物語は、美しい同級生の少女を巻き込んで起る殺人事件と、真相を追う内に少女に疑念と抱くと同時に、強く惹かれていく少年の心の葛藤が描かれる。そして驚愕の真相が判明する時・・・劇的なクライマックスが!!
実は中間まではちょっと困った。どちらかと言うと地味であまりカッコ良くない主人公の日常、私には難しいと感じる論理、余り目立たない脇役陣・・・そんな風に感じてしまったのですね。ところが、後半に入ると一変!主人公と少女の間の行き詰まるやりとりが始まり目が離せなくなります!クライマックスは凄い!荒唐無稽とも言えますが、ファンタジックで破天荒とも思える展開。激しく妖しく美しい・・・まさしく「月蝕姫のキス!!」のような幻想的な展開です!
「あとがき」を読むと、作者の芦辺氏は名探偵の「誕生」物語を意識していたようで、確かに後日談の部分でそんな描写もありますが、本編の中では「探偵物」という雰囲気は感じません。そんな面や、他の登場人物の役割や描写についてもう少し緻密に書いてあれば驚くような傑作 に・・・と思わないでも無いけれど、これはこれで楽しめましたね・・・。
「叙情あふれるミステリー」というには少女の存在感が余りに強烈ですが、結末にはそこはかとなく切ない叙情が流れています。とは言っても、それは涙とは無縁の、あえて言えば、「月蝕姫」の残り香のようなものでしょうか・・・。
美しくも妖しい・・・不思議なミステリーが読んでみたい人に・・・。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
月蝕姫のキス (ミステリーYA!) 単行本 – 2008/10/1
芦辺 拓
(著)
- 本の長さ322ページ
- 言語日本語
- 出版社理論社
- 発売日2008/10/1
- ISBN-104652086091
- ISBN-13978-4652086094
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : 理論社 (2008/10/1)
- 発売日 : 2008/10/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 322ページ
- ISBN-10 : 4652086091
- ISBN-13 : 978-4652086094
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,567,666位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 659位こどもの推理小説
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2011年1月18日に日本でレビュー済み
強制的にロジックの渦に引きずり込んでおきながら
夢想的なオチでその世界から読者を吐き捨てる。
稚拙なトリック。
ファンタジーとしては非常に読みづらい。
『探偵小説』と銘打ってはいるものの
お世辞にもそうは言い難い終盤の投げやりな展開。
本作の執筆への飽きからくる強引な締め、
さも余韻を残したかのような終わらせ方。
ただ作者の意図がそこにあるかは別として、
読者は必然的に最後まで読まされてしまう。
しかしその結果、読者は『おいてきぼり』。
夢想的なオチでその世界から読者を吐き捨てる。
稚拙なトリック。
ファンタジーとしては非常に読みづらい。
『探偵小説』と銘打ってはいるものの
お世辞にもそうは言い難い終盤の投げやりな展開。
本作の執筆への飽きからくる強引な締め、
さも余韻を残したかのような終わらせ方。
ただ作者の意図がそこにあるかは別として、
読者は必然的に最後まで読まされてしまう。
しかしその結果、読者は『おいてきぼり』。
2009年10月21日に日本でレビュー済み
内向的で引っ込みがちな主人公が殺人事件に巻き込まれていくってのはいいんだけど、後半に行くにつれておもしろさが失速していきます。はみ出し者の刑事や子供のプロ犯罪者など魅力的なキャラが出てくるんですが、なんかせっかくの設定をうまく活かせてない感じでした。どうせなら主人公とはみ出し者の刑事が協力しながら事件の真相を探っていくとかすればおもしろいのに。もったいない作品です。
2010年10月24日に日本でレビュー済み
最初に書いておくが、著者のファンであり、ミステリの作品に関しては、ほとんど読んでいる。だから、近年、著者が江戸川乱歩の少年物、しかも探偵小説を愛し、その系統の作品を発表していることも知っている。本作に関する限り、ヤングアダルト向けの本シリーズの1冊であること、著者のそういった傾向とも合致していることから、読む前は楽しみにしていた。
前半部分では、ヒロインが持つ雰囲気に魅せられてしまった。
しかし、後半部分になると、首を傾げたくなってしまった。探偵小説が奇妙なファンタジーのようになってしまっている。これなら、いっそ全体をファンタジーにしてしまった方が、収まりが良かったように思う。
デビュー当時のキレの良さは、どこにいってしまったのだろうか?
前半部分では、ヒロインが持つ雰囲気に魅せられてしまった。
しかし、後半部分になると、首を傾げたくなってしまった。探偵小説が奇妙なファンタジーのようになってしまっている。これなら、いっそ全体をファンタジーにしてしまった方が、収まりが良かったように思う。
デビュー当時のキレの良さは、どこにいってしまったのだろうか?
2010年5月25日に日本でレビュー済み
謎解きではじまり、主人公の高校生(だと思うが・・)のつまらない駄弁がつづき、180ページを過ぎてもいっこうに面白みがでてこない。いっそ読むのを止めようとおもったやさき、いきなり社会正義を振りかざしたと思いきや、ホラーじみた転回となりあげくはSFとなってしまった。なんだこりゃ、お寿司に紫の代りに、ソースをかけて食べたような、気持ち悪さをおぼえてしまった。どうやら作者はこの物語のおちが好みとみえ、続きを考えているもよう。
こちらの味覚がおかしくなるまえに退散するとしよう。
作者のファン向きのもので、それ以上ではない。
こちらの味覚がおかしくなるまえに退散するとしよう。
作者のファン向きのもので、それ以上ではない。