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新装版 合本 公害原論 単行本 – 2006/12/1
1971年の初版刊行以来、版を重ねてきた名著がついに復刊! それまで企業寄りの技術論に終始していた風潮に警鐘を鳴らし、「公害」の社会的意味を初めて問い、現在の環境学の礎となった記念碑的作品。1970年10月から東大で始まった夜間自主講座の13回分を収載。
- 本の長さ872ページ
- 言語日本語
- 出版社亜紀書房
- 発売日2006/12/1
- ISBN-104750506184
- ISBN-13978-4750506180
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商品の説明
出版社からのコメント
人間と社会を見るにあたって、いちばん大事なことは、「事象の重大性に気づく
感性」であり、「本質を見抜く考える力」であり、「全容をとらえる思考の枠組
み」である。本書は、戦後公害の原点である水俣病を出発点にして、国内と世界
の重要な公害・環境破壊の具体的事件を語りつつ、同時にそれらに内在する本
質的問題を解き明かしていく。国家権力の僕に堕した学問の洗脳の場である東京
大学で、権力に倚りかからず、立身出世にも企業の利潤追求にも役立たない本質
をとらえる学問を、時代状況と呼応させつつ"自主講座"という方法で、学生や研
究者や一般市民に語り続けたこの分厚い記録は、30年以上経った今も、宇井氏の
肉声が聞こえるような新鮮な響きを持っている。そこには、歳月を超えて普遍性
のある、事象の本質をとらえる「感性」と「考える力」と「思考の枠組み」が語
られているからだ。
著者について
登録情報
- 出版社 : 亜紀書房; 新装版 (2006/12/1)
- 発売日 : 2006/12/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 872ページ
- ISBN-10 : 4750506184
- ISBN-13 : 978-4750506180
- Amazon 売れ筋ランキング: - 462,473位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 43位産業廃棄物・公害
- - 702位都市開発・都市問題 (本)
- - 1,120位建築・土木工学
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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「厚さ6センチ、重さ900グラムの合本に込められた、公害という矛盾」
【サノーさんおすすめ度★★★★★】
・ウノーさん一言コメント
「人間のエゴを知るには、必読の一冊です。個々の欲求から生じた自分本位の愚行を、裁ける人間などいるのでしょうか」
【ウノーさんおすすめ度★★★★★】
・サノーさん、ウノーさん読書会
サノーさん(以下サ):こことは別の場所で、この本を紹介したときに「重い、長い、難しい」と評したんだが、今回再読して、その想いは強まった。
ウノーさん(以下ウ):難しい、というのは、読みやすさのことではないんですね。
「公害」という現象巡る要素が、あまりにも多すぎるからなんです。本質に対する理解、現実として起こった出来事から学ぶべきことの事柄が多すぎて、難しいという表現を使わざるを得なくなりました。
サ:公害原論1~3の合本なんだが、どうしてこの長大なテーマの本を無理やり一冊にしたのだろう。
ウ:ウチの本棚で、辞典系を除くとダントツの厚さと重さです。移動中に読んでほしくなかったんですかね。電車で読めないので、驚くほど読了まで時間がかかりました。
サ:内容は、東大で行われた「夜間自主講座」の集約だ。
ウ:つまり、大学のレギュラー講義ではなく、これだけの内容の「原論」が、自主的な集まりでの講座だったわけで、その時点でぶっとんでます。
サ:内容は、もっと、ぶっとんでる。最初は学校の授業でも習う、メジャーな公害に対する研究と考察からだが。
ウ:水俣病や足尾銅山の事件は、教科書にも載っています。でも、この「原論」では、公害の内容だけでなく、そこに至る経緯、発覚したあとの経緯、そして、なにが「矛盾」なのかを突き付けてきます。
サ:イデオロギーや思想、政治、経済、コネクション、資本主義、第一次産業、高度成長と、読後すぐに思い浮かぶ単語だけでも、これだけ複雑怪奇な要素が、込み入った状況で絡み合っている。
ウ:企業のエゴ、役所のエゴ、働く人のエゴ、被害者と被害者と、それを取り巻く人々のエゴ、エゴイズムを学ぶには、とてもよい教材だと思います。
サ:エゴという心象だけで、語られる問題ではない。政治・社会・経済の構造からも、人間の罪と罰がいかなるものかを考察しないと、この「犠牲」からの学びはない。
ウ:うーん、もっとシンプルに考えたいです。自然にないもの、その場にないものを持ち込んで、お金になるから、みんなが潤うからという動機で突き進んでいった結果が「公害」ですよね。
そこで立ち止まって、お金の話はヨコにおいて、まずは10年後、どうなっているのが「正常」なのかを「国」が軸となって皆で考える、それだけで、解消に向かうし、実際に現在は「過去」となっている「公害」がほとんどです。
サ:それは、現在の構造では不可能だと、この本には書かれていると思う。
政府も企業も、そこで働く人も「お金」が指標であり、根拠なんだよ。たしかに、この講座が行われていた頃と比べれば「公害」という名称は響かなくなったが、同様な「問題」が消滅したわけではない。
さらに、国際化によるロジスティクスが、より進化していけば、より大きな規模の「問題」が目覚める。
ウ:そんなに悲観的でない気も、するんですけどね。ただ、環境について、本質を考えるなら、この本は読む必要があります。過去の過ちに学ぶのは、実践だからです。
【了】
しかし、専門用語を多用せず、一般向けに分かりやすく説明することは、並大抵な事ではなく、また、講義内容を文書化したのだから、解かりやすいかというと、一概にそうでもない(事前の周到な準備と、深い造詣が必要)。
「歴史は繰り返す」(時代を超え、姿を変え)というが、人災は防ぐことはできる。
歴史を勉強しない政治家・専門バカ(自分の研究分野以外は、全く知ろうとすらしない研究者)・自己保身と天下りを考える官僚と、今の原発問題(再稼働・増設)にも、公害の時とあまり変わり映えがしない対応(電力会社に都合の悪いことを言うと、メディアへの露出が減る)。
公害先進国(有り難くないネーミング)としては、地球規模で対策・予防に技術提供を(大局的にみると、同じ地球号のクルーなのだから)。
この大作(約900P)を読了した者だけが味わえる、形容しがたいこの感覚(達成感・充実感・寂寥感)。
真実は、何時も現場にある。
「はじめに」以外は基本的に口語で書かれているので、活字が苦手な人でも比較的読みやすいです。
また、各講義の最後に参加者の質問に先生が答える場所があるのですが、そこでさらに理解を深められることが多い。
講義の内容も私の考えの及ばないところまで考えられていて、はっとさせられる場所が多かった。
大学生をはじめとして多くの人にぜひ読んでほしいと思います。
先日ふと目にした新聞で、宇沢弘文氏、柳田邦男氏等、錚々たる有識者の方々の推薦を受ける本書の広告が目に止まった。本書は著者の東大での自主講座の記録である「公害原論1、2、3」をまとめた新装版である。900貢にも及ぶ浩瀚の書であり活字も古く、一見すると読むことがためらわれるが、講義をそのまま起こした形で書かれており、外見とは裏腹にたいへん読みやすい。高度経済成長がもたらした公害は、その後著者の尽力もあり沈静化の道をたどったが、その一方で、利潤を追求するために消費者を軽視する企業の姿勢は公害とは異なる形で今なお根強く残っている。
JRの脱線事故、そして相次ぐ薬害しかり。加害者が被害者の前で頭を下げるポーズをとってもそれは仕事の一環に過ぎず、寝ても醒めても痛みを忘れることができない被害者側とは到底同列に並べることはできない。組織の論理の中ではやはり被害者は単なる赤の他人でしかないのだ。
著者は次のように述べている。
「差別の中身はどういうものだ、と人に聞かれてこれぐらい話しにくいものはない。出来る 唯一の答えはお前と俺と場所を入れ替えようということしか出来ない。」
「公害はやはり被害者から出発しなければならない。自分が病気にかかったらどうするか、 自分が公害にやられたらどうするか、そこから出発する。たえずそこへ引き戻す。」