「非暴力平和隊」と聞いて、「それ 何?」と仰る方が殆どだと思います。
私が 7年前に 初めて新聞でこのNGOについての記事を読んだときには 本当に驚きました。そのとき 頭に浮かんだのは、「イワンの馬鹿」そして「捨身飼虎」、いわば お伽噺の世界でした。
ところが これを 実行に移そうとしている人たちがいる!
私は 会社を辞めた後 どう過ごそうかと考え初めていた時期でしたので、「この試み たとえ 行き詰まったり 失敗したとしても 人生の最後に素晴らしい夢を見ることが出来る!」と思い、お手伝いを始めました。
それから7年。スリランカという難しいところでの 最初の試みが 苦労しながら続けられています。
延べ数十人の方が 現地で活動してこられていますが 日本の女性お二人も 参加しておられます。
この本を読んでも 問題点が多いことは よくわかります。
しかし 「非武装」の「各国」の「男女」の「市民」が 非暴力の信念とトレーニングの下に、「紛争地の 非暴力で問題解決を志している市民を支援する」ことで 一時的ではない平和を構築しようというこのNGOの努力は 紆余曲折はありましょうが 人類の歴史の歯車を一歩前へ進めるものとなると思います。
この7年間を 様々な立場で参加しておられる方が 熱い想いを込めて筆をとられたこの1冊、歴史に残る1冊になって欲しい! と 願っています。
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この本の編者のことば・・・「あとがき」から・・・
いま、国際平和協力一般法=自衛隊海外派遣一般法を制定しようとする動きが顕著である。
これに反対する市民の声も大きい。
日本の国際平和協力のあり方を問うとき、常に争点となるのが日本国憲法の平和主義、とりわけ9条との関係だ。
日本国憲法前文を注意深く読むならば、「公正な世界秩序をつくるために主体的積極的に関与する」というわたしたち主権者の決意は読み違えようがない。
日本の主権者が国際平和協力に主体的積極的に取り組まないという選択肢はありえない。
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問題なのは、国際平和協力がもっぱら自衛隊海外派遣の議論に傾斜してしまうことである。
「自衛隊を海外に派遣するな」という主張は──派遣が武力行使につながるおそれがあるときや国際公共性を欠くときにはとりわけ──よく理解できる。これは確かに日本国憲法の平和主義の重要な側面である。
しかし同時に、自衛隊を海外に派遣しないのであれば、国際平和協力として日本の主権者は何をするのか、それが問われる。
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武器を持たずに紛争地に行き、紛争当事者に「外部の目」「国際社会の目」を意識させることによって紛争の暴力化を防ぐ活動である。
日本国憲法の平和主義からいって、わたしたち主権者はまず、この「非軍事的な国際平和協力の広大な沃野」について検討し、実行に移すことを考えたい。
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非武装のPKO 単行本 – 2008/4/23
君島 東彦
(著)
- 本の長さ188ページ
- 言語日本語
- 出版社明石書店
- 発売日2008/4/23
- ISBN-104750327832
- ISBN-13978-4750327839
商品の説明
抜粋
あとがきから いま、国際平和協力一般法=自衛隊海外派遣一般法を制定しようとする動きが顕著である。これに反対する市民の声も大きい。日本の国際平和協力のあり方を問うとき、常に争点となるのが日本国憲法の平和主義、とりわけ9条との関係だ。日本国憲法前文を注意深く読むならば、「公正な世界秩序をつくるために主体的積極的に関与する」というわたしたち主権者の決意は読み違えようがない。日本の主権者が国際平和協力に主体的積極的に取り組まないという選択肢はありえない。問題なのは、国際平和協力がもっぱら自衛隊海外派遣の議論に傾斜してしまうことである。 「自衛隊を海外に派遣するな」という主張は──派遣が武力行使につながるおそれがあるときや国際公共性を欠くときにはとりわけ──よく理解できる。これは確かに日本国憲法の平和主義の重要な側面である。このような主張をわたしは「しない」平和主義と呼ぶ。しかし同時に、自衛隊を海外に派遣しないのであれば、国際平和協力として日本の主権者は何をするのか、それが問われる。日本の主権者による国際平和協力の実践、すなわち「する」平和主義が必要であ��襦�修譴覆靴房�丗盂こ闇標�紳个鯀覆┐襪世韻任論眛昔呂�紊ぁ���ぢ 国際平和協力には、軍事介入ではない、紛争予防、紛争後平和構築、人権監視、選挙監視などさまざまなかたちがある。非軍事的な国際平和協力の領域はまだまだ拡大しうる。現在、数々のNGOがそれぞれの領域で活動中である。本書の執筆者がかかわる国際NGO「非暴力平和隊」(Nonviolent Peaceforce)は、紛争地の住民の生命を守ることを目的としている。武器を持たずに紛争地に行き、紛争当事者に「外部の目」「国際社会の目」を意識させることによって紛争の暴力化を防ぐ活動である。日本国憲法の平和主義からいって、わたしたち主権者はまず、この「非軍事的な国際平和協力の広大な沃野」について検討し、実行に移すことを考えたい。これが本書の目的である。
著者について
非暴力平和隊(Nonviolent Peaceforce, NP) 地域紛争を非暴力で解決するために活動をしている国際NGO。2002年にインドで発足。紛争地に人員を派遣して、現地の非暴力運動体・平和組織と協力しながら現地活動家などに対する脅迫、妨害を防止し、地域紛争を非暴力的に現地の人々が解決できるように環境づくりをしている。
君島 東彦(キミジマ アキヒコ) 1958年生まれ。立命館大学国際関係学部教授。専門は憲法学、平和学。2008年4月現在、米国ワシントンDCのアメリカン大学国際関係学部で客員教授として、"Japanese Politics in War and Peace"と"Global Constitutionalism"という科目を教えている。2000年以来、国際NGO非暴力平和隊の設立・運営にかかわってきた。毎年ノーベル平和賞候補をノミネートしている。最近の共著として『平和憲法と公共哲学』(晃洋書房)、『人間の安全保障と国際社会のガバナンス』(日本評蓮�声辧砲�△襦���途智賓塢藁�世界の紛争地域で非暴力・無党派を原則にした平和維持活動を実践している国際NGO「非暴力平和隊」の11人のメンバーが各々の活動経験をもとに、ミリタリーからシビルへの移行に民間人がどのように関わって行くことができるのか著している。
君島 東彦(キミジマ アキヒコ) 1958年生まれ。立命館大学国際関係学部教授。専門は憲法学、平和学。2008年4月現在、米国ワシントンDCのアメリカン大学国際関係学部で客員教授として、"Japanese Politics in War and Peace"と"Global Constitutionalism"という科目を教えている。2000年以来、国際NGO非暴力平和隊の設立・運営にかかわってきた。毎年ノーベル平和賞候補をノミネートしている。最近の共著として『平和憲法と公共哲学』(晃洋書房)、『人間の安全保障と国際社会のガバナンス』(日本評蓮�声辧砲�△襦���途智賓塢藁�世界の紛争地域で非暴力・無党派を原則にした平和維持活動を実践している国際NGO「非暴力平和隊」の11人のメンバーが各々の活動経験をもとに、ミリタリーからシビルへの移行に民間人がどのように関わって行くことができるのか著している。
登録情報
- 出版社 : 明石書店 (2008/4/23)
- 発売日 : 2008/4/23
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 188ページ
- ISBN-10 : 4750327832
- ISBN-13 : 978-4750327839
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,574,688位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 926位NGO・NPO (本)
- - 5,489位国際政治情勢
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