正統派オリエンタリズム
海女さんたちは主にアワビを取っています。何で男たちは潜らないかというと、男じゃもたないんだそうです。
巻頭にいつくか白黒写真があります。海女さんたちは腰にふんどし一丁、頭にバンダナみたいな恰好で潜るのですが、その際、アワビを岩からはがすための刀みたいなのをふんどしに差し込んでいるんです。これがなんとも恰好いい。漁が終わって集落に帰る時もそのままの格好、娘さんもおばちゃんも、みんな上半身は灼けた肌そのまま。著者は最初はちょっとエロでオリエンタリズムなイメージをもって島に入ったようですが、実際の姿を目にして「神々の彫刻のようだ」と言っています。
島には沢山の祠があって、弁天さんやら何やら、色んな神さんが祭られています。で、さすがに学者さんだけあって、それぞれがどんな神様なのか、この島に祭られているのはどういう意味があるのか、ちゃんと調べてるんです。
行先を考える際に柳田国男の書いた「海女のいる島地図」がでてくるように、対象としては民俗学のそれですが、手順としては文化人類学のフィールドワーク、ノリはむしろ探検家のそれです。幾分か下世話な興味から始まって、最終的には共感に至る。いい意味で正統派のオリエンタリズムを感じます。
シリーズ中では異色
未来社という出版社の『転換期を読む』シリーズ。初版は何十年も前。2013年に新装版として出版されたものです。
このシリーズは、その名前からも想像できるように、政治学・社会学・経済学の本が多い。本書のような民俗学のフィールドワークは異色。そして新版として再度の出版。きっと幸せな偶然が重なって、今こうしてこの本を読めるのだと思います。感謝。
日本語訳が美しい。さすが詩人。
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海女の島 舳倉島 〔新装版〕 (転換期を読む 21) 単行本 – 2013/9/30
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これ、みんな、私の島です!
日本の文化に深い関心を寄せたイタリアの人類学者フォスコ・マライーニ。1950年代に記録映画撮影のため日本各地を訪れた著者にとって、舳倉島の人びとの生活は「詩的」であり「偽善とタブー」から解放してくれるものだった。口絵写真32点収録。
「海女たちの裸体は大変に美しく、だが普通日常のことで、ごく自然で、周りの風景の一部分として、岩や木の裸形と同じものとして見られるようになった。そして、そのとき、海に散らばる島に生きている女たち、男たち、子どもら、ここの人たちのきびしい、けれども詩的な生活の労苦をその光のなかで知るようになり、理解もし、高い評価もして、わたしは学びとることができたのであった。もし、日本の読者のみなさんが、特に海女の古くからの無心さと幸福とを、この本のページを繰り、その写真で見て下されば、わたしはほんとうに幸いである。」(本文「日本語版序文」より)
目次
日本語版への序文
1 腕、頭、脚、包み、子ども、袋、お尻、靴などの大洪水
2 《ヒツジ雲》の空は、《ウロコ雲》の空
3 海の子、海女
4 ほんものの海女を探し求めて
5 うさん臭さを、見て見ないふり
6 黒く険阻で、不気味な七つ島
7 土地を耕すですって? なんて恥ずかしいことだろう!
8 岩の筏に乗ってる人間と神様
9 灰色の石ころ道
10 《島の王さま》の家で
11 タイが海士、海女の心をやわらげる
12 イロリのそばに坐って
13 海底で、海女たちと
14 わずかな撮影にたいした苦労
15 一握りの土で、深淵を満たす
16 大鍋での入浴
17 ミコシは、神さまのおぼしめしで踊る
18 死者たちは海へ帰る
19 美人、妙子の岩礁、御厨島
20 儀礼的なあいさつと心からのあいさつ
訳者あとがき
解説 イタリア人の見た日本のヴィーナスたち(岡田温司)
日本の文化に深い関心を寄せたイタリアの人類学者フォスコ・マライーニ。1950年代に記録映画撮影のため日本各地を訪れた著者にとって、舳倉島の人びとの生活は「詩的」であり「偽善とタブー」から解放してくれるものだった。口絵写真32点収録。
「海女たちの裸体は大変に美しく、だが普通日常のことで、ごく自然で、周りの風景の一部分として、岩や木の裸形と同じものとして見られるようになった。そして、そのとき、海に散らばる島に生きている女たち、男たち、子どもら、ここの人たちのきびしい、けれども詩的な生活の労苦をその光のなかで知るようになり、理解もし、高い評価もして、わたしは学びとることができたのであった。もし、日本の読者のみなさんが、特に海女の古くからの無心さと幸福とを、この本のページを繰り、その写真で見て下されば、わたしはほんとうに幸いである。」(本文「日本語版序文」より)
目次
日本語版への序文
1 腕、頭、脚、包み、子ども、袋、お尻、靴などの大洪水
2 《ヒツジ雲》の空は、《ウロコ雲》の空
3 海の子、海女
4 ほんものの海女を探し求めて
5 うさん臭さを、見て見ないふり
6 黒く険阻で、不気味な七つ島
7 土地を耕すですって? なんて恥ずかしいことだろう!
8 岩の筏に乗ってる人間と神様
9 灰色の石ころ道
10 《島の王さま》の家で
11 タイが海士、海女の心をやわらげる
12 イロリのそばに坐って
13 海底で、海女たちと
14 わずかな撮影にたいした苦労
15 一握りの土で、深淵を満たす
16 大鍋での入浴
17 ミコシは、神さまのおぼしめしで踊る
18 死者たちは海へ帰る
19 美人、妙子の岩礁、御厨島
20 儀礼的なあいさつと心からのあいさつ
訳者あとがき
解説 イタリア人の見た日本のヴィーナスたち(岡田温司)
- 本の長さ163ページ
- 言語日本語
- 出版社未来社
- 発売日2013/9/30
- ISBN-104624934415
- ISBN-13978-4624934415
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著者について
フォスコ・マライーニ(Fosco Maraini)1912年イタリア・フィレンツェ生まれ。写真家、登山家、人類学者、東洋学者。2004年逝去。1930年代後半に日本に留学。北海道大学医学部に所属し、アイヌの信仰やイクパスイについて研究した。1946年イタリアに帰国、1953年再来日、日本各地をまわり記録映画を撮影した。京都帝国大学(現京都大学)でイタリア語を、フィレンツェ大学では日本文学を教えた。1987年~88年、京都の国際日本文化研究センター客員教授。1986年に国際交流基金賞受賞。著書『ヒマラヤの真珠』(1943年、精華房)『チベット――そこに秘められたもの』(1958年、理論社)『ガッシャブルム4――カラコルムの峻峰登頂記録』(1962年、理論社)『海女の島《舳倉島》』(1964年、未來社)『JAPAN』(1971年、講談社)『随筆日本――イタリア人の見た昭和の日本』(2009年、松籟社)ほか。
牧野文子(まきの ふみこ)
1904年大阪市生まれ。神戸女学院卒業。「東京時事新報」記者を経て詩人として活動、翻訳なども手がける。1984年死去。
詩集『かぜくさのうた』(1953年、塔影詩社)『土の笛』(1964年)『白夜』(1971年)『こもれび』(1978年、以上理論社)。著書にイタリア紀行三部作『イタリアは青い空』(1968年)『知らなかった美しいイタリア』(1973年)『イタリアへの郷愁』(1976年、以上理論社)、訳書に『ヒマラヤの真珠』(1943年、精華房)『チベット――そこに秘められたもの』(1958年、理論社)『ガッシャブルム4――カラコルムの峻峰登頂記録』(1962年、同)『海女の島《舳倉島》』(本書、以上すべてフォスコ・マライーニ著)、編著に多田等観『チベット滞在記』(1984年、白水社)などがある。
牧野文子(まきの ふみこ)
1904年大阪市生まれ。神戸女学院卒業。「東京時事新報」記者を経て詩人として活動、翻訳なども手がける。1984年死去。
詩集『かぜくさのうた』(1953年、塔影詩社)『土の笛』(1964年)『白夜』(1971年)『こもれび』(1978年、以上理論社)。著書にイタリア紀行三部作『イタリアは青い空』(1968年)『知らなかった美しいイタリア』(1973年)『イタリアへの郷愁』(1976年、以上理論社)、訳書に『ヒマラヤの真珠』(1943年、精華房)『チベット――そこに秘められたもの』(1958年、理論社)『ガッシャブルム4――カラコルムの峻峰登頂記録』(1962年、同)『海女の島《舳倉島》』(本書、以上すべてフォスコ・マライーニ著)、編著に多田等観『チベット滞在記』(1984年、白水社)などがある。
登録情報
- 出版社 : 未来社 (2013/9/30)
- 発売日 : 2013/9/30
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 163ページ
- ISBN-10 : 4624934415
- ISBN-13 : 978-4624934415
- Amazon 売れ筋ランキング: - 307,473位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年10月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
◎(本作収載の貴重な写真は他では入手不可能です絶版になれば二度と見ることはできません、1954年当時の若々しい海女さんの輝きを是非お手元に納めて下さい、初版及び改訂版の表紙写真以外は同一です(モノクロ)。
記録映画の撮影の味付けに、ほぼ全裸の海女さんを選択、舳倉島へ、その時のスナップと撮影記録である、そこで彼等は海女さん達との触れ合いの中で、自分達の意識の低俗さに気づき、真摯に対応する。
島を離れる前日、若き美人海女、妙子さんと一番高い頂きへ燃えるような暮色に染まる七つ島を見て、妙子さんが、(これ、みんな、私の島です! ここよりもっときれいなところ、ごらんになったことあるんですか。)とマライーニに問いかけ、マライーニが親切な海女たちよ、海から生まれた子どもらよ、さよなら。
世界中に、こんななつかしい思い出を残す岩礁はたぶんどこにもありはしないだろう。
というくだり、一級の写真と共に感銘を深めました、お手元に置いて繰り返し、著者の真意を汲み取って下さい。
翻訳者は出版社が手配済みで、原著ネガによる大型本の企画を、日本の出版事情に適しないとして断念させる、オリジナル写真集(イタリア版)は現在アマゾンさんで入手できます、初版及び改定版の表紙写真も参考として掲載されています。
著者及び原著の出版社は未来社さんに原著のネガを提供しなかった、出版できなくなった状況を見て著者の好意として・別バージョンを提供(結果として、これが良かった)。
再撮、不可能な海女さんの貴重な写真が未来社さんに提供され、今我々はアマゾンさんで・原著写真集を入手し、原著写真集にない貴重な写真を・未来社さんの本作で入手できる幸運に恵まれたといえる、
原著の写真より良いカットも多い、若い海女さんがパーマをかけた頭に大きいタライを乗せ(舳倉スタイル)上半身は裸、足ははだしでおしゃれなフレアー、スカートで磯へ向かって行進するカットはどの写真集にもない貴重な写真、このシーンだけでも元は取れたというべき貴重な写真、もちろん原著にも無い、(原著写真集、収載の写真は東洋の全裸海女を強調するため若い海女さんのスカート姿等は掲載されていない)若者らしい息吹を感じるのは本作の写真、似た写真(数枚)も写真集が優っているものもあるし、明らかに本作が優っているものもある。
本作をガイドに原著写真集を見るべき、叙情豊かで、心洗われる写真が豊富にあります同時に・貴重な本作(写真)も入手必須・相互補完で立体的にイメージできると思います。
写真の希少性、一級の被写体等、貴重な本です、初版本の高騰のおり新版を出版された関係者の方々に感謝致します、再版に値する一冊だと思います。
記録映画の撮影の味付けに、ほぼ全裸の海女さんを選択、舳倉島へ、その時のスナップと撮影記録である、そこで彼等は海女さん達との触れ合いの中で、自分達の意識の低俗さに気づき、真摯に対応する。
島を離れる前日、若き美人海女、妙子さんと一番高い頂きへ燃えるような暮色に染まる七つ島を見て、妙子さんが、(これ、みんな、私の島です! ここよりもっときれいなところ、ごらんになったことあるんですか。)とマライーニに問いかけ、マライーニが親切な海女たちよ、海から生まれた子どもらよ、さよなら。
世界中に、こんななつかしい思い出を残す岩礁はたぶんどこにもありはしないだろう。
というくだり、一級の写真と共に感銘を深めました、お手元に置いて繰り返し、著者の真意を汲み取って下さい。
翻訳者は出版社が手配済みで、原著ネガによる大型本の企画を、日本の出版事情に適しないとして断念させる、オリジナル写真集(イタリア版)は現在アマゾンさんで入手できます、初版及び改定版の表紙写真も参考として掲載されています。
著者及び原著の出版社は未来社さんに原著のネガを提供しなかった、出版できなくなった状況を見て著者の好意として・別バージョンを提供(結果として、これが良かった)。
再撮、不可能な海女さんの貴重な写真が未来社さんに提供され、今我々はアマゾンさんで・原著写真集を入手し、原著写真集にない貴重な写真を・未来社さんの本作で入手できる幸運に恵まれたといえる、
原著の写真より良いカットも多い、若い海女さんがパーマをかけた頭に大きいタライを乗せ(舳倉スタイル)上半身は裸、足ははだしでおしゃれなフレアー、スカートで磯へ向かって行進するカットはどの写真集にもない貴重な写真、このシーンだけでも元は取れたというべき貴重な写真、もちろん原著にも無い、(原著写真集、収載の写真は東洋の全裸海女を強調するため若い海女さんのスカート姿等は掲載されていない)若者らしい息吹を感じるのは本作の写真、似た写真(数枚)も写真集が優っているものもあるし、明らかに本作が優っているものもある。
本作をガイドに原著写真集を見るべき、叙情豊かで、心洗われる写真が豊富にあります同時に・貴重な本作(写真)も入手必須・相互補完で立体的にイメージできると思います。
写真の希少性、一級の被写体等、貴重な本です、初版本の高騰のおり新版を出版された関係者の方々に感謝致します、再版に値する一冊だと思います。
2014年8月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
きのうのツヅキに作者不詳の
本として記載されていました。
ネット時代は便利なものですね
すぐにモノが入手できます
本として記載されていました。
ネット時代は便利なものですね
すぐにモノが入手できます
2023年5月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
生業(なりわい)という言葉がある。生きるための業(わざ)が生活というものではないでしょうか。