「社会的排除」を読んだ。
年寄りがこんな本を読んでどうということは何もないが、少しは利口になったかとは思う。
もとより社会的な成語だから、それなりの歴史や地域性を抱え、扱う人によって理解も用法も異なる。
しかし著者は、貧困、差別、失業、ホームレス、ネットカフェ難民、シングルマザー、障害者、多重債務者、外国人労働者など、現代社会の負の側面を考えるに際し、社会的排除(Social Exclusion)という用語の使用がかなり有効であると言っている。
社会的排除は、社会的包摂(Social Inclusion)と対語になっているようだが、包摂の方はまだまだ弱いようだ。
特に現在の日本では社会的包摂はまるでなっていない。
例えば雇用保険は生活保護とまったくリンクしていない。社会全体として雇用の量が労働の量に対して不足しているのいうのにだ。
シングルマザーは子供の養育が生活の主目的なのに、養育をさておいて働かなければ託児所も利用出来ない。絶対的矛盾である。
現代日本のセーフテイネットは次のようなものであろうか。
厚生年金。国民年金。健康保険。雇用保険。生活保護。障害者支援。育児支援など。
社会的排除を受けてきた人たちはこの殆どの網から漏れる。安定した雇用を長く受け、保険金を納付しなければセーフテイネットの対象にならない。それが正しいとされてきた。
彼らは納付を続けられなかった。
生活保護だけは例外のように見えるが、実際的には65歳以下は対象とみなされず、保護が必要な人への給付率は20%とOECD諸国の中で最低という。
老齢年金を受給中の年寄りばかりが、のうのうと安逸に暮らしていていいものだろうか?
それも子や孫の世代への借金を増やしながら。
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社会的排除―参加の欠如・不確かな帰属 (有斐閣Insight) 単行本 – 絵本, 2008/12/18
岩田 正美
(著)
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ホームレスやネットカフェ難民,長期失業の若者や日雇い派遣など,福祉国家の制度からこぼれ落ち,呻吟する人々。彼らはなぜ,どのようにその拠り所を失ったのか。貧困研究の第一人者が「社会的排除」概念の意味と役割をクリアに示し,日本のリアリティに鋭く迫る。
- ISBN-104641178038
- ISBN-13978-4641178038
- 出版社有斐閣
- 発売日2008/12/18
- 言語日本語
- 本の長さ206ページ
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商品の説明
著者について
日本女子大学教授
登録情報
- 出版社 : 有斐閣 (2008/12/18)
- 発売日 : 2008/12/18
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 206ページ
- ISBN-10 : 4641178038
- ISBN-13 : 978-4641178038
- Amazon 売れ筋ランキング: - 391,194位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 3,885位社会一般関連書籍
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- - 7,352位社会学概論
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2009年3月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2012年4月13日に日本でレビュー済み
現代的な意味での貧困とはなんなのか
貧困と聞いてイメージするのはまずお金がない、飢えている状態だと思います。
近代化以降、福祉国家を標榜してきた先進国は
その動機はともかく貧困者を減らそうとしてきましたし、実際に減っているのでしょう
それでもなお、福祉制度の整った先進国の社会において
一定の割合で貧困といえるべき人々は依然として存在しています
これをうけ、貧困をつくりだす原因までも視野にいれた概念として
社会的排除という概念が生み出されました
さまざまな福祉制度があるなかで、
制度を隙間をすり抜けるようにして、援助されることなく、社会から排除されてしまう人たちがいます
地縁、血縁といった相互扶助が希薄になりつつある中で、排除の問題は深刻さを増していきます
制度が制度である以上、対象とする人々を限定してします
そこでは掬われる人/掬われない人の差が設けられ、結果として掬われない人が排除されることとなります
社会福祉における現代的なトピックである社会的排除をわかりやすくまとめた好著です。
貧困と聞いてイメージするのはまずお金がない、飢えている状態だと思います。
近代化以降、福祉国家を標榜してきた先進国は
その動機はともかく貧困者を減らそうとしてきましたし、実際に減っているのでしょう
それでもなお、福祉制度の整った先進国の社会において
一定の割合で貧困といえるべき人々は依然として存在しています
これをうけ、貧困をつくりだす原因までも視野にいれた概念として
社会的排除という概念が生み出されました
さまざまな福祉制度があるなかで、
制度を隙間をすり抜けるようにして、援助されることなく、社会から排除されてしまう人たちがいます
地縁、血縁といった相互扶助が希薄になりつつある中で、排除の問題は深刻さを増していきます
制度が制度である以上、対象とする人々を限定してします
そこでは掬われる人/掬われない人の差が設けられ、結果として掬われない人が排除されることとなります
社会福祉における現代的なトピックである社会的排除をわかりやすくまとめた好著です。
2013年1月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
評価も高く,社会的排除に関して優れた論考があるものと思って読むが,一度目にあいまいすぎて断念。
再度読んでみたところ気づいたのは,タイトルと内容が一致はしているが,針小棒大な件。
日雇い労働者やホームレスなどに関する論考として理解はできるが,序論的な第2章までを除いて,問題が局限されており,社会的排除の一例には通じても,それを社会的排除の全体とは思えないために読みにくさを感じていることに気付いた。
また,その論考も必ずしも十分ではない。
84ページの表3の住居喪失者の住居を失った理由なども,東京都大阪で構造が違うようにしか思えないのだが,一切言及なくまとめての論考であるし,釜ヶ崎支援機構と大阪市立大学大学院によるインタビュ−の分析へと突入する。
事例自体は極端で問題を明確にするためかとも思えるが,実際には多様な現実の再構成に努めるものであり,原理としての単純さもなく,多様さに溺れてケーススタディになってしまっている。
そうなると今度は社会的排除という全体像があいまいになり,この極端なケースから多様な社会的排除の問題にどうつなげればいいのかが明確でなくなる。
社会的排除自体が極端なケースにのみ当てはまる概念であれば,今度は社会的排除という概念をもち出す意義が薄らぐのではないだろうか。
序章で多様な社会的参加や排除の形をみせていたにも関わらず,本論でその複雑さに迫れていない以上,低い評価も必要であると考える。
社会的排除に関しても斬新な切り口がなく,学ぶものは少なかった。
再度読んでみたところ気づいたのは,タイトルと内容が一致はしているが,針小棒大な件。
日雇い労働者やホームレスなどに関する論考として理解はできるが,序論的な第2章までを除いて,問題が局限されており,社会的排除の一例には通じても,それを社会的排除の全体とは思えないために読みにくさを感じていることに気付いた。
また,その論考も必ずしも十分ではない。
84ページの表3の住居喪失者の住居を失った理由なども,東京都大阪で構造が違うようにしか思えないのだが,一切言及なくまとめての論考であるし,釜ヶ崎支援機構と大阪市立大学大学院によるインタビュ−の分析へと突入する。
事例自体は極端で問題を明確にするためかとも思えるが,実際には多様な現実の再構成に努めるものであり,原理としての単純さもなく,多様さに溺れてケーススタディになってしまっている。
そうなると今度は社会的排除という全体像があいまいになり,この極端なケースから多様な社会的排除の問題にどうつなげればいいのかが明確でなくなる。
社会的排除自体が極端なケースにのみ当てはまる概念であれば,今度は社会的排除という概念をもち出す意義が薄らぐのではないだろうか。
序章で多様な社会的参加や排除の形をみせていたにも関わらず,本論でその複雑さに迫れていない以上,低い評価も必要であると考える。
社会的排除に関しても斬新な切り口がなく,学ぶものは少なかった。
2009年5月8日に日本でレビュー済み
1.内容
ヨーロッパでは、「社会的排除」という語を用いて社会を分析しているが、「貧困」の概念に比べて、苦境に陥っている人の分析に使える。このような問題意識のもと、ホームレスやネットカフェ難民(「ネットカフェ・ホームレス」)などを調べ、陥るプロセスには「引きはがし」と「中途半端な接合」があり、そうなるといろいろなところから排除されてしまっている(場所、住民票がないために選挙に行けない、など)。このような社会状況の改善のためには、現在行われている就業だけの支援ではなく、住宅手当などのお金の支援をも行い、社会的包摂を志向すべきである。
2.評価
著者の主張どおりでうまくいくかはわからないが(日雇い労働はなくならないなどの理由でお金の支援でうまくいくのか、など)、人が排除されるプロセスにはいろいろあることが説明されていること、「貧困」ではなく「社会的排除」を用いる意味がわかること、『生活保護の経済分析』(東京大学出版会)とは異なり需要側の配慮もなされていること、以上3点を重視して、星5つとする。
ヨーロッパでは、「社会的排除」という語を用いて社会を分析しているが、「貧困」の概念に比べて、苦境に陥っている人の分析に使える。このような問題意識のもと、ホームレスやネットカフェ難民(「ネットカフェ・ホームレス」)などを調べ、陥るプロセスには「引きはがし」と「中途半端な接合」があり、そうなるといろいろなところから排除されてしまっている(場所、住民票がないために選挙に行けない、など)。このような社会状況の改善のためには、現在行われている就業だけの支援ではなく、住宅手当などのお金の支援をも行い、社会的包摂を志向すべきである。
2.評価
著者の主張どおりでうまくいくかはわからないが(日雇い労働はなくならないなどの理由でお金の支援でうまくいくのか、など)、人が排除されるプロセスにはいろいろあることが説明されていること、「貧困」ではなく「社会的排除」を用いる意味がわかること、『生活保護の経済分析』(東京大学出版会)とは異なり需要側の配慮もなされていること、以上3点を重視して、星5つとする。
2009年9月1日に日本でレビュー済み
貧困を実証的に研究する社会福祉学博士が2008年に刊行した本。現代の社会参加とは、世界規模で広がる開放的関係と、さまざまなレベルの相対的に閉鎖的な関係とが織りなす複雑な関係の網の目の中で、その人らしく生きていくために必要な関係を選び取って、その網の目の中に入り込み、またそれを変更していく行為である。しかしその際、あるメンバーシップの証明や居場所の確認が、評価のランク付けを伴いながら、一定の網の目の中に入る許可の条件になっていることが少なくない。つまり自由と選択は、存在証明の上に立って初めて認められているのであり、そうした主要な社会関係から特定の人々を閉め出す構造を重視し、そこから現代の社会問題を説明し、これを阻止して社会的包摂を実現しようとする政策とセットになっている用語が、社会的排除である。それは資源のみならず関係や参加・パワーの欠如を問題とすること、複合的な不利に起因するものであること、プロセスを重視する動的な概念であることという特徴を持つが、そのぶん定義が曖昧になる。そこで著者はとくに、グローバル化やポスト工業化を背景とした、福祉国家の諸制度からの、あるいはそれに起因する排除と、空間的排除に注目し、路上ホームレスおよびそれと連続的なネットカフェ難民を主たる事例として、この概念の有効性を説明する。つまり、ホームレス化の経路には引きはがしと社会への中途半端な接合があり、ジェントリフィケーションによる周縁部の縮小や福祉制度による自立支援の失敗が、近年これらの問題を顕在化させ、社会的亀裂を深めている。これらの排除への対策として、社会的包摂が提起されるが、積極的労働参加を強調する議論には著者は批判的であり、アセットベース福祉をも視野に入れながら、むしろ住居の保障と市民としての権利義務の回復に基礎を置くべきだとする。