この本は以下の六章から成っている。
第一章 ダチョウの卵をゆでてみた―卵をめぐるエピソード
第二章 双子のヒヨコは生まれるか?―鳥の卵
第三章 キャビア一粒のお値段は?―魚の卵
第四章 マムシの卵は黄身ばかり―両生類・ハ虫類の卵
第五章 カマキリの卵っておいしいの?―昆虫の卵
第六章 世界最大の卵を産む鳥―エピオルニスの卵
作者は教師なので、この本にも生徒たちとのやり取りがふんだんに登場する。生徒たちの本質的な質問や意外な発想が作者をおもしろがらせたり、生きものの謎を浮き彫りにしたりする。「鳥の卵のどの部分がヒナになるのか?」「黄身が二つある卵からは双子が生まれるのか?」「卵に色や模様がついているのはなぜか?」「魚類、両生類、ハ虫類、昆虫、それぞれの卵にどんな傾向があるか?」「どのような生きものが卵生でどのような生きものが胎生なのか?」などなど、この本に書かれている内容には興味深いものが多く、しかも簡単に答えを出せない謎が多くてわくわくする。ダチョウの卵やホビロン、キャビアやニセキャビア、エラブウミヘビの卵の燻製、カマキリの卵やカエルの卵を覆う泡…作者自身が何種類もの卵を食べる描写がふくまれるのも印象深い。
取りあげられる生きものの卵は実にさまざまだ。最も身近な卵であるニワトリのそれに関して最も多くのことが書かれ、ダチョウ、チョウザメ、サメ、カエル、カマキリ、ゴキブリ、ナナフシ、キウィ、エピオルニスの卵に関しても比較的多くのことが書かれている。他の生きものの卵(ハトやカモやシーラカンスやヘビや恐竜やアリなどもふくむ)に関しては、触れる程度に書かれただけのものも多い。この本の主題の一つは卵を通じて、生きものたちの暮らしや歴史の驚くべき多様性や複雑さを実感することにあると言えそうだ。また、生きものたちの生々しさも。
少し残念なのは、この作者の著書にいつも収録される、作者自身の手による挿絵がこの本には比較的少ないことだ。カラーの挿絵がないのも残念だが、この本に収録された20枚ほどの挿絵には緻密な絵が多く、見応えがある。
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ゲッチョ先生の卵探検記 単行本 – 2007/10/1
盛口 満
(著)
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- 本の長さ231ページ
- 言語日本語
- 出版社山と溪谷社
- 発売日2007/10/1
- ISBN-104635310264
- ISBN-13978-4635310260
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登録情報
- 出版社 : 山と溪谷社 (2007/10/1)
- 発売日 : 2007/10/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 231ページ
- ISBN-10 : 4635310264
- ISBN-13 : 978-4635310260
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,518,380位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 5,240位動物学
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
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2017年7月10日に日本でレビュー済み
著者は埼玉や沖縄で高校教師を務めていた人物。ゲッチョ先生というあだなで知られ、生物学の入門的な本をたくさん出している。高校の生物の先生ということもあって、最先端の研究を紹介したり、珍しい動植物を取り上げたりというのではなく、教え子である生徒たちとの交流を通して、生物にまつわる疑問や不思議を解き明かしていくというスタイルだ。
本書は、動物の卵に注目したもので、ダチョウ、鶏、キャビア、マムシ、ヒキガエル、カマキリ、ナナフシ、エピオルニス、キウィなどが扱われている。
ダチョウと鶏で黄身/白身の比率が違うのはなぜか、双子の卵からは二羽の雛が孵るのか、蛇の卵に白身がない理由、卵生と胎生と卵胎生はどれが有利なのか、ナナフシの卵に蓋がある理由など、意外かつ簡単には解明できないテーマが多い。
親しみやすい書きぶりで、生命の秘密に迫ってくれる。
本書は、動物の卵に注目したもので、ダチョウ、鶏、キャビア、マムシ、ヒキガエル、カマキリ、ナナフシ、エピオルニス、キウィなどが扱われている。
ダチョウと鶏で黄身/白身の比率が違うのはなぜか、双子の卵からは二羽の雛が孵るのか、蛇の卵に白身がない理由、卵生と胎生と卵胎生はどれが有利なのか、ナナフシの卵に蓋がある理由など、意外かつ簡単には解明できないテーマが多い。
親しみやすい書きぶりで、生命の秘密に迫ってくれる。
2010年1月15日に日本でレビュー済み
トリの卵、カエルの卵、魚の卵、昆虫の卵・・・。哺乳類にだって、よく調べれば卵がある。柔らかい卵、固い卵、親の体の中で孵化する卵・・・。
ゲッチョ先生はこの本でもよく「食べる」。キャビアやダチョウの卵ばかりではなく、カマキリの卵(卵鞘)までも食べます。お得意の「3Kの法則」です。(「寝た子を起こす3Kの法則」P124:「恐い」「キモチワルイ」「食う」。) 生徒たちの豊かな反応を引き出すだけでなく、読者にも生き物(生徒や教師も生き物に含めて)の面白さを引き出す、3Kの法則です。
説明のしかたも面白い。例えば一番の設備が整っている鳥の卵について、「黄身がお弁当、白身は水筒」。そして「もう一つ、卵が独りで育つのに必要なものは?」。(答えはトイレ。ちゃんと「尿のう」という排泄物を入れておく袋が鳥の卵にはあるのです。)そして、著者自身もあれ?と思ったことが沢山あり、それを調べていくことで発見する驚きもいつもあるところが、ゲッチョ先生の本が新鮮さを失わないところでしょうか。
卵一つとっても、いろいろな命の不思議がみつかる。卵にも、長い歴史が詰まっている。そう思って眺めると、表紙の卵までが「どこかの世界の地球」のようにみえてくるのです。
ゲッチョ先生はこの本でもよく「食べる」。キャビアやダチョウの卵ばかりではなく、カマキリの卵(卵鞘)までも食べます。お得意の「3Kの法則」です。(「寝た子を起こす3Kの法則」P124:「恐い」「キモチワルイ」「食う」。) 生徒たちの豊かな反応を引き出すだけでなく、読者にも生き物(生徒や教師も生き物に含めて)の面白さを引き出す、3Kの法則です。
説明のしかたも面白い。例えば一番の設備が整っている鳥の卵について、「黄身がお弁当、白身は水筒」。そして「もう一つ、卵が独りで育つのに必要なものは?」。(答えはトイレ。ちゃんと「尿のう」という排泄物を入れておく袋が鳥の卵にはあるのです。)そして、著者自身もあれ?と思ったことが沢山あり、それを調べていくことで発見する驚きもいつもあるところが、ゲッチョ先生の本が新鮮さを失わないところでしょうか。
卵一つとっても、いろいろな命の不思議がみつかる。卵にも、長い歴史が詰まっている。そう思って眺めると、表紙の卵までが「どこかの世界の地球」のようにみえてくるのです。