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人工知能と21世紀の資本主義─サイバー空間と新自由主義単行本 – 2015/12/20

本山美彦 (著)

9

すべての形式と版を表示

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購入オプションとあわせ買い

爆発的なITテクノロジーの進展は、喧伝されるようなバラ色の未来をもたらすのか。
個人の自由なネットワークを実現するはずのSNSは、マイノリティを圧殺する手段となりつつある。コンピュータリゼーション(労働の自動化)は、雇用喪失と労働条件の劣化をもたらしている。熟練労働者は駆逐され、日銭稼ぎのアルバイトが増加する。……
「シンギュラリティ」(技術的特異点)を超え、世界が後戻りのできない地点に至ったとき、私たちを待ち受けるものは、一握りの「勝ち組」のためのユートピアではないのか。
本書で、著者は、人工知能、インターネットをはじめとするITテクノロジー開発にシカゴ学派など新自由主義者がいかに深く関わってきたかを明らかにし、サイバー空間の論理を読み解く。単純な新自由主義批判では、今日の危機は乗り越えられない。著者渾身のサイバー・リバタリアン批判。

◆目次
第I部サイバー空間の現在─オンデマンド経済と労働の破壊
第1章フリーランス(独立した)労働者
第2章コンピュータリゼーション(労働の破壊)
第3章使い捨てられるIT技術者
第4章 SNSと刹那型社会の増幅
第II部サイバー空間の神学─新自由主義のイデオロギー
第5章サイバー・リバタリアンの新自由主義
第6章ジョージ・ギルダーの新自由主義神学
第7章ハーバート・サイモンと人工知能開発
第III部サイバー空間と情報闘争─新たなフロンティアの覇権の行方
第8章企業科学とグローバルな共同利用地の行方
第9章証券市場の超高速取引(HFT)
第10章サイバー空間と情報戦
第11章ビットコインの可能性
終章スタートアップ企業に見る株式資本主義の変質

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本の長さ

313ページ
言語

日本語
出版社

明石書店
発売日

2015/12/20
寸法

18.8 x 12.8 x 2.5 cm
ISBN-10

4750342920
ISBN-13

978-4750342924
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本山美彦
5
単行本（ソフトカバー）
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商品の説明

著者について

本山美彦(もとやまよしひこ)
1943年神戸市生まれ。京都大学名誉教授。公益社団法人・国際経済労働研究所理事長。

登録情報

出版社 ‏ : ‎ 明石書店 (2015/12/20)
発売日 ‏ : ‎ 2015/12/20
言語 ‏ : ‎ 日本語
単行本 ‏ : ‎ 313ページ
ISBN-10 ‏ : ‎ 4750342920
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4750342924
寸法 ‏ : ‎ 18.8 x 12.8 x 2.5 cm

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ｈｉｒｏ１１

ビッグデータの中で

2016年5月12日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

ギルドの中で商工業は進み、aiユートピアが
生まれつつある。グーグル、アップル、データ産業、
情報ロボットアンドロイド。時代の推移の中で
新たなるユートピアがビッグデータをコントロール
しようとしている。
新世紀会のいうコンピュータ政府へと

3人のお客様がこれが役に立ったと考えています

役に立った

菊田　篤治

高度かつ冷静な経済学

2021年3月3日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

仲間に推薦

役に立った

ひらまてぃ

結論ありきで論理立てているため、途中で論理が崩壊している

2016年3月6日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

【概要】
（分野）自由主義批判、雇用喪失
（頁数）前書&目次16頁 + 本文261頁 + 参考文献&後書34頁
（出版日）2015/12/20

　著者は、京都大学の経済学部長も務めた経済学者の本山美彦氏で、代表作に「金融権力」などがあります。本山氏は自由主義的な政策に反対で、その結果として反米的な姿勢で有名です。

　本書は、多数の事例が参照されるために問題提起から結論までの流れが大変読みにくく、時には結論ありきで論理が後から付いて来ているため、筆者の中道左派的な経済思想を踏まえて上で読まないと大変理解し難いです。

【内容】
　本書は、3部構成となっており、第Ⅰ部と第Ⅱ部では、「IT化」を推進する人々の理念が、「新自由主義」の理念と同一であることを強調し、「雇用の喪失」や「格差問題」の原因は「IT化」であると力説しています。
　また、第Ⅱ部では、「IT化」を推進する人々を「サイバー・リバタリアン」と呼称し、彼らの理念は「新自由主義」同様に根拠の乏しい「神学」に過ぎないと強く批判しています。

　しかし、第Ⅲ部では、「スノーデン事件」における米国政府のプライバシー侵害を引き合いに、一転して政府を批判し、更には「サイバー・リバタリアン」的な思想を持つ「サイファー・パンク」によって提唱された「ビットコイン」について好意的な態度を見せます。
　第Ⅰ部と第Ⅱ部で、国家の市場への影響を極力排することを目的とした「新自由主義」を強く批判しながら、「ビットコイン」は「国家による影響力がほとんどない」点を評価しているのは、本書における筆者の立場を非常に分かりにくくしています。

　こうした矛盾が生まれるのは、筆者が19世紀二月革命直後のフランスで、「人民銀行」の設立を説いた社会主義者のプルードンの理念を筆者が強く賛成しているためです。
　プルードンが「人民銀行」で説いた、国家や「金融権力（銀行）」に依らない「相互主義」が、同じく国家に依らず、銀行を介さない「ビットコイン」と通ずると筆者は感じており、そのため「ビットコイン」には好意的な解釈となっています。

　こうした筆者の立場は「全てを市場に任せる新自由主義は反対だが、だからと言って、権力の固まりである政府・大企業に任せるのも反対だ」という中道左派的な経済思想に基づいています。
　本書は、筆者のこうした思想を元に、大企業や国家を「既得権益に群がる一種の権力」と決め付け論理が展開されているため、論理の強引さや破綻が見られます。

　また、本書は、問題提起から結論を述べるまでに、IT化に対する否定的な事例や学者の意見を多く参照していますが、論拠を重ね続けているだけで大意が非常に読みにくくなっており、読者に親切とは言えません。

【感想】
　筆者の批判する、金融業界における「HFT（高速・高頻度取引）」の導入で市場が不安定化したのではないか？という疑義など、「IT化」によるある種の弊害には一部納得できるものがあるものの、論理構成の強引さが目立ってしまい、良書とは言い難い感想を抱きました。

10人のお客様がこれが役に立ったと考えています

役に立った

Ordinary Cruncher

消化不良

2016年3月7日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

IT化とリバタリアン，ネオリベラリストとの相性の良さを語り，ITブーム，特にビッグデータや人工知能への盲信を非難している．
随所に無用な解説(知っている人には不要，知らない人が分かるほど丁寧ではない)が入るため読みづらいが，熱い思いは伝わってくる．

しかしその基本的な姿勢は，旧き良き啓蒙主義という風情で，価値観や教養が細分化したこの現代において，誰に向かって語りかけているのか非常に分かりづらい．

印象的なのは，経済学者の間では常識とされている「労働塊の誤謬」を否定していること．
ラッダイトの肯定といい，政府や大企業の御用学者とは明らかに一線を画している．

個人的には，多様な視点を入れるなら，もっと重厚な書物に仕立ててほしかった．
本書のように300ページのソフトカバーの本ならば，もっと分かりやすく1つの視点を貫いてほしい．

2人のお客様がこれが役に立ったと考えています

役に立った

ひろ

現代人の読むべき一冊

2015年12月31日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

まず、急速にIT化、グローバル化する世界の諸相をさまざまな角度から活写・論評する著者の博識・博学に驚かされる。
同時に日常の時々に耳にする現代の種々のキーワードやキーパーソンが有機的に概説されており
現代人の教養の書としての一面も本書は持ち合わせている。
AIが高度化して知的労働者が不要になる前になんとか現状のままで逃げ切りを図りたいと思う自分がいる一方で、
本書に書かれた現状や未来を見つめ多少なりとも能動的・自立的にそれらに係わり合いを持ち合いたいと思う相反する感情を持った。
現代人必読の書としても過言ではない。

22人のお客様がこれが役に立ったと考えています

役に立った

Yudai

結局著者が何を伝えたいのかがわからない。

2016年3月5日に日本でレビュー済み

「シンギュラリティの先に待ち受けるのは勝ち組たちのユートピアではないのか」と帯にはあるが、それがこの本のメインにはそれほどなっていない。

第一部で、「テクノロジーの発展は個人主義を助長し、強い個になりきれない多数の人にとっては息苦しい社会になる」ということを危惧する箇所もあったが、その後シンギュラリティが勝ち組たちのユートピアになるみたいな話はあまり出てこない。

あとがきの冒頭では、「本書では働くことの尊厳が破壊されるという負の連鎖を糾弾してきた」とあって完全にクエスチョンマーク。これについても第一部でちょろっと触れられているだけである。

どちらかというと、他のレビュアーさんが書いているように、AI・ビッグデータ・ビットコインなどのホットなキーワードを軸に、あらゆる方面からの知識を吸収できる本になっている。

少し期待外れだったのと、3000円弱という値段の高さに星3つ。

4人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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しょうちゃん

気迫ある書

2016年1月2日に日本でレビュー済み

　「私は、優秀な職人を身近に見て育った。木型職人の彼の図面はまさに芸術品であった。・・・（さらに彼が描く油絵も）清逸と気品に溢れたものであった・・・彼の生涯は、地味だが気骨あるものであった。」
　なにげなく手にとって頁を開いた瞬間に、私の目に飛び込んだ本書の「はしがき」の冒頭が、私の胸を掴んだ。私の少女時代も職人に囲まれていた。せつなく懐かしいわたしの少女時代。この文章が職人の「いなせな姿」に憧れていたわたしの心を蘇らせてくれた。
　そそらく、著者が回想する「優秀な職人」とは、お亡くなりになっているであろう父君であろうと想像してしまう。文に込められている哀愁がわたしにそう思わせる。
　楽しかった職人の世界を、なつかしむだけでなく、いまの次代に生き返らせたい。本書で貫かれている[著書の想い」は「職人の復権」への熱い思いであると、人工知能の支配する社会に怯えるわたしなどは、感覚的に理解してしまう。
　画像だけでつながるだけの干からびてしまった現代の人間関係に、熱い人間の血潮を吹き込み直そうとする著者のような作業が、いまは絶対に必要である。
　時代に媚びず、しかし、観相者でもない（であろう）著者が渾身の著からで書き切った気迫の本書。真剣にサイバー空間の中身に入り込んで欠点を克服する道筋を見出そうとする著者。顔と顔で醸し出していた職人の人間らしい世界を復権させるために、著者には頑張ってほしいと願う。本書を一気に読んだわたしは、本書から深い感動を得た。人が進みうる道を指し示したものとして考えさせられる一冊である。

24人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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