この本は、みすず書房の「理想の教室」シリーズの中の一冊。
読み手は、一冊を通じて講義を受ける形になっている。
帯に『「メディアはメッセージ」解決! 煙に巻かないマクルーハン入門。』と大きく書かれている。
この一文、皮肉の効いた一撃だと感じ、思わず「ほんとですか?」と少し疑問交じりに笑ってしまった。
マクルーハンというと、どうしても浮かぶのがパイプをくわえて「だ〜いたいやね」と言っていた竹村健一氏。
彼の言うことに耳を傾けれども、ワケわからないうちに煙に巻かれていたような記憶がある。さらにウッディ・アレンの「アニー・ホール」に出たマクルーハン自身が我々を煙に巻いていたような記憶が・・
この本は冒頭にマクルーハンの忘れられたというテキスト「外心の呵責」(1963年)が筆者の宮澤氏による全訳で掲げられている。
それから『第1講』では「それら(テキスト)を精読」『第2講』では、「マクルーハンの半生や、メッセージとメディア」
『第3講』では、「ジョン・レノンと地球村」で構成されている。
そして帯のキャッチコピーの『「メディアはメッセージ」解決! 煙に巻かないマクルーハン』は、第1・第2講で
メディアはメッセージであり、マッサージであるなどを読みついでいくと「なるほど・・確かに」という気持ちにさせてもらえる。
「メディアはメッセージである」の納得のいく解釈・・ここではバラさないが、
ここで、なるほどねえと思えれば、読んだ甲斐があると言えるように思う。
かなり難しい授業を受けたという印象が残ったが、気分はスッキリした。
マクルーハンが唱えた「メディア」は、今のネット社会そのものであり、今はまさに我々はメディアの渦中。
渦中にいてその渦中のことを今のネット言葉と若干違う言葉で導かれると、時々ボーとしてしまう自分が情けない。
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マクルーハンの光景 メディア論がみえる [理想の教室] 単行本(ソフトカバー) – 2008/2/19
宮澤 淳一
(著)
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メディア論の元祖にして不可解な思想家マーシャル・マクルーハン。ジョン・ケージが絶讃した本邦初訳の「外心の呵責」の精読、「メディアはメッセージである」の新解釈、聴覚空間論。グールド、シェーファー、フラー、前衛芸術との出会い。ジョン・レノンとの接触と「地球村」の再考。吉田秀和賞のグールド研究者による斬新な入門。
- 本の長さ165ページ
- 言語日本語
- 出版社みすず書房
- 発売日2008/2/19
- ISBN-104622083280
- ISBN-13978-4622083283
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登録情報
- 出版社 : みすず書房 (2008/2/19)
- 発売日 : 2008/2/19
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 165ページ
- ISBN-10 : 4622083280
- ISBN-13 : 978-4622083283
- Amazon 売れ筋ランキング: - 26,291位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 8位イギリス・アメリカの思想
- - 58位西洋哲学入門
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2008年3月17日に日本でレビュー済み
マクルーハンは竹村健一が紹介してなかったら、もっと評価が高かったろうにな。まぁ竹村健一自体はとってもマクルーハン的な存在であるが。この本は「パラグラフ・リーディング」による精読って講義の形を取っていて、(難解というよりは)不可解な、(よって魅力的な、)マクルーハンのメディア論が、とても分かりやすく、まとめられている。
マクルーハンの言語表現や存在自体がモザイクって言うか一面的じゃなくて、様々な解釈を可能にするスキがあるとこが面白いよね。つまり、マクルーハンとはメッセージじゃなくてメディアなんだよな。このメディアって言葉自体が曖昧で多面的に解釈できるとこがミソ。今だったら、「メディアはメッセージである」ってのは、「コンテナー(こそ)はコンテンツである」とか、「コンテクスト(こそ)はコンテンツである」とか、言い廻せそうだよね。
今のネット社会をマクルーハンは予見してた!みたいなことも言えると思うんだけど、そこはマクルーハンの言葉が如何様にでも解釈できるってのが大きいと思うな。マクルーハンが言ってることがネット社会を予見してたかどうかはわかんないけど、今のネット社会がマクルーハン的であることは確かだろうね。最初期のWebブラウザの名称は「モザイク」な訳だし。
それにしても「情報を移動させ、情報に情報を塗りつけることで、どんなメディアも巨大な富を生み出す」とか、「人間は現在も未来も見えず、未来だと思って見ているのはバックミラーに映った過去にすぎない」みたいなアフォルズムって、普通の学者だったらビビって言い切れないところを直感的に、軽率に、曖昧に、しかし鋭く言葉にしていく感性の賜物であって、それって一言で言うと何なんだろうなぁ、学者じゃないし芸術家でもないし...存在としてはトリックスターだと思うんだよね、そして消費される学者。そういや、ニッポンのクリシンはどうしてるんだろう?
マクルーハンの言語表現や存在自体がモザイクって言うか一面的じゃなくて、様々な解釈を可能にするスキがあるとこが面白いよね。つまり、マクルーハンとはメッセージじゃなくてメディアなんだよな。このメディアって言葉自体が曖昧で多面的に解釈できるとこがミソ。今だったら、「メディアはメッセージである」ってのは、「コンテナー(こそ)はコンテンツである」とか、「コンテクスト(こそ)はコンテンツである」とか、言い廻せそうだよね。
今のネット社会をマクルーハンは予見してた!みたいなことも言えると思うんだけど、そこはマクルーハンの言葉が如何様にでも解釈できるってのが大きいと思うな。マクルーハンが言ってることがネット社会を予見してたかどうかはわかんないけど、今のネット社会がマクルーハン的であることは確かだろうね。最初期のWebブラウザの名称は「モザイク」な訳だし。
それにしても「情報を移動させ、情報に情報を塗りつけることで、どんなメディアも巨大な富を生み出す」とか、「人間は現在も未来も見えず、未来だと思って見ているのはバックミラーに映った過去にすぎない」みたいなアフォルズムって、普通の学者だったらビビって言い切れないところを直感的に、軽率に、曖昧に、しかし鋭く言葉にしていく感性の賜物であって、それって一言で言うと何なんだろうなぁ、学者じゃないし芸術家でもないし...存在としてはトリックスターだと思うんだよね、そして消費される学者。そういや、ニッポンのクリシンはどうしてるんだろう?
2008年6月11日に日本でレビュー済み
この本はマクルーハンの本質を自分なりに考えたい方には最適です。
誰がどう論評したとか、その考察が足りないだとか、マクルーハン周辺の情報は最小限です。
正面から一緒にマクルーハンを読み解いてくれて、自ら思考を巡らせる余裕があります。
考えたい時の寄り道にも最適の一冊です。
誰がどう論評したとか、その考察が足りないだとか、マクルーハン周辺の情報は最小限です。
正面から一緒にマクルーハンを読み解いてくれて、自ら思考を巡らせる余裕があります。
考えたい時の寄り道にも最適の一冊です。