まず驚くのは訳註の量です。330頁の本ですが70頁もあります。
訳註の原典は多岐にわたっていて、一ページ読むのに幾度も註を確かめました。
西郷隆盛の本を十冊ほど読んでいて、西郷隆盛の体調不良は薄々感じていました。
それを頭において読みましたが、戊辰戦争から廃藩置県までの今まで語ることが
少ない西郷隆盛の時期を詳細に書いてあるところで、一気に引き込まれました。
新政府と諸藩の動き、もちろん薩摩の動きなど表に出て知っている
歴史的事実の背景、つまり本音が生々しい資料で明らかにされていたからです。
何故そうだったのか、例えば西郷隆盛は明治政府にたった二年しかいなかった理由、
山城屋事件で山県有朋を復帰させた理由、六年政変、薩長盟約と倒幕のいきさつなど
知っているつもりでした。しかし知らない事がいくつもありました。この本は体調不良だけの本ではありません。
幕末明治初期と西郷隆盛の評価は歴史家ごとにさまざまですが、大変面白く読みました。
難しいので一度読んで、もう一度読み直し、また読み直すと三回読みました。
ある程度幕末維新の知識がある方は読むに値する本であると断言できます。
ただ文章にふりがながないので、当用漢字にない漢字や造語が多い一次資料を理解するのに苦労しました。
これは私が浅学なだけで、著者が資料を活用して執筆した長い期間を考えると、短時間で結果だけ知りうる
のは、ありがたいことです。また、この著者は敗者の視点で捉えた孝明天皇、会津藩、徳川慶喜も書いていて
公平な歴史観を心がけているようです。どちらもおすすめします。
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西郷隆盛と幕末維新の政局: 体調不良を視野に入れて (大阪経済大学日本経済史研究所研究叢書 第 19冊) 単行本 – 2011/4/15
家近 良樹
(著)
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- 本の長さ339ページ
- 言語日本語
- 出版社ミネルヴァ書房
- 発売日2011/4/15
- ISBN-104623060063
- ISBN-13978-4623060061
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商品の説明
著者について
大阪経済大学 ※2011年3月
登録情報
- 出版社 : ミネルヴァ書房 (2011/4/15)
- 発売日 : 2011/4/15
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 339ページ
- ISBN-10 : 4623060063
- ISBN-13 : 978-4623060061
- Amazon 売れ筋ランキング: - 850,167位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 24,821位日本史 (本)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2011年7月24日に日本でレビュー済み
西郷隆盛という名は誰もが一度は必ず耳にしたことがあろう。
そして、その西郷のイメージは「懐の深い」よく肥えた「西郷どん」といったところか。
しかしその西郷イメージとは裏腹に彼の生涯には常に「謎」がつきまとう。その「謎」は西郷の身体のように大きく、底なし沼のように深い。
本書は副題にもあるように薩長同盟(盟約)から征韓論政変までの政局を西郷隆盛の行動と絡めて分析したものだ。
本書が他の西郷論と異なる点は著者も述べているように、西郷の一種不可解な行動(なぜ、征韓論に執拗にこだわったのかというような)の原因を彼の病気(ストレス源)に求め解明しようとしていることだ。この分析手法は著者自身の病気に関係しているという。今までの「歴史」が「健常者」のみの視点で語られたことに疑問を感じたからだともいう。この視点に評者は感動した。個人的なことで恐縮だが、かくいう評者も「健常者」ではないからだ。評者も著者と同じように幕末維新の学修を進めたいと思っている。本書は評者と同じような環境にある者にとって「道しるべ」になるだろう。幕末薩摩や薩長同盟(盟約)に関しては芳 即正・佐々木克・高橋秀直・青山忠正・桐野作人諸氏らの、征韓論政変に関しては毛利敏彦・勝田政治氏らの優れた研究が、それぞれある。それらの研究とあわせて読めば「より生身に近い」西郷隆盛像が浮かび上がってくるのではないか。
著者の通説に捉われない史料分析と研究姿勢に敬意を表したい。
そして、その西郷のイメージは「懐の深い」よく肥えた「西郷どん」といったところか。
しかしその西郷イメージとは裏腹に彼の生涯には常に「謎」がつきまとう。その「謎」は西郷の身体のように大きく、底なし沼のように深い。
本書は副題にもあるように薩長同盟(盟約)から征韓論政変までの政局を西郷隆盛の行動と絡めて分析したものだ。
本書が他の西郷論と異なる点は著者も述べているように、西郷の一種不可解な行動(なぜ、征韓論に執拗にこだわったのかというような)の原因を彼の病気(ストレス源)に求め解明しようとしていることだ。この分析手法は著者自身の病気に関係しているという。今までの「歴史」が「健常者」のみの視点で語られたことに疑問を感じたからだともいう。この視点に評者は感動した。個人的なことで恐縮だが、かくいう評者も「健常者」ではないからだ。評者も著者と同じように幕末維新の学修を進めたいと思っている。本書は評者と同じような環境にある者にとって「道しるべ」になるだろう。幕末薩摩や薩長同盟(盟約)に関しては芳 即正・佐々木克・高橋秀直・青山忠正・桐野作人諸氏らの、征韓論政変に関しては毛利敏彦・勝田政治氏らの優れた研究が、それぞれある。それらの研究とあわせて読めば「より生身に近い」西郷隆盛像が浮かび上がってくるのではないか。
著者の通説に捉われない史料分析と研究姿勢に敬意を表したい。