著者曰く,鳩山民主党政権の沖縄政策に多大な影響を及ぼしたのは,著者の言動とのこと.本書を読めば,著者は非常に地アタマの良い人であることが分かるし,鋭い指摘も見られます.何よりも沖縄人の心意気に胸を打たれます.沖縄のことを真剣に考えたい人すべてにお勧めできます.
しかし,率直に言って著者の主張のすべてには,共感することはできませんでした.著者は「総括」という言葉を好みますが,400年前に島津の「侵略」に屈したことの琉球王国側からの「総括」については何故かスルーされます.平和主義者にとっては総括の必要もないのかもしれません.非はすべて「侵略者」にあるのですから.
しかし,今もって実行力のある警察機構の存在しない国際社会においては,力に屈した弱者は泣き寝入りする以外にありません.直近の例でいえば,尖閣諸島での衝突事件が好例です.我が国の外交的な対処のまずさもあって中共の脅しに屈して船長その他を釈放してしまったのですが,そのような結果について中共のルール違反を非難できても処罰まではできないのです.また,条約違反をいくら主張しても,それだけで北方領土が戻ってくることもないのです.
文中に国際的な部隊の駐留の方が現在の米軍の駐留よりも良いのだとの指摘もありますが,露中などの軍隊が米軍よりも紳士的である保証などどこにあるのでしょう.紳士的ということで言えば,我が国の自衛隊以上に紳士的な軍隊もないのではないでしょうか.
軍備の増強が軍産複合体を潤すという側面も確かにあるでしょう.しかし,備えがなければ力に屈せざる得ないのもまた現実なのではないでしょうか.
読了した感想としては,著者の主張は全体的に「空想的」との批判は免れないと思います.しかし,『誰が日本を支配するのか!?沖縄と国家統合の巻』の佐藤優氏の論説と併せて読むことで,我々が今,何を考え,どう行動するべきかが見えてくるのではないでしょうか.
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沖縄の自己決定権 単行本(ソフトカバー) – 2010/6/1
喜納 昌吉
(著)
すべての武器を楽器に
すべての基地を花園に
戦争よりも祭りを
そして
すべての人の心に花を
今夏、参議院改選を目前にして、迷走する普天間基地移設問題に「平和の哲学」をもって挑みつづける喜納昌吉のいまを追う。基地の街に生まれ育ち、音楽家として世界のステージに立ち、沖縄市民運動の最前線を駆け抜けた激動の半生をふりかえりつつ、「先住民族の祝祭に学ぶ政治」「国境主義からの脱却」「国連環太平洋本部の沖縄誘致」、そして「沖縄の独立」までをも見据える人類共生のビジョンを熱く訴える、はじめての語り下ろし。
すべての基地を花園に
戦争よりも祭りを
そして
すべての人の心に花を
今夏、参議院改選を目前にして、迷走する普天間基地移設問題に「平和の哲学」をもって挑みつづける喜納昌吉のいまを追う。基地の街に生まれ育ち、音楽家として世界のステージに立ち、沖縄市民運動の最前線を駆け抜けた激動の半生をふりかえりつつ、「先住民族の祝祭に学ぶ政治」「国境主義からの脱却」「国連環太平洋本部の沖縄誘致」、そして「沖縄の独立」までをも見据える人類共生のビジョンを熱く訴える、はじめての語り下ろし。
- 本の長さ228ページ
- 言語日本語
- 出版社未来社
- 発売日2010/6/1
- 寸法13.5 x 1.5 x 18.6 cm
- ISBN-104624301145
- ISBN-13978-4624301149
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登録情報
- 出版社 : 未来社 (2010/6/1)
- 発売日 : 2010/6/1
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 228ページ
- ISBN-10 : 4624301145
- ISBN-13 : 978-4624301149
- 寸法 : 13.5 x 1.5 x 18.6 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 666,183位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 106,563位ノンフィクション (本)
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2010年7月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
先住の民の視点で発言してきた政治家は、アイヌモシリの萱野茂さんと、沖縄の喜納昌吉さんしか知らない。
それほどまでに、明治からの富国強兵、軍国主義にひた走った日本は、日本列島に多様に生き続ける文化を
滅ぼしてしまったのかもしれない。
いま、アイヌモシリにも私の住む東北にも、軍事基地と原子力施設の両方がある。とくに青森県下北半島は
原子力施設の集中する地域で、その危険な地域に爆撃機が飛んでいる。日本の北と南は、先住の文化が最後まで
生き続ける地域。そこが、こうした危険地域にされているのだ。
いまこそ、私たちは、自分自身で、自分の暮らす地域のあり方を決めなければならない。そういう魂の声が、
いくども、いくども、この本から聴こえてくる。
縄文10000年は戦争を選ばなかった文化。奇跡的な多様性をもつこの日本列島で、私はどう生きたいのか。
それが問われる本だった。
それほどまでに、明治からの富国強兵、軍国主義にひた走った日本は、日本列島に多様に生き続ける文化を
滅ぼしてしまったのかもしれない。
いま、アイヌモシリにも私の住む東北にも、軍事基地と原子力施設の両方がある。とくに青森県下北半島は
原子力施設の集中する地域で、その危険な地域に爆撃機が飛んでいる。日本の北と南は、先住の文化が最後まで
生き続ける地域。そこが、こうした危険地域にされているのだ。
いまこそ、私たちは、自分自身で、自分の暮らす地域のあり方を決めなければならない。そういう魂の声が、
いくども、いくども、この本から聴こえてくる。
縄文10000年は戦争を選ばなかった文化。奇跡的な多様性をもつこの日本列島で、私はどう生きたいのか。
それが問われる本だった。
2010年7月12日に日本でレビュー済み
なかよく(右翼でも左翼でもなく中翼) などと、語っているが、
あれも否定、これも否定、彼自身が自己主張を振りかざす、凶悪兵器みたいな存在になっている。
複数の対談の都合よいところだけが納められている印象。
沖縄のことを自分の主義主張のおもちゃにしている印象。
あれも否定、これも否定、彼自身が自己主張を振りかざす、凶悪兵器みたいな存在になっている。
複数の対談の都合よいところだけが納められている印象。
沖縄のことを自分の主義主張のおもちゃにしている印象。
2010年6月16日に日本でレビュー済み
Before you go to sleep, 寝る前に
say a little prayer. お祈りを言いなさい
Every day, 毎日、
in every way いろいろ
it's getting better and better. 良くなって行くから
自分のことだけ祈ったり、あるいは全く祈らない人ばかりの昨今。関係ない地域の関係ない人が祈るからこそ、荒唐無稽な祈りも実現することがあると信じて「沖縄独立(!)」を私は祈っています。
上記は、ジョン・レノン「ビューティフル・ボーイ」の歌詞に寄せて、私が2000年に書いた言葉だ。あれから10年。
さらに強く強く「夢見る人」が私の前に現れた。「一国二制度で沖縄が自治権を持つ」というのが喜納さんの考え。私は支持します。パワフルに歌う姿が長崎の平和祈念像に見えてくる…、そのパワーに圧倒されました。喜納さんが描く夢なら、きっと実現しますね。
左翼でも右翼でもない、中翼[ナカヨク=仲良く]のポジショニングを保つ、喜納さんの視点から2010年の普天間基地移設問題の裏話が描かれています。期限を区切る必要のない問題をわざわざ区切って約束違反として辞職する鳩山首相…、私にも不可解でしたが、193-194ページを読んで納得。
追記:マスコミ報道によって「小沢一郎さんが嫌い」と思いこまされている人は一度、p. 200-202を読んでみて欲しいです。政治って、不思議です。
2010.6.16記す
say a little prayer. お祈りを言いなさい
Every day, 毎日、
in every way いろいろ
it's getting better and better. 良くなって行くから
自分のことだけ祈ったり、あるいは全く祈らない人ばかりの昨今。関係ない地域の関係ない人が祈るからこそ、荒唐無稽な祈りも実現することがあると信じて「沖縄独立(!)」を私は祈っています。
上記は、ジョン・レノン「ビューティフル・ボーイ」の歌詞に寄せて、私が2000年に書いた言葉だ。あれから10年。
さらに強く強く「夢見る人」が私の前に現れた。「一国二制度で沖縄が自治権を持つ」というのが喜納さんの考え。私は支持します。パワフルに歌う姿が長崎の平和祈念像に見えてくる…、そのパワーに圧倒されました。喜納さんが描く夢なら、きっと実現しますね。
左翼でも右翼でもない、中翼[ナカヨク=仲良く]のポジショニングを保つ、喜納さんの視点から2010年の普天間基地移設問題の裏話が描かれています。期限を区切る必要のない問題をわざわざ区切って約束違反として辞職する鳩山首相…、私にも不可解でしたが、193-194ページを読んで納得。
追記:マスコミ報道によって「小沢一郎さんが嫌い」と思いこまされている人は一度、p. 200-202を読んでみて欲しいです。政治って、不思議です。
2010.6.16記す