本書は刊行が(総論分冊と共に)2009年であり、私の購入時点からも既に10年前後経過しているところ、個人的には判例集としての参照利用に格別の支障はないと思料する(但し2018年刊の第7版が最新版であることに注意)。新判例(滅多にない判例変更等含む)については、逐次『重判』等の雑誌で補うと割りきれば良い。法令改正ー例えば本書5版刊行以降では、執行猶予規定(拡充等)、性犯罪(主体・構成要件・法定刑など)、危険運転致死傷罪(過失運転致死傷罪他含む)の新法移行(略称“自動車運転処罰法”)等が挙げられるが、判例集である本書の趣旨に直接影響はないと考える。
本書の特徴は(結果無価値論者の編者らを中心とし)、まず【事案】として簡略な“事実の概要”(認定事実)の要旨があり、【判決/決定理由】に理由中判断の重要事項の抜粋(抄本)を登載するが“判決/決定主文”はない。尤も判例集で重要なのは、自判・破棄差戻・棄却等の如何に関わらず、結論に至った法的構成(理由)であるから、この点で“主文”は然したる意義を持つものではない。主文を考慮すると、上訴当事者(検察・被告人)まで考慮する必要が生じる。他方多くの判例(裁判例)を登載する趣旨からか、些か【判決/決定理由】を端折り過ぎたきらいがなくはない。因みに本書の各論で598事件、分冊の総論で442事件が収録登載されている。
但し前記収録事件数は、僅かながら一部重複するものもあるので(328・502事件:最判昭27・12・25、576・585事件:最判昭50・4・24ほか)、実質的にはもう少し少なくなる。特徴は下級審(第1審・控訴審)判断も数多く登載する一方、個別(補足/反対)意見(抄本)登載は数える程しかない(148事件:最決昭58・11・1、475事件:最決平3・4・5ほか)。このような構成上、本書は一定程度の講学・判例知識を前提としており、受験用と言うより大学院以上の講学者向けだろう。因みに編著者で結果無価値論者の代表者の1人、山口厚氏は最高裁判所第1小法廷所属の現役裁判官である。
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判例刑法各論 第5版 単行本 – 2009/4/4
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刑法を学ぶ学生の定番判例教材として好評を博してきた『判例刑法』。『総論』の改訂に合わせて『各論』もバージョンアップ。近年の重要判例を織り込んで,最新の動向に対応。ますます内容充実の第5版登場。
- ISBN-104641042705
- ISBN-13978-4641042704
- 版第5
- 出版社有斐閣
- 発売日2009/4/4
- 言語日本語
- 本の長さ525ページ
登録情報
- 出版社 : 有斐閣; 第5版 (2009/4/4)
- 発売日 : 2009/4/4
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 525ページ
- ISBN-10 : 4641042705
- ISBN-13 : 978-4641042704
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,467,793位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 36,124位社会・政治の法律
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トップレビュー
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2013年5月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
アマゾンさんに感謝しています。レポートの締め切りが近いので忙しいのです。簡単ですがお許しください。
2011年3月20日に日本でレビュー済み
純粋に判例の勉強をするために、中級者以降になってからも使える判例集です。
反面、初学者がいきなりこの本に手を出すのは危険かも知れません。
それは以下の理由によると思います。
・掲載判例の本数が多い割に、各判例は並列的に掲載されているのみ
本来、判例には様々な種類があります。
リーディングケースと呼ばれる、他の判例の先例たる判例もあれば、事案に応じ
て出された事例判断、さらには今や変更されてしまった旧判例など、位置づけは
様々ありますが、本書ではその位置づけは自ら考えるしかありません。
このため、初学者は百選掲載判例など、特に重みのある判例から始め、徐々に
裾野を広げていく勉強をする方が、刑法各論全体を理解するためには有益だと
思います。
・解説がない
これは上述の問題と重なります。
判旨を読んだのみでは、初学者はその判例の論点と、そこでどのような判断が
下されたのか、つかむことは非常に難しいと思われます。
そのため、信頼のおける基本書と併用するなどが必須と思われます。幸い、西田
先生などは本書の判例番号を基本書に引いてくださっているので、とても助かります。
次に、なぜ中級者以降でこの判例集が役に立つのか記します。
・判例の文言が、まさに論文の勉強になる
ひととおり刑法を回した後に本書を読むと、文言解釈や事実認定など、非常に納得
させられる文章に出会うことができます。もちろん全ての判例がそうとは言えませんが、
論文を書く際の参考になることは間違いありません。
・判例にほとんど漏れはない、理論上の立場に左右されることもない
他の本になりますが、通常、判例学習に用いられる百選は、刑法の場合、他の科目
ほど評判が良くありません。
それは、掲載判例が少ないこともこともさることながら、刑法の場合、解説の立場
が結果無価値と行為無価値など評釈者の立場が分かれることから、統一的な理解が
しにくいためです。
本書はそもそも解説がありませんから、立場の違いに左右されることなく使用する
ことができますし、百選と異なり、各論だけで598件が掲載されているので、
本数からすれば、百選の4倍以上です。
もちろん、前述の通りメリハリを付けて読み進める必要がありますが、この判例集
で(刊行当時の物としては)不足はなく、その後出された重要判例を足せば刑法の
判例としては充分な量です。
以上の通り、使用方法に留意しながら、存分に活用すべき本だと思います。
反面、初学者がいきなりこの本に手を出すのは危険かも知れません。
それは以下の理由によると思います。
・掲載判例の本数が多い割に、各判例は並列的に掲載されているのみ
本来、判例には様々な種類があります。
リーディングケースと呼ばれる、他の判例の先例たる判例もあれば、事案に応じ
て出された事例判断、さらには今や変更されてしまった旧判例など、位置づけは
様々ありますが、本書ではその位置づけは自ら考えるしかありません。
このため、初学者は百選掲載判例など、特に重みのある判例から始め、徐々に
裾野を広げていく勉強をする方が、刑法各論全体を理解するためには有益だと
思います。
・解説がない
これは上述の問題と重なります。
判旨を読んだのみでは、初学者はその判例の論点と、そこでどのような判断が
下されたのか、つかむことは非常に難しいと思われます。
そのため、信頼のおける基本書と併用するなどが必須と思われます。幸い、西田
先生などは本書の判例番号を基本書に引いてくださっているので、とても助かります。
次に、なぜ中級者以降でこの判例集が役に立つのか記します。
・判例の文言が、まさに論文の勉強になる
ひととおり刑法を回した後に本書を読むと、文言解釈や事実認定など、非常に納得
させられる文章に出会うことができます。もちろん全ての判例がそうとは言えませんが、
論文を書く際の参考になることは間違いありません。
・判例にほとんど漏れはない、理論上の立場に左右されることもない
他の本になりますが、通常、判例学習に用いられる百選は、刑法の場合、他の科目
ほど評判が良くありません。
それは、掲載判例が少ないこともこともさることながら、刑法の場合、解説の立場
が結果無価値と行為無価値など評釈者の立場が分かれることから、統一的な理解が
しにくいためです。
本書はそもそも解説がありませんから、立場の違いに左右されることなく使用する
ことができますし、百選と異なり、各論だけで598件が掲載されているので、
本数からすれば、百選の4倍以上です。
もちろん、前述の通りメリハリを付けて読み進める必要がありますが、この判例集
で(刊行当時の物としては)不足はなく、その後出された重要判例を足せば刑法の
判例としては充分な量です。
以上の通り、使用方法に留意しながら、存分に活用すべき本だと思います。