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愛についてのデッサン――佐古啓介の旅 (大人の本棚) 単行本 – 2006/6/20
野呂 邦暢
(著)
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古本屋の若き主人、佐古啓介が、謎めいた恋や絡みあう人間模様、古本に秘められたそれぞれの「事情」を解き明かしていく。
本に重なり合う若さの痛み、ひとりの青年が成熟へと至る道筋を鮮やかに描ききった、異色の青春小説。
野呂邦暢は、1980年5月、42歳で急逝。小説の名手の早すぎる死であった。
「ひとりの同業者、小説を書く人間としてではなく、
現実に目も歯も衰えるまで長生きしてしまった三十年前のひとりの若者として、
この作家の小説をいまも読み、
また彼の死をどう惜しんでも惜しみきれないからである」(佐藤正午「解説」)
本に重なり合う若さの痛み、ひとりの青年が成熟へと至る道筋を鮮やかに描ききった、異色の青春小説。
野呂邦暢は、1980年5月、42歳で急逝。小説の名手の早すぎる死であった。
「ひとりの同業者、小説を書く人間としてではなく、
現実に目も歯も衰えるまで長生きしてしまった三十年前のひとりの若者として、
この作家の小説をいまも読み、
また彼の死をどう惜しんでも惜しみきれないからである」(佐藤正午「解説」)
- 本の長さ264ページ
- 言語日本語
- 出版社みすず書房
- 発売日2006/6/20
- ISBN-104622080680
- ISBN-13978-4622080688
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登録情報
- 出版社 : みすず書房 (2006/6/20)
- 発売日 : 2006/6/20
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 264ページ
- ISBN-10 : 4622080680
- ISBN-13 : 978-4622080688
- Amazon 売れ筋ランキング: - 576,201位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年2月14日に日本でレビュー済み
古本屋を営む佐古啓介がまきこまれる6つの話。ばらばらのようでいて、収束していく感じは、小説を読む楽しみを堪能させる。少し古い時代のものだが、構成もしっかりしていて、この作者がまだ生きていたらどんな小説を書いたのだろうと思う。9ポイントの小さい活字も懐かしい気がした。
2007年11月21日に日本でレビュー済み
野呂邦暢は1980年に42歳で亡くなった作家で、この作品はその死の前年に出版された連作短編集である。これまで文庫にはなっておらず、単行本も長らく絶版になっていたようで、このみすず書房の「大人の本棚」シリーズで改めて発売されることになったらしい。ちなみに、このシリーズではけっこうシブい作品が含まれているので要チェックである。
さて、本書は6つの短篇から成るが、時系列も順序通りなので、1つの長編として読むこともできるかもしれない。物語の主人公は古書店を営む若い佐古啓介という人物である。個人的には、3つ目の短篇「若い砂漠」がいちばん気に入った。元人気大衆作家の蟹江松男という老人と、主人公の大学時代の友人の鳴海健一郎の対比が絶妙である。「店に足を踏み入れて本棚を一瞥するときの目付は鋭かった。本を読むのが生活の一部になっている者だけが持っている目の光である。」という蟹江老人の様子を描写するこの文章は名文である。
それにしても、古書蒐集、恋愛、人生、生と死、故郷、家族、父と息子などの様々なテーマの1つひとつがよく練られており、またところどころに挿入される詩篇も物語のプロットにうまく絡み合っているので、一度読み始めたらやめられなくなる。
最後に、「解説」を佐藤正午という作家が書いている。これは佐藤の個人的回想にもなっているのだが、その末尾で「敬愛する作家の解説に、最初から最後まで年齢のこと、というより私事を書き連ねるのは、むろんためらいもある」といくぶん不安げに述べているが、私はむしろそういう敬愛の形があってもよいと思う。野呂への熱い想いを語っているこの心温まる「解説」は一読の価値がある。
さて、本書は6つの短篇から成るが、時系列も順序通りなので、1つの長編として読むこともできるかもしれない。物語の主人公は古書店を営む若い佐古啓介という人物である。個人的には、3つ目の短篇「若い砂漠」がいちばん気に入った。元人気大衆作家の蟹江松男という老人と、主人公の大学時代の友人の鳴海健一郎の対比が絶妙である。「店に足を踏み入れて本棚を一瞥するときの目付は鋭かった。本を読むのが生活の一部になっている者だけが持っている目の光である。」という蟹江老人の様子を描写するこの文章は名文である。
それにしても、古書蒐集、恋愛、人生、生と死、故郷、家族、父と息子などの様々なテーマの1つひとつがよく練られており、またところどころに挿入される詩篇も物語のプロットにうまく絡み合っているので、一度読み始めたらやめられなくなる。
最後に、「解説」を佐藤正午という作家が書いている。これは佐藤の個人的回想にもなっているのだが、その末尾で「敬愛する作家の解説に、最初から最後まで年齢のこと、というより私事を書き連ねるのは、むろんためらいもある」といくぶん不安げに述べているが、私はむしろそういう敬愛の形があってもよいと思う。野呂への熱い想いを語っているこの心温まる「解説」は一読の価値がある。
2006年8月22日に日本でレビュー済み
この本を手に入れるまで、野呂邦暢という作家をまったく知らなかった。だが一読して、すばらしい文体と内容の小説を書く作家だと知った。
この小説は、1980年に42歳で世を去った著者が、1978年に6回に分けて書いた短編連作をまとめたものである。主人公は古書店を継いで間もない、26歳の男性である。古本、主として詩集と、それにまつわる恋愛が、謎解きの形で語られていく。全部で6章からなり、それぞれ次のようなタイトルを持つ:「燃える薔薇」、「愛についてのデッサン」、「若い砂漠」、「ある風土記」、「本盗人」、「鶴」。
これらの中で、私が傑作だと思ったのは第2章「愛についてのデッサン」である。小説全体の表題にもなっているのも当然だというぐらいの名作だと思う。ちなみに「愛についてのデッサン」とは丸山豊氏の詩の題名でもある。この章はいくつもの恋愛、すなわち、岡田京子という女性に対する主人公の思い、トンちゃんの失恋、秋月老人とその家族の別れ、という重層構造で成り立っている。それでいて難解にはなっていない。
この小説の文体は平易であり読みやすいが、「万年筆のキャップをはずして一行書けばそれが詩になる」(佐藤正午氏による解説から)というぐらい詩情に満ちたものであり、それが、この小説の魅力になっている。
この小説は、1980年に42歳で世を去った著者が、1978年に6回に分けて書いた短編連作をまとめたものである。主人公は古書店を継いで間もない、26歳の男性である。古本、主として詩集と、それにまつわる恋愛が、謎解きの形で語られていく。全部で6章からなり、それぞれ次のようなタイトルを持つ:「燃える薔薇」、「愛についてのデッサン」、「若い砂漠」、「ある風土記」、「本盗人」、「鶴」。
これらの中で、私が傑作だと思ったのは第2章「愛についてのデッサン」である。小説全体の表題にもなっているのも当然だというぐらいの名作だと思う。ちなみに「愛についてのデッサン」とは丸山豊氏の詩の題名でもある。この章はいくつもの恋愛、すなわち、岡田京子という女性に対する主人公の思い、トンちゃんの失恋、秋月老人とその家族の別れ、という重層構造で成り立っている。それでいて難解にはなっていない。
この小説の文体は平易であり読みやすいが、「万年筆のキャップをはずして一行書けばそれが詩になる」(佐藤正午氏による解説から)というぐらい詩情に満ちたものであり、それが、この小説の魅力になっている。