"『俺がここにすわって、詩を読むとでも思ってるのか?今から?』『私はこの世界に期待なんてしてない。ただ、君に少し親切にしてるだけだ』"ハーレム初の黒人専門書店を始めたルイス・ミショーの生涯を何年もかけて調べ、フィクションで補完した本書は【自ら知る】事の大切さを教えてくれる。
個人的には黒人差別が合法であり『黒人は本を読まない』と言われていた、1939年に店を40代で独自開店し、以降『知識こそ力』と信じて、いつしかニューヨーク、ハーレムで全米1の黒人専門書店として、1974年の閉店時には22万5千冊の本を抱えていたとされるルイス・ミショーの人生やその動機に関心があって本書を手にとったのですが。
ルイス・ミショーの視点だけでなく【弟の孫】にあたる著者が親族同士の手紙や、新聞記事、FBIの調査記録など何年もかけて入手した記録を【組み合わせて本書を構成した】事で、かえって黒人差別が行われていた時代の空気が俯瞰的に浮かびあがってきて読みやすかった。
またタイトル通り【闘う本屋】として、キング牧師やマルコムXといった当時の公民権運動の有名人や有名作家とのルイス・ミショーのやりとりや交流も描写されており、本を"ただ売る"だけでない【本屋としての在り方】についても考えさせられました。
現在は、このような黒人専門書店は残念ながら消えており、今は1960年サンフランシスコで開業のマーカス=ブックストアが最古で唯一の書店となっているようですが、機会があったら是非訪れてみたいと思いました。
人種差別や表現の自由について、はたまた本の力を信じる誰かにオススメ。
新品:
¥2,730¥2,730 税込
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5月18日 - 21日
発送元: K-I Trade JP 販売者: K-I Trade JP
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ハーレムの闘う本屋 単行本 – 2015/2/25
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購入オプションとあわせ買い
ニューヨークのハーレムに、一風変わった書店がありました。
ナショナル・メモリアル・アフリカン・ブックストア。
黒人に関する本ばかりを扱う書店、通称「ミショーの店」。
本書は、この店の店主、ルイス・ミショーに光をあてたドキュメンタリー・ノベルです。
1939年、「黒人は本を読まない」と言われていた時代に、店をオープン。
「知識こそ力」と信じていたミショーは、まずは人々の意識を目覚めさせることからと、
型破りなプロモーションを展開します。そのうち、本のおもしろさ、知識の大切さを知った人が、
ミショーを慕って集うようになり、ついには、全米一の黒人専門書店に!
開店当初5冊だった在庫は、古書にも目をくばったミショーの情熱により、
1974年の閉店時には、22万5千冊にもなっていたそうです。
これは、地方都市の図書館に匹敵する在庫数です。
ナショナル・メモリアル・アフリカン・ブックストア。
黒人に関する本ばかりを扱う書店、通称「ミショーの店」。
本書は、この店の店主、ルイス・ミショーに光をあてたドキュメンタリー・ノベルです。
1939年、「黒人は本を読まない」と言われていた時代に、店をオープン。
「知識こそ力」と信じていたミショーは、まずは人々の意識を目覚めさせることからと、
型破りなプロモーションを展開します。そのうち、本のおもしろさ、知識の大切さを知った人が、
ミショーを慕って集うようになり、ついには、全米一の黒人専門書店に!
開店当初5冊だった在庫は、古書にも目をくばったミショーの情熱により、
1974年の閉店時には、22万5千冊にもなっていたそうです。
これは、地方都市の図書館に匹敵する在庫数です。
- 本の長さ179ページ
- 言語日本語
- 出版社あすなろ書房
- 発売日2015/2/25
- 寸法18.6 x 2.1 x 26.2 cm
- ISBN-104751527525
- ISBN-13978-4751527528
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商品の説明
出版社からのコメント
顧客には、ラングストン・ヒューズや、ルイ・アームストロング、マルコムXも!
マルコムXはミショーの店の前でたびたび演説をしており、写真も掲載されています。(107ページ)
ミショー自身は著書をのこしていませんが、彼の生き方は、「人が、誇りをもって生きるために
必要なことは何か」を教えてくれます。
そして、本は、人を変える力をもっていること。
一人の人の信念は、人から人へと波及し、後世まで支える柱となりうることも。
日々、予想を超えたことが起こり驚くばかりですが、自分の無知を知ったときこそ「学び」のとき。
ミショーの「知識こそ力」という信念を実感するとともに、
書店は、だれもが気軽に立ち寄れる「学校」であることにあらためて気づきました。
リアル書店を取り巻く状況がきびしい今だからこそ、多くの人に手にとってもらいたい1冊です。
マルコムXはミショーの店の前でたびたび演説をしており、写真も掲載されています。(107ページ)
ミショー自身は著書をのこしていませんが、彼の生き方は、「人が、誇りをもって生きるために
必要なことは何か」を教えてくれます。
そして、本は、人を変える力をもっていること。
一人の人の信念は、人から人へと波及し、後世まで支える柱となりうることも。
日々、予想を超えたことが起こり驚くばかりですが、自分の無知を知ったときこそ「学び」のとき。
ミショーの「知識こそ力」という信念を実感するとともに、
書店は、だれもが気軽に立ち寄れる「学校」であることにあらためて気づきました。
リアル書店を取り巻く状況がきびしい今だからこそ、多くの人に手にとってもらいたい1冊です。
登録情報
- 出版社 : あすなろ書房 (2015/2/25)
- 発売日 : 2015/2/25
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 179ページ
- ISBN-10 : 4751527525
- ISBN-13 : 978-4751527528
- 寸法 : 18.6 x 2.1 x 26.2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 347,891位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 2,135位自伝・伝記
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2019年5月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2015年8月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
まず、本のサイズの大きさに驚きましたが(なんでこの造本でこの値段に収められるんだろう?)
内容も、本と本屋を愛する自分には、たまらない本でした
個人的には、詩人のニッキ・ジョヴァンニが処女作「Black Feeling, Black Talk」を出版したときの
ルイス・ミショー(この本の主人公で「African National Memorial Bookstore」の店長)とのやり取りが最高に可愛かったです
内容も、本と本屋を愛する自分には、たまらない本でした
個人的には、詩人のニッキ・ジョヴァンニが処女作「Black Feeling, Black Talk」を出版したときの
ルイス・ミショー(この本の主人公で「African National Memorial Bookstore」の店長)とのやり取りが最高に可愛かったです
2017年12月19日に日本でレビュー済み
2012年、ヴォーンダ・ミショー・ネルソン氏の著書です。
原題「No Crystal Stair」、日本語版は、原田勝氏の訳で2015年刊。
ボストン・グローブ・ホーンブック賞(2012年、フィクション部門)受賞。
本書に記されているのは、
NY・ハーレムで全米一の黒人専門書店をつくりあげた男、ルイス・ミショー氏の生涯。
ミショーの店には、マルコムXをはじめ黒人活動家、学者、宗教家、詩人、作家など多くの人が出入りする。
店内では様々な議論があり、店の前の通りは演説の拠点となる。
人々は、知を求め、議論を求め、ミショーの店に足を運び、
博識で物議を醸す意見を放つミショー氏を「教授」と呼ぶ。
書店は、黒人関係の本ばかりを扱い、最終的に蔵書は22万5千冊にまで達する。
ミショー氏は、黒人の知の拠点・良心の拠点を築いた。
彼が功績が立派なものであるのは間違いないのだが、
彼が書店を開く志を抱くようになったのは44歳のときである。
それまでの道程は、泥棒、賭博場経営など、決して立派と言えるものではない。
書店を開いた後も、ミショー氏は、キング牧師の演説を「ただの夢」と言い、
マルコムXやネイション・オブ・イスラムと関係を持つという、過激な一面をのぞかせる。
このようなミショー氏の人間臭さ、等身大で闘う姿、に私は魅了される。
実体験から生まれる言葉には、思わずメモを取りたくなるものが多くある。
彼の人生の底流に、濃厚なソウルやブルースのフィーリングを感じ取る。
おそらく、当時の人も同じように感じ、同じように魅了されていったのではないか。
ヤングアダルト向けに分類されてますが、大人にも薦めたくなる本です。
特に、「気になってるけど、まだ読んでない」という人には、強く薦めたい。
もちろん、中高生にもオススメ。
先生を見る目が養われるだろう。 鉄は熱いうちに打ってほしい。
本を読む意義、について考えさせられる。
書店・図書館の存在意義、について考えさせられる。
また、どっかの国に見られる、
「本を読まない人が増え、リアル書店が減少する」という社会現象の意味、
についても考えさせられます。
ちなみに、著者・ヴォーンダは、ミショーの弟・ノリスの孫です。
本書は、多数の資料・発言等を基にして書かれていますが、情報の欠損や矛盾もあったそうです。
曖昧な点は推測で埋め、架空の人物・発言を組み入れることで1冊の本に仕上げてあります。
正確に言えばノンフィクションベースのフィクションとなります。
原題「No Crystal Stair」、日本語版は、原田勝氏の訳で2015年刊。
ボストン・グローブ・ホーンブック賞(2012年、フィクション部門)受賞。
本書に記されているのは、
NY・ハーレムで全米一の黒人専門書店をつくりあげた男、ルイス・ミショー氏の生涯。
ミショーの店には、マルコムXをはじめ黒人活動家、学者、宗教家、詩人、作家など多くの人が出入りする。
店内では様々な議論があり、店の前の通りは演説の拠点となる。
人々は、知を求め、議論を求め、ミショーの店に足を運び、
博識で物議を醸す意見を放つミショー氏を「教授」と呼ぶ。
書店は、黒人関係の本ばかりを扱い、最終的に蔵書は22万5千冊にまで達する。
ミショー氏は、黒人の知の拠点・良心の拠点を築いた。
彼が功績が立派なものであるのは間違いないのだが、
彼が書店を開く志を抱くようになったのは44歳のときである。
それまでの道程は、泥棒、賭博場経営など、決して立派と言えるものではない。
書店を開いた後も、ミショー氏は、キング牧師の演説を「ただの夢」と言い、
マルコムXやネイション・オブ・イスラムと関係を持つという、過激な一面をのぞかせる。
このようなミショー氏の人間臭さ、等身大で闘う姿、に私は魅了される。
実体験から生まれる言葉には、思わずメモを取りたくなるものが多くある。
彼の人生の底流に、濃厚なソウルやブルースのフィーリングを感じ取る。
おそらく、当時の人も同じように感じ、同じように魅了されていったのではないか。
ヤングアダルト向けに分類されてますが、大人にも薦めたくなる本です。
特に、「気になってるけど、まだ読んでない」という人には、強く薦めたい。
もちろん、中高生にもオススメ。
先生を見る目が養われるだろう。 鉄は熱いうちに打ってほしい。
本を読む意義、について考えさせられる。
書店・図書館の存在意義、について考えさせられる。
また、どっかの国に見られる、
「本を読まない人が増え、リアル書店が減少する」という社会現象の意味、
についても考えさせられます。
ちなみに、著者・ヴォーンダは、ミショーの弟・ノリスの孫です。
本書は、多数の資料・発言等を基にして書かれていますが、情報の欠損や矛盾もあったそうです。
曖昧な点は推測で埋め、架空の人物・発言を組み入れることで1冊の本に仕上げてあります。
正確に言えばノンフィクションベースのフィクションとなります。
2016年6月9日に日本でレビュー済み
著者はルイスの弟の孫。
ルイスの名も知らず、本の装丁から子ども向けの絵本かなと思いつつ読み始めた私であったが、目を見開かされた。
主人公の生年も、本名も、舞台のナショナル=メモリアル=ブックストアの開店時期すらもはっきりしなくなっているが、親戚らへの聞き取り取材による状況証拠等から1895年生まれ、開業は1939年・ルイス44歳ごろと推測の上、時系列に構成されている。
アフリカ系アメリカ人公民権運動は、1950~60年代にかけてで、悪名高きジム=クロウ法によって、黒人のみならず全ての有色人種に対する制度的な差別が、64年の公民権法制定まで正式な法規定としてまかり通っていた。
1955年12月1日、アラバマ州モントゴメリーで、黒人女性のローザ=パークスによる、公営バスでの白人専用及び優先座席着席事件が起き、キング牧師が約1年間にわたるバスボイコット運動を指揮、56年には、合衆国最高裁判所が「バス車内における人種分離(=白人専用及び優先座席)」を違憲とする判決を出した。
60年に大統領となったJFKが、ジム=クロウ法禁止する法案を次々に成立させる。
このような時代背景下で、黒人差別が合法であった時代にハーレムでとはいえ、黒人による黒人のための書店を開店し、
「20億人のアフリカ系および非白人種についてのあらゆる世界の歴史書専門店」、「良識の館、適切なる宣伝活動の拠点」、「店内は全世界の全黒人の全事実でいっぱい」、「そう、『キリストは黒人だった』!」(聖書からキリストが黒人の一族であるユダ族の出身で、ヨハネが羊毛のような髪の毛やその姿を見て「ユダ族から出た獅子」と呼んだと列挙)などと挑発的な看板をかざし続けた。
この書店は、公民権運動時代も活躍している。
活動家の一人であるデトロイト=レッドと呼ばれていた頃のマルコムXも、刑務所で本と出会い、ルイスの本屋に通い社会や哲学や心理に関する知識を得るどころか、ルイスを父親のようにしたい、住みかのように使っていた。
1963年のJFK暗殺に関してマスコミに意見を求められたマルコムが「鶏がねぐらに帰るように、起こるべくして起こったことだ」と発言した元も、ルイスから教わった言葉だった。
その一方、キング牧師にルイスは冷淡だ。
ハーレムの黒人を雇用しないブルームステイン百貨店でキングのサイン会が開かれた際、ルイスは百貨店の前で「黒人の店で買え」、「キング牧師、あなたはアラバマの白人の店でも、自分お本にサインをしますか?」と書いたプラカードを掲げた。
ルイスは支援者のせいだろうとしているが、キングも出版社もルイスの書店に立ち寄ることはなかった。
そしてルイスはキングが白人との融和政策に親和的で、そのハウスニグロ性も見抜いていた。
書店はネルソン=A=ロックフェラー知事との約束を反故にされ、別のビルに移転後、ウィルソン知事に代わると新しく建つ州政府ビルへの出店どころか移転先から出ていくように勧告される。
そそて1974年、ルイスは79歳にして在庫を安く処分した後、書店をたたみ、翌年死去する。
現在、全米でこのような黒人専門書店は消えており、1960年サンフランシスコで開業のマーカス=ブックストアが最古で唯一の書店となっているようである。
いつかハーレムの125丁目と7番街の角に立ち、もうないナショナル=メモリアル=ブックストアとルイスを偲びたい。
ルイスの名も知らず、本の装丁から子ども向けの絵本かなと思いつつ読み始めた私であったが、目を見開かされた。
主人公の生年も、本名も、舞台のナショナル=メモリアル=ブックストアの開店時期すらもはっきりしなくなっているが、親戚らへの聞き取り取材による状況証拠等から1895年生まれ、開業は1939年・ルイス44歳ごろと推測の上、時系列に構成されている。
アフリカ系アメリカ人公民権運動は、1950~60年代にかけてで、悪名高きジム=クロウ法によって、黒人のみならず全ての有色人種に対する制度的な差別が、64年の公民権法制定まで正式な法規定としてまかり通っていた。
1955年12月1日、アラバマ州モントゴメリーで、黒人女性のローザ=パークスによる、公営バスでの白人専用及び優先座席着席事件が起き、キング牧師が約1年間にわたるバスボイコット運動を指揮、56年には、合衆国最高裁判所が「バス車内における人種分離(=白人専用及び優先座席)」を違憲とする判決を出した。
60年に大統領となったJFKが、ジム=クロウ法禁止する法案を次々に成立させる。
このような時代背景下で、黒人差別が合法であった時代にハーレムでとはいえ、黒人による黒人のための書店を開店し、
「20億人のアフリカ系および非白人種についてのあらゆる世界の歴史書専門店」、「良識の館、適切なる宣伝活動の拠点」、「店内は全世界の全黒人の全事実でいっぱい」、「そう、『キリストは黒人だった』!」(聖書からキリストが黒人の一族であるユダ族の出身で、ヨハネが羊毛のような髪の毛やその姿を見て「ユダ族から出た獅子」と呼んだと列挙)などと挑発的な看板をかざし続けた。
この書店は、公民権運動時代も活躍している。
活動家の一人であるデトロイト=レッドと呼ばれていた頃のマルコムXも、刑務所で本と出会い、ルイスの本屋に通い社会や哲学や心理に関する知識を得るどころか、ルイスを父親のようにしたい、住みかのように使っていた。
1963年のJFK暗殺に関してマスコミに意見を求められたマルコムが「鶏がねぐらに帰るように、起こるべくして起こったことだ」と発言した元も、ルイスから教わった言葉だった。
その一方、キング牧師にルイスは冷淡だ。
ハーレムの黒人を雇用しないブルームステイン百貨店でキングのサイン会が開かれた際、ルイスは百貨店の前で「黒人の店で買え」、「キング牧師、あなたはアラバマの白人の店でも、自分お本にサインをしますか?」と書いたプラカードを掲げた。
ルイスは支援者のせいだろうとしているが、キングも出版社もルイスの書店に立ち寄ることはなかった。
そしてルイスはキングが白人との融和政策に親和的で、そのハウスニグロ性も見抜いていた。
書店はネルソン=A=ロックフェラー知事との約束を反故にされ、別のビルに移転後、ウィルソン知事に代わると新しく建つ州政府ビルへの出店どころか移転先から出ていくように勧告される。
そそて1974年、ルイスは79歳にして在庫を安く処分した後、書店をたたみ、翌年死去する。
現在、全米でこのような黒人専門書店は消えており、1960年サンフランシスコで開業のマーカス=ブックストアが最古で唯一の書店となっているようである。
いつかハーレムの125丁目と7番街の角に立ち、もうないナショナル=メモリアル=ブックストアとルイスを偲びたい。
2015年10月9日に日本でレビュー済み
アメリカの黒人は本など読まない、そう思われていた時代にNYのハーレムに
本屋を開いた一人の黒人の伝記的なノンフィクション。
40年間に22万冊を超える本を扱うようになったとか、通っていた著名な人たちとの
エピソードも興味深い。
そういう事以上に、私には「本を読む」この事の意味を考えさせられた。
人は何故、本を読むのだろう?
今は、電子ブック、ネットの時代になって、紙の本を読む人は減っているのかもしれない。
それでも、本がなくなるとは思えない。
書き手がいて、読む人がいて、本屋がある。
この関係はなくならないと思う。
また、無くしてはいけないもののように思う。
本から得る物は大きな力なのだと、「闘う本屋」は教えてくれる。
本から得た物をどのように使うのか。
書店はただ売り買いの場と言うだけではない、知的な「力」を持つ本を
紹介する場なのだと、この本は教えてくれる。
本屋さんに行きましょう!
本屋を開いた一人の黒人の伝記的なノンフィクション。
40年間に22万冊を超える本を扱うようになったとか、通っていた著名な人たちとの
エピソードも興味深い。
そういう事以上に、私には「本を読む」この事の意味を考えさせられた。
人は何故、本を読むのだろう?
今は、電子ブック、ネットの時代になって、紙の本を読む人は減っているのかもしれない。
それでも、本がなくなるとは思えない。
書き手がいて、読む人がいて、本屋がある。
この関係はなくならないと思う。
また、無くしてはいけないもののように思う。
本から得る物は大きな力なのだと、「闘う本屋」は教えてくれる。
本から得た物をどのように使うのか。
書店はただ売り買いの場と言うだけではない、知的な「力」を持つ本を
紹介する場なのだと、この本は教えてくれる。
本屋さんに行きましょう!
2016年7月1日に日本でレビュー済み
アメリカ社会の中で長きにわたり周縁化されてきたアフリカ系アメリカ人の人々に、
知識獲得と自己の確立を果たしてもらうべく、そのほとんどがアフリカ系の人々に
関係する良書を揃えた書店をハーレムに築いた人物ルイス・ミショーの評伝。
本人、家族、町の人、新聞記者、FBIの調査書等の多くの言葉や文書から、
彼の来し方、人となりや業績が浮かび上がる。
博識で「プロフェッサー」と呼ばれていた彼の書店には、マルコムX等の
錚々たる面々が集い、書店でミショーと話し込んだり、近くで演説をしたりしていた。
ミショーの言葉で医師を目指し、夢を叶えた人もいて、彼は多くの人に影響を与えていた。
また、閉店を余儀なくされた際には大セールを行い、子供達向けの絵本を
プレゼントとして進呈するキャンペーンを行うなど、最後まで本が人に
もたらす力を信じ続けた人でもあった。
巻末には用語辞典もあり、アメリカ社会におけるアフリカ系の人々の
歴史が垣間見える。
知識獲得と自己の確立を果たしてもらうべく、そのほとんどがアフリカ系の人々に
関係する良書を揃えた書店をハーレムに築いた人物ルイス・ミショーの評伝。
本人、家族、町の人、新聞記者、FBIの調査書等の多くの言葉や文書から、
彼の来し方、人となりや業績が浮かび上がる。
博識で「プロフェッサー」と呼ばれていた彼の書店には、マルコムX等の
錚々たる面々が集い、書店でミショーと話し込んだり、近くで演説をしたりしていた。
ミショーの言葉で医師を目指し、夢を叶えた人もいて、彼は多くの人に影響を与えていた。
また、閉店を余儀なくされた際には大セールを行い、子供達向けの絵本を
プレゼントとして進呈するキャンペーンを行うなど、最後まで本が人に
もたらす力を信じ続けた人でもあった。
巻末には用語辞典もあり、アメリカ社会におけるアフリカ系の人々の
歴史が垣間見える。
2015年3月4日に日本でレビュー済み
黒人解放には、黒人自身が意識を高めることが必要で、そのために本を読める機会を提供したい。そう思ったルイスは、ニューヨークに黒人が書いた本の専門店を始める。
理解を得るまでは大変だし、妨害もあるし、だけど、行商で本を売り歩きながら、たった5冊(それも、人から提供してもらった本)で始めた書店は40年後22万冊を有するまでになる。
ラングストン・ヒューズからマルコムXまで、この書店を一つの拠点とした人は多い。
書店とは何か? を考える一冊。
理解を得るまでは大変だし、妨害もあるし、だけど、行商で本を売り歩きながら、たった5冊(それも、人から提供してもらった本)で始めた書店は40年後22万冊を有するまでになる。
ラングストン・ヒューズからマルコムXまで、この書店を一つの拠点とした人は多い。
書店とは何か? を考える一冊。
2016年8月10日に日本でレビュー済み
高校生です。毎年、課題図書の本を読んで感想文を書いていますが、今まで読んできた物の中で一番、考えさせられた物でした。「本」に込められたモノとは何か。また、「本」から得られる知識とは何か。読書、人種差別、知識、読めば読むほどに考える自分がいました。大人が読んでも考えずにはいられないと思います。