開国派VS保守派ちう対立軸ではなく別の対立軸を導く
たとえば渡辺崋山は海防には熱心だった、というわけではなく
小藩で財政も厳しかった田原藩の経営再建のために
幕府からの街道筋の賦役などの負担を軽減することを目論見て
海防ごっこをしてそれを理由に負担を返上するのに成功したのだという
ただ海防に熱心な藩として他藩からの問い合わせや視察が相次ぎ
ごっこでは済まなくなって涙目だったという
諸外国の情報をよく知り脅威を強調する海防派と
諸外国の情報をよく知り開国路線を支持する開国派では全然違って
前者は江川英竜、後者が渡辺崋山であるという
鳥居耀蔵も蘭学そのものを敵視していたのではなく
幕府に忠義を尽くす者として幕藩体制の瓦解につながる開国派を敵視していた
儒家も蘭学者とは交流をしており、儒家vs蘭学というものではないという
出身の林家からは外交に携わる人間も出ているし
林家の儒家は人道上の見地から漂流民受け入れも提言している
また江川英龍とは相互に信頼しており親交があったようだ
鳥居耀蔵自身は海防は財政上無理ゲーと悟っていたようだ
著者は小笠原諸島の研究家であって蛮社の獄の発端となった密航の話で
蛮社の獄も研究するようになったのだという
海防派と開国派の差異というのは示唆に富む話であるな
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「蛮社の獄」のすべて 単行本 – 2011/6/15
田中 弘之
(著)
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「蛮社」の由来でもある尚歯会は弾圧されず、多くの謎が存在する事件。奉行所での取り調べや判決の周辺にも目を通し、実像に迫る。
- ISBN-104642080597
- ISBN-13978-4642080590
- 出版社吉川弘文館
- 発売日2011/6/15
- 言語日本語
- 本の長さ360ページ
登録情報
- 出版社 : 吉川弘文館 (2011/6/15)
- 発売日 : 2011/6/15
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 360ページ
- ISBN-10 : 4642080597
- ISBN-13 : 978-4642080590
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,031,139位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 30,138位日本史 (本)
- カスタマーレビュー:
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2011年12月10日に日本でレビュー済み
諸田玲子『お順』で高野長英を蘭学故の思想犯という
記述がしてあり、一方では井野辺茂雄が再評価される
(中野剛志『TPP亡国論』)風潮もあり、「蛮社の獄ってそ
もそも何なの?」と思っていたところです。その中での本
書の出版は、わたしにはぴったりのタイミングのものでし
た。
本書の著者は、蛮社の獄は蘭学を嫌う林家の弾圧で
あったとか、その裏にあった幕府官僚守旧派と開明派
の対立の結果であったという通説(巷説)に真っ向から
反駁します。それは、祖法として鎖国という方針を揺るが
す動きを封じるための一罰百戒、みせしめとして行われ
たものものだと。そのために南町奉行所の被疑者調べを
克明に検証した終末箇所(原文のままの引用でわたしに
は読むのが辛かった)が、本書のハイライトになっていま
す。ただし、反証は韜晦に満ちた当事者の供述書などを
頼りにしている分、説得力に欠けるのがもどかしいところ
ではありました。
いずれにせよ、先人の言をうのみにせず自分の頭で考
えてみる、そのことの意義をいま一度思い起こさせてくれ
ました。
記述がしてあり、一方では井野辺茂雄が再評価される
(中野剛志『TPP亡国論』)風潮もあり、「蛮社の獄ってそ
もそも何なの?」と思っていたところです。その中での本
書の出版は、わたしにはぴったりのタイミングのものでし
た。
本書の著者は、蛮社の獄は蘭学を嫌う林家の弾圧で
あったとか、その裏にあった幕府官僚守旧派と開明派
の対立の結果であったという通説(巷説)に真っ向から
反駁します。それは、祖法として鎖国という方針を揺るが
す動きを封じるための一罰百戒、みせしめとして行われ
たものものだと。そのために南町奉行所の被疑者調べを
克明に検証した終末箇所(原文のままの引用でわたしに
は読むのが辛かった)が、本書のハイライトになっていま
す。ただし、反証は韜晦に満ちた当事者の供述書などを
頼りにしている分、説得力に欠けるのがもどかしいところ
ではありました。
いずれにせよ、先人の言をうのみにせず自分の頭で考
えてみる、そのことの意義をいま一度思い起こさせてくれ
ました。