大学のゼミで本書を輪読しました。
ディスカッションをするため毎回、1章から2章ずつ読みましたが、私個人は非常に楽しめました。
ただ、この本を一人で読む気にはならないですね。また、大講義で教科書指定されていたら読んでいなかったと思います。
ゼミと言う10人を切るメンバー(私のゼミはモチベーションの高い人が多かったのでより一層)だからこそ楽しめた本でした。
また、各章につながる参考文献が研究室に多数あり、素早く文献紹介と関連する理論や主張の説明があったから楽しめたのは間違いないでしょう。
タイトルに「個人で読む本…」としたのはその為です。
有斐閣アルマのレベルでは「専門科目を学ぶ人に」ということなので、地理学系ゼミでの輪読にはとても向いていると思います。
【以下2012年1月3日書き足し分です】
参考ならなかった方が二人いらっしゃったので、プラスして書き足させていただきます。
本の構成としては、序章から6章あたりまでが、マクロな視点での話で、経済学では当然と考えられていた「空間」について問題意識が地理学にはある点という点について言及されているのと、基本となる「空間」についての理論を、「絶対空間」「相対空間」「相関空間」「建造環境」の順番に解説を行っていき、その途中で、現在の「グローバルな空間」や「ネットワーク空間」について言及されています。
7章から10章はより。個別的、具体的な話しが多くなり、問題あるいは現象に対する理論が説明されています。個人的には第10章「世界都市の貧困,差別,都市社会運動」がお気に入りで、大阪の「釜ヶ崎」の話や、同心円モデルの解説、戦後日本の都市計画に関しての問題点についての言及がされており、非常に参考になる点でした。
11章では、いままでの議論を踏まえた上で再度、グローバルな空間の問題点と、メインストリームにある空間とは別の「オルタナティブな空間」についての解説がされています。
用語解説と索引が最後にあるので、レポートなどを書く時には非常に参考になる一冊だと感じました。
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経済・社会の地理学: グローバルに、ローカルに、考えそして行動しよう (有斐閣アルマ) 単行本 – 2002/12/1
水岡 不二雄
(編集)
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- ISBN-10464112163X
- ISBN-13978-4641121638
- 出版社有斐閣
- 発売日2002/12/1
- 言語日本語
- 本の長さ430ページ
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
グローバリゼーションの中で、世界は均質化しているのか? 経済地理学・社会地理学の立場から、この問いに答える。経済学が捨象してきた人間の活動の場である「空間」を通して経済・社会を見直すテキスト。
登録情報
- 出版社 : 有斐閣 (2002/12/1)
- 発売日 : 2002/12/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 430ページ
- ISBN-10 : 464112163X
- ISBN-13 : 978-4641121638
- Amazon 売れ筋ランキング: - 658,432位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 294位地理学・地誌学
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2021年1月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
かなり読むのは苦労するが、ちゃんと理解しながら読み進めていくと経済地理学の面白さと深さに気付かされる。買って良かったです。
2013年9月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本著は経済地理学と社会地理学についての基本的な概説書です。経済地理学とは、空間の概念を取り入れた経済に対する考察、社会地理学とは、物理的広がりをもつ空間と社会とのかかわりを研究する学問です。
本著では通常の教科書にありがちなようにその学問の基本的な概念、学説史を網羅的に抑えるのではなく、現実の問題にむきあうアクチュアルな概説書として構成されています。具体的には「世界のグローバル化が進む中で、地域の多様性と異質性が増しているのはなぜか」という一見パラドキシカルな関係にもみえてしまう現象を、経済地理学と社会地理学の観点から説明しており、その中で学問の基本的な知見を紹介しています。ただし、本著は大きなテーマとして超マクロな世界のことを、入門書としての体裁を忘れずに論じているので、本著で紹介している知識は日常生活においても十二分に関係のあるものといえます。
もう少し内容に踏み込むと、本著では、空間の生成過程を経済、社会、空間という三つの軸から説いています。当然その空間とは何気なくそこにある日常の街角の風景も該当します。人とかかわりを持つすべての物理的空間が経済・社会の地理学の射程に入ります。本著によると、そのような人間のいる風景はなんらかの社会経済的な原理、所有者の意図、法規制の発現をもとにして生まれています。
冷静に考えてみれば当然のことなのですが、ついつい頭では理解していても・・・ということがあります。たとえば観光地の絶景を見るとそこに神秘性を感じて、その風景を人為とはかけ離れた不変の神秘空間であるかのように思い込んでしまいます。
本著では、繰り返し空間形成の過程を論じており、上記のような思い込みに冷や水をかけてくれる内容となっています。そういう意味で読み進めていくうちにコロンブスの卵的な再発見を何度もさせられる気分になりました。
本著では通常の教科書にありがちなようにその学問の基本的な概念、学説史を網羅的に抑えるのではなく、現実の問題にむきあうアクチュアルな概説書として構成されています。具体的には「世界のグローバル化が進む中で、地域の多様性と異質性が増しているのはなぜか」という一見パラドキシカルな関係にもみえてしまう現象を、経済地理学と社会地理学の観点から説明しており、その中で学問の基本的な知見を紹介しています。ただし、本著は大きなテーマとして超マクロな世界のことを、入門書としての体裁を忘れずに論じているので、本著で紹介している知識は日常生活においても十二分に関係のあるものといえます。
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冷静に考えてみれば当然のことなのですが、ついつい頭では理解していても・・・ということがあります。たとえば観光地の絶景を見るとそこに神秘性を感じて、その風景を人為とはかけ離れた不変の神秘空間であるかのように思い込んでしまいます。
本著では、繰り返し空間形成の過程を論じており、上記のような思い込みに冷や水をかけてくれる内容となっています。そういう意味で読み進めていくうちにコロンブスの卵的な再発見を何度もさせられる気分になりました。