公法を学ぶなら通る道だったと気づく。「ノモス」的な前知識としてシュミットは読んでおくべきだろう。
第一部は「主権」のありかについて語られる。
第二部は「ホモ・サケル」つまり「犠牲化不可能にもかかわらず殺害可能である生」について、主に生殺与奪権をもとに解説される。
第三部では、難民、自殺、安楽死、脳死、そして、ナチズムから生政治について語られる。
「境界線」 は5mmの細い曲線なのか、あるは万里の長城のような幅を持っているのか、それはわからない。
ただ、境界線が内と外を隔絶する一方、境界線上にある問題は少なくないのだという感想を抱いた。
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ホモ・サケル 主権権力と剥き出しの生 単行本 – 2007/4/10
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アガンベンの仕事は、小社刊の『人権の彼方に』によって、9・11以後の世界政治が大きく変転しはじめたことと相俟って、静かな、しかし熱いまなざしで受容されつつあります。本書はアガンベンの主著『ホモ・サケル』の翻訳です。前著によって示された「例外状態と剥き出しの生」について、ホモ・サケル(聖なる人間=剥き出しの生)の形象を追跡しつつ、主権的決定の現場に迫る魅力的な議論を展開しているばかりではなく、カール・シュミットの「例外状態」の概念を、ハンナ・アーレントの全体主義とミシェル・フーコーの生政治に立って鍛え直した刮目すべき書です。「剥き出しの生」の形象は、もはやアウシュヴィッツのみならず、今日のわれわれの日常にすでに馴みになっています。
- 本の長さ288ページ
- 言語日本語
- 出版社以文社
- 発売日2007/4/10
- ISBN-10475310253X
- ISBN-13978-4753102532
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登録情報
- 出版社 : 以文社 (2007/4/10)
- 発売日 : 2007/4/10
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 288ページ
- ISBN-10 : 475310253X
- ISBN-13 : 978-4753102532
- Amazon 売れ筋ランキング: - 185,056位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 6,362位哲学・思想 (本)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2021年5月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
一日の大半を読書に費やせる暇な学部生の身でありながら、一回目の読み切りに丸4日間を要した。アガンベンらしく、知の傑物らの思想を見事に組み合わせて論が展開されていく。そのため、難解な箇所も多く、オープンソースの論文にあたりながら進める必要があった。主権によって政治的な共同体から除外されるホモ・サケルは、除外されることで包摂される。この一見矛盾するテーゼを、アリストテレスによる潜勢力を用いて可能にせしめた。抽象的な議論が、終盤に生政治と全体主義、或いは安楽死、死刑囚を利用した実験など具体に紐づいていく。彼の思想の核心がクリアになっていくその過程に、メモを取る手が思わず震えた。
2022年2月4日に日本でレビュー済み
「ホモ・サケル」、訳は「聖なる人間」ということになるそうだ。古代ローマ法に登場するのだが、その身体を殺害したとしても罰せられない、しかし殺してもその身体を供犠に用いることができない。こういう例外状態にある人たちがいて、法が宙づりになって機能しない事態があったという。そして、現在も同様の事態にある人たちがいると、ざっくりと要約することができよう。
【奴隷に似ている】
しかし、古代ローマには多数の奴隷がいた。相次ぐ戦争で勝利することによって、奴隷の数は膨らんでいった。人口の3~4割と推定されることもある。奴隷の主人にとって奴隷は所有物であった。ホモ・サケルと奴隷はよく似ている。
所有するとは、所有物に対して欲することは何でもできるという権力のことである。所有のこのような観念は、奴隷に対する態度が物に転用されたと、順序を逆転することもできるのではないか。所有は、人と人との社会的関係によって基礎づけられているにもかかわらず(贈与など)、そのことが忘却されてしまったのだ。
【奴隷はなぜ物になったのか】
アガンベンには『来るべき共同体』という著作があるが、奴隷は敗れてしまった元の共同体から離されてしまったことで物になってしまったのである。奴隷はプライドを持った勇敢な戦士であった。なぜか映画『ベンハー』を思い出してしまう。もう一度、元の共同体に戻れば、彼は立派な戦士になるはずなのだ。
可能性あるいは潜在性としてある人の存在を、「ホモ・サケル」という古代ローマの法律用語で表したかったのだろう。
【奴隷に似ている】
しかし、古代ローマには多数の奴隷がいた。相次ぐ戦争で勝利することによって、奴隷の数は膨らんでいった。人口の3~4割と推定されることもある。奴隷の主人にとって奴隷は所有物であった。ホモ・サケルと奴隷はよく似ている。
所有するとは、所有物に対して欲することは何でもできるという権力のことである。所有のこのような観念は、奴隷に対する態度が物に転用されたと、順序を逆転することもできるのではないか。所有は、人と人との社会的関係によって基礎づけられているにもかかわらず(贈与など)、そのことが忘却されてしまったのだ。
【奴隷はなぜ物になったのか】
アガンベンには『来るべき共同体』という著作があるが、奴隷は敗れてしまった元の共同体から離されてしまったことで物になってしまったのである。奴隷はプライドを持った勇敢な戦士であった。なぜか映画『ベンハー』を思い出してしまう。もう一度、元の共同体に戻れば、彼は立派な戦士になるはずなのだ。
可能性あるいは潜在性としてある人の存在を、「ホモ・サケル」という古代ローマの法律用語で表したかったのだろう。
2005年11月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ホモ・サケル(殺しても自由・しかし供犠にはならない存在)
過去の問題でも、アウシュビッツに限ったものでも、古代ローマだけの問題でも無い。!
正しく現代の、しかも日本の問題でもあるのではないか?
路上に放擲されたままの、ホームレス群、毎日のように彼らの殺害記事が流されるが、誰も気にも留めない。むしろ、路上が綺麗になったと喜んでいる節すらある。彼らは、全く福祉の対象にならないばかりか、法的保護の対象でもない。寝ているのか死んでいるのか、確かめることなく、視線をそらして横を過ぎていく。
弱者の資金・郵貯マネーをIT長者が狙い、それを『改革』と、デブ男が叫び、銀髪の今卑小ヒトラーが、米帝国に媚びる。
勤労者何々と称する箱物が都市の中央に林立し、その脇で、今の身寄り無き老人が、寒さに震える。
日系外国人が、人材派遣という名目の、時間給労働のため、しかも3K労働のため、動員され、また職場改善の資金が削られ、研究費、企業抱え学者先生確保のため、それがあてがわれる。
過去の問題でも、アウシュビッツに限ったものでも、古代ローマだけの問題でも無い。!
正しく現代の、しかも日本の問題でもあるのではないか?
路上に放擲されたままの、ホームレス群、毎日のように彼らの殺害記事が流されるが、誰も気にも留めない。むしろ、路上が綺麗になったと喜んでいる節すらある。彼らは、全く福祉の対象にならないばかりか、法的保護の対象でもない。寝ているのか死んでいるのか、確かめることなく、視線をそらして横を過ぎていく。
弱者の資金・郵貯マネーをIT長者が狙い、それを『改革』と、デブ男が叫び、銀髪の今卑小ヒトラーが、米帝国に媚びる。
勤労者何々と称する箱物が都市の中央に林立し、その脇で、今の身寄り無き老人が、寒さに震える。
日系外国人が、人材派遣という名目の、時間給労働のため、しかも3K労働のため、動員され、また職場改善の資金が削られ、研究費、企業抱え学者先生確保のため、それがあてがわれる。
2009年8月2日に日本でレビュー済み
他のレビュワーの方もおっしゃっているように、やたら難解な造語が意味の説明もなくポンポン出てくるのは非常に読みにくい。
さすがに原著には当たっていないが、わかりにくいとは思った。
キーである「剥き出しの生」もよく意味が分からないで出てくるし・・・
言いたいことは「収容所は、いかなる政治的意味づけ(人として認められる人権など)も外された、ただ生き物としての生(=剥き出しの生)が発現する場所として初めて理解可能になる」ということであろうが、ならもっと簡単に言えそうなのに。
確かに主権をめぐる矛盾や二重性は難しいといえばそうだが、しかしもっと簡単に言えるとは思う。
というわけで、内容をきちんと理解できているか保証しかねるし、実際わかりにくかったのでこの点数。
多分原著でわかりやすい訳で読めばきちんと星五つなのだろうが。
さすがに原著には当たっていないが、わかりにくいとは思った。
キーである「剥き出しの生」もよく意味が分からないで出てくるし・・・
言いたいことは「収容所は、いかなる政治的意味づけ(人として認められる人権など)も外された、ただ生き物としての生(=剥き出しの生)が発現する場所として初めて理解可能になる」ということであろうが、ならもっと簡単に言えそうなのに。
確かに主権をめぐる矛盾や二重性は難しいといえばそうだが、しかしもっと簡単に言えるとは思う。
というわけで、内容をきちんと理解できているか保証しかねるし、実際わかりにくかったのでこの点数。
多分原著でわかりやすい訳で読めばきちんと星五つなのだろうが。
2004年12月23日に日本でレビュー済み
大学時代、G.バタイユ読解が自分にとって最も刺激的だった。その後、J-Lナンシーらがバタイユ的脱自(内的体験)と存在論的な共同性の思考を、ハイデガー(およびナチズム)の問題系を踏まえた上で追及している。本書でG.アガンベンは「殺害可能だが、犠牲化不可能」と定義される「ホモ・サケル(聖ナル人)」という謎めいた形象に注目し、フーコー、シュミット、ベンヤミンやアーレント、そしてもちろんバタイユ、ナンシー、コジェーブといった今世紀の重要な思想との対話を通じ、新たな生政治論を練り上げてゆく。実に刺激的な著作。叙述も明快。