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クラスルーム (ミステリーYA!) 単行本 – 2008/7/1
- 本の長さ415ページ
- 言語日本語
- 出版社理論社
- 発売日2008/7/1
- ISBN-10465208627X
- ISBN-13978-4652086278
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登録情報
- 出版社 : 理論社 (2008/7/1)
- 発売日 : 2008/7/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 415ページ
- ISBN-10 : 465208627X
- ISBN-13 : 978-4652086278
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,922,826位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 820位こどもの推理小説
- カスタマーレビュー:
著者について
埼玉県出身。早稲田大学文学部卒業後、JTBに入社、雑誌『旅』などの編集に携わる。
88年、『五つの棺』(のち『七つの棺』として文庫化/創元推理文庫)でデビュー。88年、『倒錯のロンド』(講談社文庫)で江戸川乱歩賞候補、95年、『沈黙の教室』(ハヤカワ文庫)で日本推理作家協会賞(長編部門)受賞。主な作品に、『倒錯の死角』『倒錯の帰結』『異人たちの館』(講談社文庫)、『冤罪者』『失踪者』『天井男の奇想』(文春文庫)、『逃亡者』『追悼者』(文藝春秋)、『暗闇の教室』(ハヤカワ文庫)など。
謎の画家、石田黙の作品を収集。05年、石田黙作品集にして美術ミステリである『黙の部屋』(文藝春秋/現在文春文庫)を発表。
07年6月、石田黙のコレクション展(石田黙展)を文藝春秋画廊・地下室で開く。
11年5月、メメント・モリ(折原一骸骨絵コレクション展)を同画廊で開く。
18年10月、ヴァニラ画廊にて、メメント・モリ展&石田黙展を開く。
現在、日本推理作家協会会員。
著者ホームページ 「沈黙の部屋」http://orihara1.la.coocan.jp/
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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著者は叙述にしかけをするのが持ち味なので、ヤング向けミステリではたしてどのような・・・という期待があった。
はたして期待は、ある程度は満足した。
ある程度というのは、ヤング向けミステリならこの程度かな、ということだ。
これまでに著者のミステリを読んでいるヒトなら、この作品のネタ、そして真犯人も、かなり早い段階で想像がつく。
したがって後半は、その想像が当たっていることの確認といった感じになる。
それでもやはり、著者のミステリは、読んでいてけっこうハラハラというか緊迫感がある。
その作品世界に引っ張り込む筆力とストーリーの展開は、さすがに手練れの著者だけのことはある。
まあ、作中人物が緊迫すればするほど、読者のほうは冷めちゃうんだけどもね。
本叢書が出版社の都合で30数冊で終了してしまったのは残念だ。
けっこうロジックのしっかりしたものから、幻想風味の強いもの、また本作のようにホラーテイストのものまで、バラエティに富んでいた。
ソフトカバーで手頃だし、講談社のミステリーランドと良い意味で競い合って、ヤング層の読書離れを食い止めてほしかったな。
そういえばミステリーランドも、最近はちっとも新刊が出ない。
やはりヤング向けというのは、けっこうハードルが高いのかもしれない。
さて、本作がホラーテイストなのは、やはり学校が絡むせいだろう。
いわゆる「学校の怪談」ネタというわけだ。
なぜ10年後に、という突っ込みはさておき、かつての不良の意外な正体など、キチンとオチをつけるところは、さすがにテクニシャンだ。
ロジックが弱いので星みっつにしたが、作品世界にひたれるという点では、なかなか良い。
であれば、しょうがない(?)のかもしれないが、
最近のミステリーに多くみられるように、ひねったトリックを作ろうとする意識が強過ぎて、ストーリーや人物造形、描写に深みやリアリティ、魅力が無い。
結局、トリック自体も都合のよい偶然の積み重ねで誤魔化してしまい、しかも、明かされた真実に特段の驚きも無いので、話自体にも面白さが無く、本末転倒というか、まさに『2兎追うものは1兎も得ず』となってしまった。
しかも、その感じが冒頭の数ページで明確に分かってしまい、読むのを止めたい気持ちを無理して読み続けて、結局、最後まで予想を裏切つてもらえず、コストパフォーマンス的にも残念な本であった。
加えて言えば、姉妹作を作中で推し過ぎており、その下手さが、さらに読みたい気持ちを萎えさせた。
好評を博した前作と比べて、『クラス』は質量ともによりパワーアップ。というのも前作は「袋閉じ」という趣向だったが、今回は正攻法のサスペンスで、ぐいぐいと迫ってくるからだ。10年前(中学時代)と現在とが、叙述で交錯しだす辺りからは無類の面白さで、思わず大人の私でも手に汗にぎってしまうほど。叙述トリックの第一人者は、『消えた時間』のバリンジャーとされるが、折原はその再来といって過言ではなかろう。
また登場する女性2人が、かなり魅力的。女性造詣の点では、『奥能登殺人旅行』に次ぐ出来栄えに仕上がっている。これだけの傑作を子供だけが楽しむのは、勿体ない。大人の方もぜひ――。
犯人(ホシ)は・・・豪華ミステリー作家たち。
被害者(ガイシャ)は・・・12才以上の読者。
凶器は・・・面白すぎる物語。
――というコンセプトの、いわばジュブナイルであるが、この第一作『タイムカプセル』につづいてラインナップされたのが、折原一の46作目となる、その姉妹編の本書である。
埼玉県北東部の小さな町にあり、いまは廃校となった栗橋北中学校。その3年B組の数人に10年ぶりのクラス会の通知が届く。幹事の名前に誰一人見覚えがなく、会場が夜の学校の校舎であることが不安をかきたてる。これは10年前の忌まわしい「肝だめし」に関係があるのか・・・。
本書はノスタルジック・ホラーの範疇に入る作品だろうと思われるが、いつもの折原一のような、凝りに凝った「文章そのもの」をトリックに使ってしまう叙述ミステリーの影は薄く、ジュブナイルだから仕方がないとはいうものの、おとなの読者が期待する“言葉の魔術師”の本領発揮とまではいかない作品だった。