本の舞台はアフリカの南部。16歳の少女チャンドラは母、妹のアイリス、弟のソリー、そしてまだ赤ちゃんの妹のサラと一緒に暮らしていた。「暮らしていた」と書いたのは、この小説がサラの死と葬儀から始まるから。チャンドラは母の代わりに葬儀社に行く。サラを収める棺おけを買いに。でも貧しいので、一番安い棺おけを買うのがやっと。サラの父親であるジョナは、相変わらずぐでんぐでんに酔っ払って葬儀にやってきた。やがてサラを失ったショックから母さんは具合が悪くなる。でも母さんはちっともよくならない。本当にショックで具合が悪くなったの? もしかしたら、もしかしら・・・、チャンドラの頭の中をある疑問がかけめぐる。口に出すのも恐ろしい疑問が・・・・。
貧困、HIV、エイズ、離婚、児童売春、子供への性的虐待・・・など、アフリカが抱える問題をベースにした小説です。16歳のチャンドラが友人のエスターとともにたくましく成長していくさまが、よく描かれています。後半は引き込まれて、一気に読んでしまいました。
この本は希望を持たせる終わり方になっていますが、こういう希望のないまま若くして人生を終えていくアフリカの人が多いのではないかと思います。
アフリカというと日本人にはなじみが薄いですし、本当の貧困を知らない日本人には、この小説の状況も想像しにくいもしれません。でも、それだからこそ、読んでほしい一冊だと思いました。
また日本は先進国で唯一HIV感染者が増えている国なので、HIVという問題を考える上でもいい本ではないかと思います。
なお、日本語訳の文章も読みやすかったです。
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沈黙のはてに 単行本 – 2006/1/1
チャンダ・カベロ、16歳。彼女には、だれにも言えない秘密があった。アフリカの過酷な現実を伝える衝撃作。英、米、韓国ほか続々刊行!
- 本の長さ352ページ
- 言語日本語
- 出版社あすなろ書房
- 発売日2006/1/1
- ISBN-104751521985
- ISBN-13978-4751521984
登録情報
- 出版社 : あすなろ書房 (2006/1/1)
- 発売日 : 2006/1/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 352ページ
- ISBN-10 : 4751521985
- ISBN-13 : 978-4751521984
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,891,531位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2007年2月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2009年4月11日に日本でレビュー済み
アフリカ諸国でのHIVの蔓延という過酷な現実。
恐怖にかられた村の中での噂、噂、噂・・・これに
大人たちが自縛され、すっかり希望を失っているのに対し、
16歳の少女チャンダの母や親友を助けるための勇気ある行動が、
噂にがんじがらめになった人々の絶望に風穴を開け、
希望の灯となる過程が描かれています。
両親を失い、本人までも病に侵されるエスターとの厚い友情や、
村一番の噂好きで、お節介でいやらしく描かれているタファおばさんが
隠していた秘密、などラストに向かっていっきに読ませられる。
たまたま本棚でみつけ、訳者がさくまゆみこさんだったのと、
アフリカの現実は・・と読んでみました。
日本に居ては想像もつかぬあまりの過酷さに衝撃を受けますが、
絶望の中にこそ希望が生まれるのだ、とおもえた良書でした。
恐怖にかられた村の中での噂、噂、噂・・・これに
大人たちが自縛され、すっかり希望を失っているのに対し、
16歳の少女チャンダの母や親友を助けるための勇気ある行動が、
噂にがんじがらめになった人々の絶望に風穴を開け、
希望の灯となる過程が描かれています。
両親を失い、本人までも病に侵されるエスターとの厚い友情や、
村一番の噂好きで、お節介でいやらしく描かれているタファおばさんが
隠していた秘密、などラストに向かっていっきに読ませられる。
たまたま本棚でみつけ、訳者がさくまゆみこさんだったのと、
アフリカの現実は・・と読んでみました。
日本に居ては想像もつかぬあまりの過酷さに衝撃を受けますが、
絶望の中にこそ希望が生まれるのだ、とおもえた良書でした。