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トラが語る中国史: エコロジカル・ヒストリーの可能性 (ヒストリア 5) 単行本 – 2002/7/1
上田 信
(著)
- ISBN-104634490501
- ISBN-13978-4634490505
- 出版社山川出版社
- 発売日2002/7/1
- 言語日本語
- 本の長さ198ページ
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
私はトラである。中国の東南部の山間地域に住むトラである-。トラの視点から、ヒトがたどった三千年にもわたる歴史を俯瞰し、トラとヒトとの関係の歴史を、エコロジカル・ヒストリーとして語る。
登録情報
- 出版社 : 山川出版社 (2002/7/1)
- 発売日 : 2002/7/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 198ページ
- ISBN-10 : 4634490501
- ISBN-13 : 978-4634490505
- Amazon 売れ筋ランキング: - 354,103位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年2月7日に日本でレビュー済み
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中原の森林が破壊された結果,トラの生息できる空間が減少したことは分かった。しかしそれだけのことを理解するためにこの本を読むつもりはなかった。
2009年1月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
人間とトラの関係という軸を中心に中国の生態史を綴っている。
トラを中心にしているが、トラに限らず中国全土の生態を広く扱おうとしている。生態史自体はそれほど目新しい分野ではないが、中国に関して言えば、これまであまり一般書で扱われたことがなかった様な気がする(同著者の『森と緑の中国史』くらいしか思い出せない)。
文献資料も使用しているが、中心となる資料は生態環境や地層に刻みつけられた過去の植生や気候に関する資料である。文献資料とうまく組み合わせることにより中国の過去の生態環境が豊かに浮かび上がってくる。ゾウが実際に華北に生息していたことが過去の生態史の復元から事実であることを実証している例など、歴史学のさまざまな成果を知ることができる。人間の文明の進歩は自然破壊の歴史とも言えなくもないが、中国でも同じ歴史が展開していることをよくしることができる。特に人間による開発の波がトラとの関係にどのように作用しているかを追った後半部は興味深い。
また、同じ漢字を使っていても中国と日本では指し示す動物や植物が異なるなど、意外な発見もあった。同じ漢字なら同じものという素朴な思い込みがこれまでの研究や解釈に大きな誤解を生んでいる例は多くあるのではと思わされた。
トラに託して中国の生態史を語るという形式はなかなか面白かった(中間はトラをほとんど意識しないような気もするが)。この語りは文体からみると夏目漱石か、中国とトラというところからみると中島敦かと思いきやナルニア国物語へのオマージュとのこと。わかるようなわからないような。
トラを中心にしているが、トラに限らず中国全土の生態を広く扱おうとしている。生態史自体はそれほど目新しい分野ではないが、中国に関して言えば、これまであまり一般書で扱われたことがなかった様な気がする(同著者の『森と緑の中国史』くらいしか思い出せない)。
文献資料も使用しているが、中心となる資料は生態環境や地層に刻みつけられた過去の植生や気候に関する資料である。文献資料とうまく組み合わせることにより中国の過去の生態環境が豊かに浮かび上がってくる。ゾウが実際に華北に生息していたことが過去の生態史の復元から事実であることを実証している例など、歴史学のさまざまな成果を知ることができる。人間の文明の進歩は自然破壊の歴史とも言えなくもないが、中国でも同じ歴史が展開していることをよくしることができる。特に人間による開発の波がトラとの関係にどのように作用しているかを追った後半部は興味深い。
また、同じ漢字を使っていても中国と日本では指し示す動物や植物が異なるなど、意外な発見もあった。同じ漢字なら同じものという素朴な思い込みがこれまでの研究や解釈に大きな誤解を生んでいる例は多くあるのではと思わされた。
トラに託して中国の生態史を語るという形式はなかなか面白かった(中間はトラをほとんど意識しないような気もするが)。この語りは文体からみると夏目漱石か、中国とトラというところからみると中島敦かと思いきやナルニア国物語へのオマージュとのこと。わかるようなわからないような。
2005年12月18日に日本でレビュー済み
著者の上田教授は新進気鋭の中国史研究者です。伝統中国における宗族の意義や文明と環境の相互関係などへの問題意識が、最近特に注目を浴びつつあるようです。
本書は、そんな上田教授が、なんと、絶滅寸前と言われる「アモイトラ」の言葉を借りて、中国社会3,000年の歩みと自然環境との関わり合いを語ろうという試みです。「中国史研究者となった当初から、トラを主人公とする史書を書き上げたいと願っていた」とおっしゃるだけあって、魅力とオリジナリティに溢れる一冊に仕上がっています。
内容的には、花粉分析など最新の分析手法を用いて気温・降雨量・植生など古代以来の自然環境を再現することにより、気候変動が中華文明に及ぼした影響や、逆に文明の進歩が自然環境にもたらしたダメージとそのフィードバックを考察していこうとするものです。
筆者によれば、12世紀初頭からユーラシア大陸の東側で寒冷化が始まり、これが女真や蒙古による中原進出に影響を与えた可能性を示唆しています。本当かどうか、神ならぬ身には知る術もありませんが、これまでの東洋史学では余り意識されてこなかったテーマであり、たいへん新鮮なものを覚えました。
こうしたエコロジカル・ヒストリーの試み、深刻な環境破壊に悩む現代中国のあり方に関してもインプリケーションに富むものと言えます。まだまだ緒に就いたばかりですが、今後の進展が切に望まれます。
なお、著者は、本書の印税の五分の一以上をアモイトラ保護のために寄付すると宣言しています。失礼ながら、この手の本がそんなにたくさん売れるとは思えませんが、その姿勢と心意気には大いに感ずるところがありました。
本書は、そんな上田教授が、なんと、絶滅寸前と言われる「アモイトラ」の言葉を借りて、中国社会3,000年の歩みと自然環境との関わり合いを語ろうという試みです。「中国史研究者となった当初から、トラを主人公とする史書を書き上げたいと願っていた」とおっしゃるだけあって、魅力とオリジナリティに溢れる一冊に仕上がっています。
内容的には、花粉分析など最新の分析手法を用いて気温・降雨量・植生など古代以来の自然環境を再現することにより、気候変動が中華文明に及ぼした影響や、逆に文明の進歩が自然環境にもたらしたダメージとそのフィードバックを考察していこうとするものです。
筆者によれば、12世紀初頭からユーラシア大陸の東側で寒冷化が始まり、これが女真や蒙古による中原進出に影響を与えた可能性を示唆しています。本当かどうか、神ならぬ身には知る術もありませんが、これまでの東洋史学では余り意識されてこなかったテーマであり、たいへん新鮮なものを覚えました。
こうしたエコロジカル・ヒストリーの試み、深刻な環境破壊に悩む現代中国のあり方に関してもインプリケーションに富むものと言えます。まだまだ緒に就いたばかりですが、今後の進展が切に望まれます。
なお、著者は、本書の印税の五分の一以上をアモイトラ保護のために寄付すると宣言しています。失礼ながら、この手の本がそんなにたくさん売れるとは思えませんが、その姿勢と心意気には大いに感ずるところがありました。