伊達淳〈だて・じゅん〉
翻訳家.1971年生まれ.和歌山県那智勝浦町出身.関西学院大学商学部,東京外国語大学欧米第一課程卒業.
主な訳書に,B・オキャロル『マミー』(2003),A・ファンダー『監視国家』(2005),F・フォア『サッカーが世界を解明する』(2006),ペレ『ペレ自伝』(2008),B・ブルンナー『熊 人類との「共存」の歴史』(2010),D・モリス『フクロウ その歴史・文化・生態』(2011)(以上,白水社),B・オキャロル『チズラーズ』,『グラニー』(いずれも恵光社,2011)などがある.株式会社恵光社(えこうしゃ)代表.
1938年生まれ.ナチュラリスト,音響生態学者,ミュージシャン,音響エンジニア.
ギタリストとして1963年にフォークバンド,ウィーヴァーズの新メンバーとして注目を集め,64年同バンドの解散後はポール・ビーヴァーとともに「ビーヴァー&クラウス」を結成.ポップミュージックにおけるアナログシンセサイザーの使用,特に60~70年代を通じたMoogの流行を先導したパイオニアとして知られる.
『ローズマリーの赤ちゃん』『地獄の黙示録』『ボディスナッチャー/恐怖の街』などの映画の音響に携わり,『スパイ大作戦』『トワイライト・ゾーン』『奥さまは魔女』といったTVシリーズの音楽も担当した.
1968年,ビーヴァー&クラウス名義の音楽アルバムのために生態環境音を録音したことがきっかけで生体音響の世界に魅せられ,やがて音響生態学の研究と普及に専念する.すでに40年以上にわたり,世界中の生態環境音を収集保存してきた彼が録りためた4500時間分もの音源(生物種数にして15000種に及ぶ)の半分以上は,現在では損なわれてしまったり消滅してしまった自然環境の音であり,アーカイヴとしても貴重なものである.
ほかの著書に,Wild Soundscapes: Discovering the Voice of the Natural World (with companion CD)(Wilderness Press,2002),Into A Wild Sanctuary: A Life in Music & Natural Sound (with companion CD) (Heyday Books,1998) ほか.著者の活動母体であるWild Sanctuaryのウェブサイト:www.wildsanctuary.com
訳者略歴
伊達淳〈だて・じゅん〉
翻訳家.1971年生まれ.和歌山県那智勝浦町出身.関西学院大学商学部,東京外国語大学欧米第一課程卒業.
主な訳書に,B・オキャロル『マミー』(2003),A・ファンダー『監視国家』(2005),F・フォア『サッカーが世界を解明する』(2006),ペレ『ペレ自伝』(2008),B・ブルンナー『熊 人類との「共存」の歴史』(2010),D・モリス『フクロウ その歴史・文化・生態』(2011)(以上,白水社),B・オキャロル『チズラーズ』,『グラニー』(いずれも恵光社,2011)などがある.株式会社恵光社(えこうしゃ)代表.
登録情報
- 出版社 : みすず書房 (2013/10/19)
- 発売日 : 2013/10/19
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 336ページ
- ISBN-10 : 4622077949
- ISBN-13 : 978-4622077947
- 寸法 : 13.5 x 2.6 x 19.6 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 662,550位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,460位音楽学・音楽教育学
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年12月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
いい本です。同時代に、この星に生きている、私を確認できました。
2013年11月27日に日本でレビュー済み
貴重な体験をさせてくれる本である。先に言ってしまえば、本書の内容そのものというよりも、本書を読みつつ、動物たちが奏でるシンフォニーに耳を傾けること、その体験が本書をほかには代えがたいものにしている。
著者のバーニー・クラウスは変わった経歴の持ち主である。元はミュージシャンで、音楽業界引退後に大学院へ進学、その当時から自然のサウンドスケープ(音の風景)に魅了されていて、これまでずっと世界各地の自然環境音を収集しつづけている。本書は、彼がとりためた音声を紹介しながら、動物たちの生態や環境保護などを論じたサイエンス書である。
著者は本書で、生物の音響的な「ニッチ仮説」を展開し、また音楽の起源について考察している。しかしすでに述べたように、本書最大の魅力は、(出版社のウェブサイトで聴ける)動物たちの実際の音声にあるだろう。具体的には、たとえば、突如として近くから聞こえてくる、ジャガーの低く唸る声。あるいは、あまりにも物悲しく響く、家族を失ったビーバーの嘆きなどである。すばらしいのは、その動物単体の音声だけでなく、周囲の音も漏れなく拾っているため、臨場感が半端ではない点だ。そんな音声にときにはビクリとし、ときにはうっとりしながら、わたしも飽きることなく本書を読み/聴き進めていくことができた。
しかし、読書中にひとつ率直に感じたのは、テキストを開き、音声機器をとりだし、またテキストを開くという煩わしさである。こういう本こそ電子書籍だろうと思うのは、これまたないものねだりだろうか。
著者のバーニー・クラウスは変わった経歴の持ち主である。元はミュージシャンで、音楽業界引退後に大学院へ進学、その当時から自然のサウンドスケープ(音の風景)に魅了されていて、これまでずっと世界各地の自然環境音を収集しつづけている。本書は、彼がとりためた音声を紹介しながら、動物たちの生態や環境保護などを論じたサイエンス書である。
著者は本書で、生物の音響的な「ニッチ仮説」を展開し、また音楽の起源について考察している。しかしすでに述べたように、本書最大の魅力は、(出版社のウェブサイトで聴ける)動物たちの実際の音声にあるだろう。具体的には、たとえば、突如として近くから聞こえてくる、ジャガーの低く唸る声。あるいは、あまりにも物悲しく響く、家族を失ったビーバーの嘆きなどである。すばらしいのは、その動物単体の音声だけでなく、周囲の音も漏れなく拾っているため、臨場感が半端ではない点だ。そんな音声にときにはビクリとし、ときにはうっとりしながら、わたしも飽きることなく本書を読み/聴き進めていくことができた。
しかし、読書中にひとつ率直に感じたのは、テキストを開き、音声機器をとりだし、またテキストを開くという煩わしさである。こういう本こそ電子書籍だろうと思うのは、これまたないものねだりだろうか。
2013年12月19日に日本でレビュー済み
ユニークな本である。もともと音楽(ロックミュージック)業界の中にいた著者が、自然音の録音収集家に転じて、自然界の音響を元に様々な考察をしつつ、環境への思いを伝えてくれる。
音声再生用ウェブサイトも用意され、臨場感を持ちながら読み進めることができるのも新たな試みである。
環境問題には特に力が入る。
・ダレスダムによって、音を失ったセリロ滝。
・環境に比較的やさしいといわれる拓伐により間引きされたセコイアの原生林の、前と後の音。見た目ではまったくわからないが、音の違いは明らかである。
・フィジー諸島のサンゴ礁が地球温暖化の影響で死滅する前と後の音。
・1980年代のワイオミング州ジャクソンホールの音と2009年になってからの鳥たちの音の違い。
・圧巻は、元の森のほとんどが伐採しつくされたブラジルの熱帯雨林の音である。乾燥林にも劣るほどの生物の痕跡のない状態になっているのは耳で聞いても衝撃的である。
・一方で、人間が足を踏み入れなくなったチェルノブイリでは、自然の音が豊かになっているというし、砂漠やツンドラ地帯など人が足を踏み入れない地域には、様々な生物の音に満ちているというから意外である。
面白い音も数多く紹介される。
氷河、働きアリの音、数キロ先まで届くゾウの低周波音声、オカリナの音にそっくりなタチヨタカの声や笛の音のようなウタミソサザイなどなど。
音楽の教授に原始的と呼ばれたムブーティ族の音楽が豊かでダイナミックで、幅広い表現法を持っていることに気づいた著者。
かつて人類は、自然の音から音楽を感じ取り、そこにインスピレーションを得て創り出されていったのではないかという仮説はとても魅力的である。
自然の音の風景から、いろいろな思いがめぐらされる良書である。
音声再生用ウェブサイトも用意され、臨場感を持ちながら読み進めることができるのも新たな試みである。
環境問題には特に力が入る。
・ダレスダムによって、音を失ったセリロ滝。
・環境に比較的やさしいといわれる拓伐により間引きされたセコイアの原生林の、前と後の音。見た目ではまったくわからないが、音の違いは明らかである。
・フィジー諸島のサンゴ礁が地球温暖化の影響で死滅する前と後の音。
・1980年代のワイオミング州ジャクソンホールの音と2009年になってからの鳥たちの音の違い。
・圧巻は、元の森のほとんどが伐採しつくされたブラジルの熱帯雨林の音である。乾燥林にも劣るほどの生物の痕跡のない状態になっているのは耳で聞いても衝撃的である。
・一方で、人間が足を踏み入れなくなったチェルノブイリでは、自然の音が豊かになっているというし、砂漠やツンドラ地帯など人が足を踏み入れない地域には、様々な生物の音に満ちているというから意外である。
面白い音も数多く紹介される。
氷河、働きアリの音、数キロ先まで届くゾウの低周波音声、オカリナの音にそっくりなタチヨタカの声や笛の音のようなウタミソサザイなどなど。
音楽の教授に原始的と呼ばれたムブーティ族の音楽が豊かでダイナミックで、幅広い表現法を持っていることに気づいた著者。
かつて人類は、自然の音から音楽を感じ取り、そこにインスピレーションを得て創り出されていったのではないかという仮説はとても魅力的である。
自然の音の風景から、いろいろな思いがめぐらされる良書である。