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ロボットにつけるクスリ: 誤解だらけのコンピュータサイエンス 単行本 – 2000/1/1
- 本の長さ333ページ
- 言語日本語
- 出版社アスキー
- 発売日2000/1/1
- ISBN-104756133126
- ISBN-13978-4756133120
商品の説明
メディア掲載レビューほか
本書は筑波大学機構工学系・工学システム学類教授である著者が筑波大の総合科目(教養科目)として講義している「科学技術とSF」を基にしたコンピューター・サイエンスの現状分析の解説。卒業生でベンチャー企業に勤める若手社員と教授との掛け合い漫才風の会話でかなりかみ砕いた表現にしている。しかし,その内容はかなり難しい哲学談義風で,一般の人が考える以上に,人工知能(AI)などコンピューターの情報処理の仕方は難解になっていることを教えてくれる。そして,人間の大脳がどう情報処理しているかもあまり解明されていない現状が分かる。
最初は,人工知能はどこまで進化しているかを解説する。有名なSF映画「2001年宇宙の旅」に登場する人工知能型コンピューターHAL9000の実力を検証する。この映画が製作された1960年代も,日本で第5世代コンピューター開発が行われた80年代も,人間の頭脳を模倣した人工知能はかなり急速に進化すると期待された。しかし,人間の頭脳がどのように情報処理しているかが実はよく分からず,コンピューターの情報処理とはかなり異なることが明らかになる。人間の神経回路を模倣したニューラルネットでも,人間の本物の頭脳・神経回路の仕組みが解明できす,現在のコンピューターの認識が異なる仕組みをとっている限り,人工知能の大幅な進化はなさそうだ。
C言語で書かれたプログラムをトーナメント方式で戦わせるゲーム理論のコンテストの解説は,論理学風かつ哲学風でなかなかの頭の体操になっている。経済活動や個人的な行動,また複雑系の動きなどを解明する手法としてゲーム理論が発達している。「囚人のゲーム」というジレンマ・ゲームから説明が始まり,これを何回も繰り返すために,種類の異なる関数プログラム同士の戦いを総当たりで行う。その戦場はゲーム・サーバーである。このモデルを生物の遺伝子の進化に適用する話が興味深い。自然が獲得した進化の戦略がみえてくる。
この話の先は,自己改変型軟化コンピューターという生物のようなコンピューターが誕生するかという議論になる。自分のハードウエア構成を変革していけるコンピューターが生まれるかどうか,なかなかの難問は21世紀の宿題になっている。 (東海大学非常勤講師 丸山 正明)
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-- ブックレビュー社
内容(「MARC」データベースより)
登録情報
- 出版社 : アスキー (2000/1/1)
- 発売日 : 2000/1/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 333ページ
- ISBN-10 : 4756133126
- ISBN-13 : 978-4756133120
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,352,563位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 901位情報学・情報科学全般関連書籍
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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読みやすいし、楽しめるけれど、トピックがバラバラに並んでいる感じ。著者のSFに対する教養を縦糸に、さまざまな話題をつまみ食いした構成で、まさに大学の教養科目の入門的・総花的講義みたい。それぞれの扱い方も、この分野をいろいろ読んでいる(or 読みかじっている)人からすると、「まあ、そんなとこだろうナ」という印象でしょうね。読み終えて、何かひとつの新しい世界が立ち上がるかと言われたら、それは期待しないほうがいい。
ただ、確かにこの本でいろいろ情報をもらったことも記しておかないと公平じゃないでしょうね。チューリング・テストのサイトなんかは、教えてもらってよかった。私程度の教養の人には、役に立つ。
気楽に読み流すなら、悪くないです。
ピンとこないのは、大学教授とかつての学生の会話という架空の対談形式(?)をとったせいのような気がする。本当の会話や対談ではなく作られた会話は、わかりやすそうで意外とわかりづらい。
大学の講義で話したトピックの中から五つを選んで雑誌に載せ、それをさらにまとめた本だから、どうしても各章がバラバラな印象を受ける。一冊の本としてのメッセージがうまく伝わらない、という感じです。