素人の私が、いくつかの精神分析系の書籍を読んできて、分かったつもりになってしまって、きちんと整理されないまま通り過ぎていっていた用語の数々。改めて、それらの用語についてこの事典で読み返すと、また新たな発見があって、わくわくする。そして、関連項目を引く。また、発見。ああ、たまらん。おもしろい。断片的だった知識がつながっていく快感。病み付きになりそう。
この事典は、それぞれの用語について簡潔明瞭なおかつなるべく詳細に説明を試みようという執筆者たちの志の高い熱意が伝わってくるような気がします。また、たくさんの執筆者が参加しているにも関わらず、関連項目を追っていってもしっかりと統一感が保たれている点もすばらしいと思いました。何か精神分析の到達点を一つのまとまった立体的な構造モデルとして示しているように私には感じられました。
他にいろいろ出ている精神分析事典系をすでに持っていたとしても、それら事典の簡潔な説明を補足する意味でもお勧めだと思います。
また、精神分析に興味のない人も買っておいて損はないかも知れません。
なぜって。金額的には高価ででかくて重くて（そんな訳で失礼ながらあんまり売れなさそうだし）、ひょっとして、絶版になった暁には、もしかして…
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