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満洲の日本人 単行本 – 2004/9/1
塚瀬 進
(著)
- 本の長さ237ページ
- 言語日本語
- 出版社吉川弘文館
- 発売日2004/9/1
- ISBN-104642079335
- ISBN-13978-4642079334
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登録情報
- 出版社 : 吉川弘文館 (2004/9/1)
- 発売日 : 2004/9/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 237ページ
- ISBN-10 : 4642079335
- ISBN-13 : 978-4642079334
- Amazon 売れ筋ランキング: - 838,651位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 11,938位日本史一般の本
- - 75,590位ビジネス・経済 (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2009年1月10日に日本でレビュー済み
満洲に生きた日本人の生活ぶりを当時の『満洲日日新聞』等の資料や各種統計資料を駆使して生き生きと描いた労作だと思います。
第4章の4の使用通貨をめぐる問題に興味深い考察が記載してあります。満洲には金経済圏と銀経済圏があったことを初めて知りました。物価を表す際にも金建てと銀建ての物価が存在していたとの記載は当たり前のようで見過ごしていた指摘だと思います。満洲の中国人は銀経済の中で暮らしていたわけで、日本は金建てで生活してため、金銀相場の変動は在満の日本人の日常生活に影響を及ぼしていた、との指摘は現在の国際社会での生き方に通じるものがあります。
日本人が日本語を中心に使用し、たとえ割高でも日本人の店で購入するというように、日本人の閉ざされた経済圏で生活していた実態は、現在の海外での日本人コミュニティのあり方とリンクしているようです。日本人が海外で生活する意味合いを問う論考でもありました。
アカシヤの大連は日本からの大陸へ渡る際の窓口となっていたこともあり、近代的なインフラの整備が行われていたわけですが、その関東州の発展を財政的に支えたのが、アヘン収入であったことは重要な指摘だと思います。他の著作でも、アヘンと関東軍、満鉄経済圏の闇のつながりの記載を読むにつけ、日本の生命線の実体経済を支えるものの一つがアヘンだったのはしっかりと理解しておくべきことだとあらためて感じました。
章立てとしては、1 満洲への日本人の流入、2 日露戦争による在満日本人の変化、3 在満日本人の活況と苦境、4 在満日本人の社会生活、5 苦悩する在満日本人―一九二〇年代、6 在満日本人社会の諸相、となっていました。知的好奇心をくすぐる一冊だったと思います。
第4章の4の使用通貨をめぐる問題に興味深い考察が記載してあります。満洲には金経済圏と銀経済圏があったことを初めて知りました。物価を表す際にも金建てと銀建ての物価が存在していたとの記載は当たり前のようで見過ごしていた指摘だと思います。満洲の中国人は銀経済の中で暮らしていたわけで、日本は金建てで生活してため、金銀相場の変動は在満の日本人の日常生活に影響を及ぼしていた、との指摘は現在の国際社会での生き方に通じるものがあります。
日本人が日本語を中心に使用し、たとえ割高でも日本人の店で購入するというように、日本人の閉ざされた経済圏で生活していた実態は、現在の海外での日本人コミュニティのあり方とリンクしているようです。日本人が海外で生活する意味合いを問う論考でもありました。
アカシヤの大連は日本からの大陸へ渡る際の窓口となっていたこともあり、近代的なインフラの整備が行われていたわけですが、その関東州の発展を財政的に支えたのが、アヘン収入であったことは重要な指摘だと思います。他の著作でも、アヘンと関東軍、満鉄経済圏の闇のつながりの記載を読むにつけ、日本の生命線の実体経済を支えるものの一つがアヘンだったのはしっかりと理解しておくべきことだとあらためて感じました。
章立てとしては、1 満洲への日本人の流入、2 日露戦争による在満日本人の変化、3 在満日本人の活況と苦境、4 在満日本人の社会生活、5 苦悩する在満日本人―一九二〇年代、6 在満日本人社会の諸相、となっていました。知的好奇心をくすぐる一冊だったと思います。
2006年6月11日に日本でレビュー済み
日本人として海外で生きるとはどういうことか?
結局「満洲」にやってきても「日本人」の殼に閉じこもる日本人たち。満洲にやってきて何年たっても頑固に日本式の生活を守り続け、言葉も覚えようとしない。狭い「満鉄附属地」の日本人社会に閉じこもり、共食いを続けて、やがて満洲経営も行き詰まりをみせはじめるが……
満洲国というのは結局この居心地のいい「殼」を東三省全域に拡大したものにすぎなかったのでは?
結局「満洲」にやってきても「日本人」の殼に閉じこもる日本人たち。満洲にやってきて何年たっても頑固に日本式の生活を守り続け、言葉も覚えようとしない。狭い「満鉄附属地」の日本人社会に閉じこもり、共食いを続けて、やがて満洲経営も行き詰まりをみせはじめるが……
満洲国というのは結局この居心地のいい「殼」を東三省全域に拡大したものにすぎなかったのでは?