著者はIT起業家。
ネットと言う畑に、言論の「種を蒔く人」であり、その実を「刈り取る人」であり、時にはカラスの集団に頭をつつかれる「リスクを負う人」でもあります。
さて本書は、「こうすればブログの炎上を回避しつつ、おいしい思いをする事ができますよ」とでも言いたげな、セコい「リスク管理」指南本などではありませんでした。
【「炎上ドンと来い」の大物になれ】と言わんばかりの強気な本なのです。
つまり「炎上=悪」とは捉えられていない。
著者いわく、「クレームはロイヤルカスタマーを生むチャンスだ!」(本書、44ページ、101ページ)
著者流の「ピンチはチャンス」理論を要約すれば、以下のようになります。
・「書けば炎上する」と分かっていても、覚悟を決めて、書かなければならない時はある。(本書、65ページ)
・予想外の炎上を前に、貧弱に屈服したら、従来からの支持者は失望する。失望した味方は、今後は敵に回るかもしれない。(本書、19ページ)
なお、最低最悪の屈服の仕方は「物も言わずにブログを閉鎖する」である。(本書、92ページ)
・逆に、謝罪すべきは謝罪し、改めるべきは改めれば、批判者の中から新しい支持者を得る事もできる。(本書、41-42ページ)
著者いわく、「そもそもブログとは自己表現のツールであり、炎上したからといって閉じるべきものではありません。主張があるならば、炎上を恐れて批判におもねることなく、持論を訴えればよいのです。延焼もまた、たくさんの人に自分のブログを知らしめるチャンスだと前向きに考えるべきです。」(本書、73ページ)
アルプスです。上記「延焼」とは、「とばっちりによるブログ炎上」の事です。つまり「何の落ち度もないのに、降って湧いた災難」のパターンです。著者は「それをも利用せよ」と言う。ホントに強気ですねえ。
それじゃあ、かく言う著者自身のブログが炎上した時は、どんな気持ちがしたのか?
著者いわく、「コメントを読んで気づいたのは、意外に傾聴に値する、リアリティのある意見が多いということでした。中には『株で損した分を損害賠償請求するぞ』といった生臭いコメントもありました。しかし、『死ね』などという感情的な荒らしコメントは単なるノイズなので全然気になりませんでした。大事なコメントだけが目に飛び込んでくるのです。」(本書、15ページ)
ここで著者にホレました。
アンチ・カキコでも、内容が良ければ「傾聴に値する」と受け止める心の広さ。
「荒らしは単なるノイズ。気にならない」と言い切るメンタル・タフネス。
IT無法空間のサバイバル戦で、まず必要とされるのは、空のように広い心と、山のように動かない心のようです。
結論。その時々のネット技術は陳腐化しても、ネットを通して世界に向き合う者の「哲学」は古くならない。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
ブログ炎上 ~Web2.0時代のリスクとチャンス 単行本(ソフトカバー) – 2007/3/15
伊地知 晋一
(著)
なぜあのブログが燃えたのか? ブログにコメントやトラックバックが殺到し、大騒ぎになる「炎上」。いくつもの企業や有名人のブログが被害を受けている。Web2.0時代におけるWeb活用のリスク「炎上」がこれ1冊ですべてわかる。
- 本の長さ160ページ
- 言語日本語
- 出版社アスキー
- 発売日2007/3/15
- ISBN-104756149014
- ISBN-13978-4756149015
商品の説明
出版社からのコメント
今日もどこかでブログが燃えている。コメントが殺到し、時にはブログを閉鎖に追い込む「炎上」である。元ライブドア幹部として、多くのネットサービスを立ち上げた著者が、炎上のメカニズムを徹底解明。ライブドア事件の裏で起きた史上最大の炎上の経験を元に、ウェブ2.0時代におけるネットのリスクとチャンスを浮き彫りにする。
著者について
伊地知 晋一
元ライブドア メディア事業部 執行役員上級副社長。ライブドア時代に50を超えるネットサービスを立ち上げる。現在ゼロスタートコミュニケーションズ取締役としてオーディションサイト「Posh Me」などを展開中。
元ライブドア メディア事業部 執行役員上級副社長。ライブドア時代に50を超えるネットサービスを立ち上げる。現在ゼロスタートコミュニケーションズ取締役としてオーディションサイト「Posh Me」などを展開中。
登録情報
- 出版社 : アスキー (2007/3/15)
- 発売日 : 2007/3/15
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 160ページ
- ISBN-10 : 4756149014
- ISBN-13 : 978-4756149015
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,551,988位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,889位SNS・ブログ
- - 193,800位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
カスタマーレビュー
星5つ中4.3つ
5つのうち4.3つ
全体的な星の数と星別のパーセンテージの内訳を計算するにあたり、単純平均は使用されていません。当システムでは、レビューがどの程度新しいか、レビュー担当者がAmazonで購入したかどうかなど、特定の要素をより重視しています。 詳細はこちら
6グローバルレーティング
虚偽のレビューは一切容認しません
私たちの目標は、すべてのレビューを信頼性の高い、有益なものにすることです。だからこそ、私たちはテクノロジーと人間の調査員の両方を活用して、お客様が偽のレビューを見る前にブロックしています。 詳細はこちら
コミュニティガイドラインに違反するAmazonアカウントはブロックされます。また、レビューを購入した出品者をブロックし、そのようなレビューを投稿した当事者に対して法的措置を取ります。 報告方法について学ぶ
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2007年4月2日に日本でレビュー済み
ブログの“炎上”についての概要と“炎上”後の対策などについて書かれています。
著者の伊地知 晋一さんと
衆議院議員 長島 昭久 さん
ジャーナリスト 佐々木 俊尚 さん
「切込隊長」 山本 一郎 さん
対談記事3本も興味深く読めました。
インターネットについて分かっていなければ難解ですが、この項目を読んでいる“あなた”ならば、すんなりと読むことが出来ると思います。
ただし、“パソコン通信”と呼ばれていた頃から、ネットに触れていた方には、私のように“物足りなく”感じるかもしれません。
著者の伊地知 晋一さんと
衆議院議員 長島 昭久 さん
ジャーナリスト 佐々木 俊尚 さん
「切込隊長」 山本 一郎 さん
対談記事3本も興味深く読めました。
インターネットについて分かっていなければ難解ですが、この項目を読んでいる“あなた”ならば、すんなりと読むことが出来ると思います。
ただし、“パソコン通信”と呼ばれていた頃から、ネットに触れていた方には、私のように“物足りなく”感じるかもしれません。
2009年2月17日に日本でレビュー済み
ブログ炎上について1冊の本として、
分析した類書はないと思うので、
非常に興味深く読めた。
過去のブログ炎上例やその対処の仕方によって、
どうなったかなどが実際に起こっただけに、
とてもおもしろかった。
また本書はブログの存在意義を肯定的に捉えていて、
そうした認識のもとブログ炎上という事象を、
捉えているので、単なる炎上批判書でないことが、
何よりよかった。
分析した類書はないと思うので、
非常に興味深く読めた。
過去のブログ炎上例やその対処の仕方によって、
どうなったかなどが実際に起こっただけに、
とてもおもしろかった。
また本書はブログの存在意義を肯定的に捉えていて、
そうした認識のもとブログ炎上という事象を、
捉えているので、単なる炎上批判書でないことが、
何よりよかった。
2007年12月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ブログ炎上? 他人事だと思っていませんか? いざ炎上したらどうすれば?
いろいろ考えさせられる一冊です。
いろいろ考えさせられる一冊です。
2008年2月19日に日本でレビュー済み
全体を通してAERAなどの特集を読んでいるような感覚で読み進められます。大変読みやすく面白かったです。
さて、内容は炎上の定義、炎上の種類、沈静化の方法から例(企業、個人)そして最後に対談とよくまとまっています。薄い本なので若干高めかと思ったのですが内容が良かったので読了後は適正価格だと思い直しました。
結論として、大体以下の内容にまとめられますが、一読する価値は十分にあると思いました。
・ブログ読者をナメてはいけないというのが大前提。
・炎上後は下手に閉鎖や記事変更をしてしまうといつまでも鎮火しない。
・企業のブログと個人のブログとでは性格が異なる。
・荒らしは完全無視。
・ブログのルールは守りましょう。
さて、内容は炎上の定義、炎上の種類、沈静化の方法から例(企業、個人)そして最後に対談とよくまとまっています。薄い本なので若干高めかと思ったのですが内容が良かったので読了後は適正価格だと思い直しました。
結論として、大体以下の内容にまとめられますが、一読する価値は十分にあると思いました。
・ブログ読者をナメてはいけないというのが大前提。
・炎上後は下手に閉鎖や記事変更をしてしまうといつまでも鎮火しない。
・企業のブログと個人のブログとでは性格が異なる。
・荒らしは完全無視。
・ブログのルールは守りましょう。
2007年6月2日に日本でレビュー済み
「ライブドアブログ」をスタートさせ国内最大ブログへと育てあげた著者による初?の「ブログ炎上解説本」。「ブログ炎上とは?」から様々な「炎上事例」、そして「炎上に関わった人々」との対談等、幅広く解りやすく解説している。個人対個人でも多数対多数でもなく1対多数で起こる炎上。「炎上してもブログを閉じない方が良い結果をもたらす」「スルー力で見極めて自分に役立つ部分だけを見い出す」等々・・・読んでいてとても興味深く感じられた。また「炎上中のブログの見つけ方」なんて初心者向け?の記事もおもしろい。