工業の基本について、イギリスの産業革命、ドイツの重化学を中心とした第2次産業革命、アメリカ日本の電子、核、オートメーション
を中心とした第3次産業革命。電気、機械、化学、製鉄について順を追って説明している。
主体思想の観念が先立ち、素人の考えで工業を指導する。電気は地下に埋設した方がロスが少ない。と指導
しかし、日米においても、配電は故障が常であるため、まだ実用化されていない。北朝鮮は送電を地下化したため、
故障しても放置したまま。電気供給がとても不安定。電気供給が不安定なので、旋盤がうまく回らないのでろくな機械ができない。
化学も、戦前日本の水力と石炭プラントがあったのに、主体思想とソ連の石油安価供給により、石油コンビナートに
無理矢理移行させた。ソ連の崩壊により、安価な石油は望めず。
しかし、金正恩は、主体思想から脱却し現実路線を歩んでいる。主体思想を掲げる元老達を粛正して。
市場経済もみとめている。金正恩は案外大物で、北朝鮮を危機から救うのでは。餓死者もなくそれなりに成果をあげている。
外交も米国とやりあっている。
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暗愚の共和国―北朝鮮工業の奇怪 単行本 – 1990/6/25
李 佑泓
(著)
頻発する停電、燃えない石炭、いびつな高層ビル――。科学の常識を全く無視した「主体技術」無残! あきれ返るばかりの“無知の蛮勇”が生んだ悲(喜)劇を白日にさらす。「凍土」「どん底」に続く北朝鮮インサイドレポート第3弾!! 倒壊寸前の共和国・工業編。
- 本の長さ382ページ
- 言語日本語
- 出版社亜紀書房
- 発売日1990/6/25
- 寸法12.8 x 2 x 18.2 cm
- ISBN-104750590118
- ISBN-13978-4750590110
商品の説明
出版社からのコメント
『お笑い』だけでは北朝鮮は語れない!所詮は日本人の見た北朝鮮に過ぎないからだ。北朝鮮の中の中まで入った著者だからこそわかる、北朝鮮工業の実態!
登録情報
- 出版社 : 亜紀書房 (1990/6/25)
- 発売日 : 1990/6/25
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 382ページ
- ISBN-10 : 4750590118
- ISBN-13 : 978-4750590110
- 寸法 : 12.8 x 2 x 18.2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 981,867位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 90,741位ビジネス・経済 (本)
- - 92,323位科学・テクノロジー (本)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年10月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2005年9月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
在日朝鮮人の著者がいまから約15年前に出版された話なので若干古い話が多いのだが、読むべき本である。主体技術が如何にすごいものなのか、また、文明とはいかにすばらしいことなのか、知ることができる。
ビルの1階あたりの高さがマチマチな「マチマチビル」や、階段の高さが1段あたりマチマチな「マチマチ階段」も相当すごいが(日本人には真似して作ろうとしても多分作れない)、電線やハンダがないところでの電気工事、平壌・元山間の高速道路のコンクリート舗装、重金属による汚染など、多少なりとも技術系の仕事をしている人には、
「うそだろぉ~」
と言いたくなる内容だ。
また、言い方を替えると、本書を読むと文明のありがたさを実感することができる。確かに日本にはいろいろと問題も多いが、少なくとも、傾いたビルとかはあまり見ない。そんなもの建てようものなら、工事を請け負った会社は潰れてしまうからだ。資本主義、社会主義といったイデオロギーはともかく、まっすぐ立ったビル、漏電のしない電気工事、重金属汚染していない水、といった、日本で暮らしているとあまりにもあたりまえすぎるものが、実は非常に重要であるか思い知ることができる。
北朝鮮ウォッチャーのみならず、製造業の会社員、および工学部の学生などに広く読んで貰いたい本である。5★。
ビルの1階あたりの高さがマチマチな「マチマチビル」や、階段の高さが1段あたりマチマチな「マチマチ階段」も相当すごいが(日本人には真似して作ろうとしても多分作れない)、電線やハンダがないところでの電気工事、平壌・元山間の高速道路のコンクリート舗装、重金属による汚染など、多少なりとも技術系の仕事をしている人には、
「うそだろぉ~」
と言いたくなる内容だ。
また、言い方を替えると、本書を読むと文明のありがたさを実感することができる。確かに日本にはいろいろと問題も多いが、少なくとも、傾いたビルとかはあまり見ない。そんなもの建てようものなら、工事を請け負った会社は潰れてしまうからだ。資本主義、社会主義といったイデオロギーはともかく、まっすぐ立ったビル、漏電のしない電気工事、重金属汚染していない水、といった、日本で暮らしているとあまりにもあたりまえすぎるものが、実は非常に重要であるか思い知ることができる。
北朝鮮ウォッチャーのみならず、製造業の会社員、および工学部の学生などに広く読んで貰いたい本である。5★。
2018年12月2日に日本でレビュー済み
本書は「
どん底の共和国
」の続編にあたるが、前著を読んでいないのでこちらのみレビュー。
80年代前半から半ばにかけて北朝鮮で技術指導に携わった在日朝鮮人による告発書。
要約してしまえば、「北朝鮮は明確な身分差別があり、ひどい監視社会である。指導者の失政のために、北朝鮮はあらゆる工業力の水準が極めて低く、物不足のため国民の生活水準も酷い。また組織の腐敗のため改善の余地も見られない。国外向けに行われている宣伝はことごとく虚偽宣伝である」といったもの。「凍土の共和国」の金元祚氏と異なり著者は実名らしく、本人の写真すら含まれている。
出版社側の推敲も入っているのかも知れないが、1921年生まれの方が書いたにしてはかなり読みやすく、さすがエンジニアだけあって「○○を作るには××技術がなければならない」といった科学的な前提説明で満ちている。たとえば「共和国は釘1本まともに作れない」と断言し、それに必要な金属の精錬工程についてクドクドとしっかり書いてある。電力・炭鉱・建設・化学・金属・機械・公害の各章においてこの構成が通底している。著者は各分野について聞きかじりに留まらない相当な知識があるようだ。例えば石炭乾留のプロセスなど読んでいるこちらが勉強させられている気分になる。また「まちまちビル」の写真についての解説(145頁)などは読んでいて吹き出してしまった。不謹慎というなかれ、別の章については金元祚氏ほどの人物ですら解説で「怒りや憤りをとおりこして、笑いすらこみあがってくる(372頁)」と書いているほどである。ひねくれた性格の人はきっと全ページニヤニヤしながら読むことだろう。
去年あたり、アフィリエイト収入に良心を売り渡した資本主義の奴隷であり人間のくずの反動的まとめサイトが「平壌市内のあるビルはgoogleマップによると実はハリボテらしい」という記事を例のごとく無責任に拡散しまくるも、一部では「一応ハリボテではなく居住能力があるっぽい」という検証がされたりしたようだが、当たらずといえども遠からず、本書には「一律に水が届かないので10階より上には人が住んでいないのに、見栄だけで高層ビルを建てている」とか「外装は建ったけど内装がまだなので5年放置されているビル」というギャグみたいな逸話が登場する。ようするにハリボテ説もまったく無根拠な話とは言えないということだ。30年前からネタみたいな事やってると、たまにマジメにやっても結局ネタとして扱われてしまうということらしい。
内容は独自に撮影された写真、案内員や幹部から独自に聞き取った内容、および帰国同胞や訪問団からの伝聞によるところが大きい。無論とてもニヤニヤできない悲しい話もある。また在日朝鮮人向け宿泊施設(金剛山総連観光ホテル)内の壁に埋まっている盗聴マイクを探し当てたり、蒼光山国際ホテル備え付けの国産ラジオ「千里馬」を無断で分解して、いずれもフィルムにまで納めている(307頁)行動力は脱帽モノである。独自に入手した「出身成分表」も掲載されている。ただ概ねでは間違いない事実なのだろうが、残念ながら提供される情報そのものの信憑性の検証まではできていないし、根拠に欠けるところもある。232-233頁では「ビナロン」の正体が日本の「ビニロン」であることに気づかず、「スフ(レーヨン)」と混同するという誤った類推をしてしまっているが、これは証言そのものが間違っていた例だ。同様に絵はがきを根拠にビルが傾いていると指摘している(149頁)のもあまり納得できない。またいずれの章も1つの結論に向けてダメダメ攻撃でたたみかけるような構成なので、後半以降ややダレてくる印象もある。
しかし繰り返すが、国民生活の酷さ・体制の酷さ・技術力の酷さは概ねではやはり事実なのだろう。今日の北朝鮮は南北融和や対中外交を通じて工業力と電力インフラの点では執筆当時よりかなり「マシ」になっているようではあるが、「苦難の行軍」より10年前の、経済制裁もなくソ連も崩壊しておらず金日成も存命中の1985年地点でこのような絶望的とも言える観測がされていた事は無視できない事実である。
ネットを見る限り本書出版以降の著者の消息がまったく辿れなくなっていることは残念。少なくとも実名でこのような本を書いたことによって、在日朝鮮人社会からは地位を抹消されたであろうことは想像に難しくない。本文中の政治思想的な言及が極端に少ないため、執筆の意図や動機は少し曖昧なところがある(どうやら前著には若干書いてある模様)が、著者の勇気に敬意を示したい。
80年代前半から半ばにかけて北朝鮮で技術指導に携わった在日朝鮮人による告発書。
要約してしまえば、「北朝鮮は明確な身分差別があり、ひどい監視社会である。指導者の失政のために、北朝鮮はあらゆる工業力の水準が極めて低く、物不足のため国民の生活水準も酷い。また組織の腐敗のため改善の余地も見られない。国外向けに行われている宣伝はことごとく虚偽宣伝である」といったもの。「凍土の共和国」の金元祚氏と異なり著者は実名らしく、本人の写真すら含まれている。
出版社側の推敲も入っているのかも知れないが、1921年生まれの方が書いたにしてはかなり読みやすく、さすがエンジニアだけあって「○○を作るには××技術がなければならない」といった科学的な前提説明で満ちている。たとえば「共和国は釘1本まともに作れない」と断言し、それに必要な金属の精錬工程についてクドクドとしっかり書いてある。電力・炭鉱・建設・化学・金属・機械・公害の各章においてこの構成が通底している。著者は各分野について聞きかじりに留まらない相当な知識があるようだ。例えば石炭乾留のプロセスなど読んでいるこちらが勉強させられている気分になる。また「まちまちビル」の写真についての解説(145頁)などは読んでいて吹き出してしまった。不謹慎というなかれ、別の章については金元祚氏ほどの人物ですら解説で「怒りや憤りをとおりこして、笑いすらこみあがってくる(372頁)」と書いているほどである。ひねくれた性格の人はきっと全ページニヤニヤしながら読むことだろう。
去年あたり、アフィリエイト収入に良心を売り渡した資本主義の奴隷であり人間のくずの反動的まとめサイトが「平壌市内のあるビルはgoogleマップによると実はハリボテらしい」という記事を例のごとく無責任に拡散しまくるも、一部では「一応ハリボテではなく居住能力があるっぽい」という検証がされたりしたようだが、当たらずといえども遠からず、本書には「一律に水が届かないので10階より上には人が住んでいないのに、見栄だけで高層ビルを建てている」とか「外装は建ったけど内装がまだなので5年放置されているビル」というギャグみたいな逸話が登場する。ようするにハリボテ説もまったく無根拠な話とは言えないということだ。30年前からネタみたいな事やってると、たまにマジメにやっても結局ネタとして扱われてしまうということらしい。
内容は独自に撮影された写真、案内員や幹部から独自に聞き取った内容、および帰国同胞や訪問団からの伝聞によるところが大きい。無論とてもニヤニヤできない悲しい話もある。また在日朝鮮人向け宿泊施設(金剛山総連観光ホテル)内の壁に埋まっている盗聴マイクを探し当てたり、蒼光山国際ホテル備え付けの国産ラジオ「千里馬」を無断で分解して、いずれもフィルムにまで納めている(307頁)行動力は脱帽モノである。独自に入手した「出身成分表」も掲載されている。ただ概ねでは間違いない事実なのだろうが、残念ながら提供される情報そのものの信憑性の検証まではできていないし、根拠に欠けるところもある。232-233頁では「ビナロン」の正体が日本の「ビニロン」であることに気づかず、「スフ(レーヨン)」と混同するという誤った類推をしてしまっているが、これは証言そのものが間違っていた例だ。同様に絵はがきを根拠にビルが傾いていると指摘している(149頁)のもあまり納得できない。またいずれの章も1つの結論に向けてダメダメ攻撃でたたみかけるような構成なので、後半以降ややダレてくる印象もある。
しかし繰り返すが、国民生活の酷さ・体制の酷さ・技術力の酷さは概ねではやはり事実なのだろう。今日の北朝鮮は南北融和や対中外交を通じて工業力と電力インフラの点では執筆当時よりかなり「マシ」になっているようではあるが、「苦難の行軍」より10年前の、経済制裁もなくソ連も崩壊しておらず金日成も存命中の1985年地点でこのような絶望的とも言える観測がされていた事は無視できない事実である。
ネットを見る限り本書出版以降の著者の消息がまったく辿れなくなっていることは残念。少なくとも実名でこのような本を書いたことによって、在日朝鮮人社会からは地位を抹消されたであろうことは想像に難しくない。本文中の政治思想的な言及が極端に少ないため、執筆の意図や動機は少し曖昧なところがある(どうやら前著には若干書いてある模様)が、著者の勇気に敬意を示したい。