朝鮮総連の活動家だった人が書いた暴露本。
社会主義なのに階級社会や拝金主義がはびこり、国家ぐるみで肉親の情を
利用した在日への送金要請等、今まで語られなかった秘密主義の国の内情を
暴露しているので、様々なリスクを考えると出版に20年という時間を
要したのも頷ける。
帰還事業で祖国反映に寄与すべく希望に満ちて北朝鮮に渡った親族のもとへの
訪問が主な内容だが、当時に宣伝されていた地上の楽園というフレーズとは
うって変わってこの世の監獄と言っても差し支えのない差別と貧困で苦しむ
帰国者達の生活は、言葉では言い表せない運命の残酷さが感じられる。
家族訪問以外にも北朝鮮国内を回って金剛山等色んな都市の情景が描かれて
おり、一緒に訪れた訪問団員の感想や歴史的な解説から北朝鮮の内部を
伺い知れて興味深い。
日本と同じように一生懸命働くと、全体もそうしないといけなくなるという理由で
いじめられたり、そもそも身分がよくないと良い仕事にありつけなかったり、
仕事も個人の希望とは関係なく割り当てられるので、労働意欲向上によりこの国が
成長するような要素はまったく感じられなかった。経済格差も昔から韓国と差を
つけられているのはこのような所が影響していると言える気がした。
内部からの共和国批判図書は珍しく、組織に属しつつも体制に疑問を持って真実を
外部に知らせようとした著者のような勇気ある人こそ、本当の意味で朝鮮革命家と
言えるのかもしれない。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
凍土の共和国――北朝鮮幻滅紀行 単行本(ソフトカバー) – 1984/3/25
金 元祚
(著)
元朝鮮総連幹部が“活動家家族”の一員として“帰国同胞”を訪ねてみたら、そこには思いもよらない硬直した社会が展開されていた。金日成・正日父子の指導下にある民衆がいかに心貧しく抑圧されているか、自己の体験をもとに民衆自身が万感の思いを込めて描く痛根の紀行。
- 本の長さ347ページ
- 言語日本語
- 出版社亜紀書房
- 発売日1984/3/25
- ISBN-104750584037
- ISBN-13978-4750584034
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
出版社からのコメント
こちらの書籍は旧版になります。2008年版の『凍土の共和国―北朝鮮幻滅紀行』が現在流通しています。
レビュー
亜紀書房の、最も亜紀書房らしい書籍の一つです。映像でははかり知る事の出来ない生の、そして本当の北朝鮮の姿がここにあるのです。不朽の名著。
上製・新装版刊行につき、こちらの旧版は08年6月までの販売とさせていただきます。
--出版社からのコメント
上製・新装版刊行につき、こちらの旧版は08年6月までの販売とさせていただきます。
--出版社からのコメント
登録情報
- 出版社 : 亜紀書房 (1984/3/25)
- 発売日 : 1984/3/25
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 347ページ
- ISBN-10 : 4750584037
- ISBN-13 : 978-4750584034
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,124,170位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 45,779位投資・金融・会社経営 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2018年6月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
実はこの北朝鮮の実態は1960年代後半には知られていた。
北朝鮮ゲリラがトンネルから韓国に侵入する事件が頻発していた時、多くのゲリラは射殺されたが捕虜となった北朝鮮ゲリラの証言から北朝鮮の実体が明かされた。
しかし朝総連の人たちはそれを信じなかったし聞く耳を持たなかった。反共の偽宣伝だと一蹴した。
実は私も友人に北の実態を話し、帰還してはならないと懸命に説得したが聞き入れてもらえなかった。
祖国の為にと胸を躍らせて帰国したところがこの世の地獄だったとは。不憫である。
金日成が「主体思想」を持ちだしたのは息子に後を継がせるためだった。
共産主義思想には「世襲」という概念はない。世襲を実現するためには共産主義では都合が悪かったのである。
主体思想と言っても思想と言うレベルのものではなく「金日成首領様の言うことは絶対だ」というのが骨子で後は何もない。
つまり「宗教」なのである。
多くの御用学者が主体思想を素晴らしい思想であると正当化して色々な角度から解説しているため、益々「主体思想」が何であるか分からないものになっている。
北朝鮮ゲリラがトンネルから韓国に侵入する事件が頻発していた時、多くのゲリラは射殺されたが捕虜となった北朝鮮ゲリラの証言から北朝鮮の実体が明かされた。
しかし朝総連の人たちはそれを信じなかったし聞く耳を持たなかった。反共の偽宣伝だと一蹴した。
実は私も友人に北の実態を話し、帰還してはならないと懸命に説得したが聞き入れてもらえなかった。
祖国の為にと胸を躍らせて帰国したところがこの世の地獄だったとは。不憫である。
金日成が「主体思想」を持ちだしたのは息子に後を継がせるためだった。
共産主義思想には「世襲」という概念はない。世襲を実現するためには共産主義では都合が悪かったのである。
主体思想と言っても思想と言うレベルのものではなく「金日成首領様の言うことは絶対だ」というのが骨子で後は何もない。
つまり「宗教」なのである。
多くの御用学者が主体思想を素晴らしい思想であると正当化して色々な角度から解説しているため、益々「主体思想」が何であるか分からないものになっている。
2020年5月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
北朝鮮のチェチェ思想とそれが実現した世界を見たら、もしマルクスが生きていたらどうコメントしただろうか。このレポートは社会主義思想を改悪したチェチェ思想がどんな地獄のような社会を形成するか、筆者が滞在期間を通してレポートしている所謂地獄見聞録だと思う。勿論短い期間の外国人の滞在という特殊な枠の中での体験に基づいているが、それでもその枠からはみ出る部分の実態の記述だけでも、社会全体への想像をが容易にたらしめる説得力で読者に迫ってくる。
2017年11月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
百田尚樹氏の講演ビデオにて紹介された著書。
在日朝鮮人で朝鮮総連の活動家として北朝鮮に貢献してきた著者が、祖国北朝鮮に帰国した兄、姉、従弟家族に会うために北朝鮮を訪問した体験を匿名でつづった衝撃の告白。
日本人として、是非とも一読することをお勧めする。
日本人拉致被害者の生活実態が想像され、ぞっとする。
多くの日本人に読んでほしい本です。
追加
脱北者として「生きるための選択」を出版したパク・ヨンミさんのYoutuve動画を見た。
しかし、家族写真を見ると裕福な家庭であることが分かる(だれも痩せていない)。
また、ブラックマーケットで物品を売買していた、ということから北朝鮮の幹部であったことが想像される。
彼女の証言からは、北朝鮮の真実を見ることはできない。
真実は「凍土の共和国」にあると実感した。
在日朝鮮人で朝鮮総連の活動家として北朝鮮に貢献してきた著者が、祖国北朝鮮に帰国した兄、姉、従弟家族に会うために北朝鮮を訪問した体験を匿名でつづった衝撃の告白。
日本人として、是非とも一読することをお勧めする。
日本人拉致被害者の生活実態が想像され、ぞっとする。
多くの日本人に読んでほしい本です。
追加
脱北者として「生きるための選択」を出版したパク・ヨンミさんのYoutuve動画を見た。
しかし、家族写真を見ると裕福な家庭であることが分かる(だれも痩せていない)。
また、ブラックマーケットで物品を売買していた、ということから北朝鮮の幹部であったことが想像される。
彼女の証言からは、北朝鮮の真実を見ることはできない。
真実は「凍土の共和国」にあると実感した。
2018年6月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
金王朝が存在する限り、北朝鮮で必死に生き抜いている人達に幸福は訪れないことが分かる本…。
韓流時代劇の様な王朝と両班が今もなお存在し、地上の楽園とはほど遠い階級社会を形成しているようだ。筆者は本の中で日本の指紋押捺などを批判しているが、外国人なんだから滞在国家に色々注文つけられても受け入れろとしか言いようがない。この辺の感覚が分からなかった。
韓流時代劇の様な王朝と両班が今もなお存在し、地上の楽園とはほど遠い階級社会を形成しているようだ。筆者は本の中で日本の指紋押捺などを批判しているが、外国人なんだから滞在国家に色々注文つけられても受け入れろとしか言いようがない。この辺の感覚が分からなかった。
2020年4月25日に日本でレビュー済み
30年以上前に読みました。その後数々出た北朝鮮本と比較しても、この本が一番実態が分かりやすく書かれていたような気がします。北朝鮮暴露本の原点。
2017年11月26日に日本でレビュー済み
出版当時は確か上下巻に別れていた記憶があります。
下巻の後半に一連の拉致疑惑について記述されていたと記憶しています。
私は当時高校生でしたが、まさか一国家がそのような犯罪を犯すはずがないと懐疑的でした。
しかし、数十年後に小泉総理が訪朝した時、金正日が拉致を認め謝罪。
この本に書いてあることが証明された訳です。
下巻の後半に一連の拉致疑惑について記述されていたと記憶しています。
私は当時高校生でしたが、まさか一国家がそのような犯罪を犯すはずがないと懐疑的でした。
しかし、数十年後に小泉総理が訪朝した時、金正日が拉致を認め謝罪。
この本に書いてあることが証明された訳です。
2009年1月15日に日本でレビュー済み
非常に懐かしい本です。
高校生のときに(数十年前)に読んだ記憶があります。なにせ昔のことなので記憶に曖昧なところがありますが、この本の出版に朝日新聞が関係していた記憶があるんですが。帰国事業が一段落した時期に衝撃でした。「あの朝日新聞」が関わってたと思ってびっくりでした。朝日ほど大きい新聞社なら社内にも少ないながら右派がいてがんばっているんだな〜と思った記憶があります。出版に関わっていたのか、新聞で紹介しただけなのかは定かではありません。あしからず。
内容的には当時は「うそだ〜」の世間の大合唱でしたが現在から見れば知れ渡ってることばかり・・・。
高校生のときに(数十年前)に読んだ記憶があります。なにせ昔のことなので記憶に曖昧なところがありますが、この本の出版に朝日新聞が関係していた記憶があるんですが。帰国事業が一段落した時期に衝撃でした。「あの朝日新聞」が関わってたと思ってびっくりでした。朝日ほど大きい新聞社なら社内にも少ないながら右派がいてがんばっているんだな〜と思った記憶があります。出版に関わっていたのか、新聞で紹介しただけなのかは定かではありません。あしからず。
内容的には当時は「うそだ〜」の世間の大合唱でしたが現在から見れば知れ渡ってることばかり・・・。