世の中にはメディア論・メディアへの反応というとまず、この二つが多い。
・「メディアで人間の心の壁を越えやすくなり、より通じ合えるのだ!」という親メディアで越えられるべき人間の本質があるとする人々
(そのうちニュータイプに至る勢いのデジタルネイティブ万歳、新旧のメディア論者・革新派一般)
・「メディアは人間が伝えようという心を堕落させるのだ!」という反メディアで人間の本質があると考える人々
(己の生活が既にかなり電子化されてるにもかかわらず、今更無謬の本質を信仰して都合の悪いことを忘れる保守派一般)
次に少数派としてこういった人々が居ると思われる。
・「いや、良いとか悪いとかでなく、そもそもメディアに応じた思考・世界の切り分け型・それに対する参照点の作り方があるのだ」という中立・相対主義な人々
(言語ゲームの応用やら、言語相対主義やら、『「人間的思考の本質」がそもそも嘘くさい!』という口)
・「いや、そもそもメディアごときで『言語による思考それ自体』など変わらんのだ」という中立・本質主義な人々
(『人間的思考は言語のラカン式起源に関わってそれが全てである!』)
この中で、貴重な(?)最後の主張が著者。
前二つの無邪気で安易な『メディア過信』(メディアで人は良きにつけ、悪しきにつけ、変わる)が多い様に感じられ、メディア論方面を読んで第三のものを含めて気を抜いたら簡単に「とりあえずメディアの力すげぇ」と、心身問題を華麗にスルーするメディアの奇蹟に毒されてしまいがちな自分にツッコミを入れるものとしては、現代的な事例を挙げつつ読みやすいのでお勧め。
だが、「じゃ、おたくの信奉するラカン式の世界は…そんなに妥当なのか?」と言う更なるツッコミをしだすと収拾がつかなくなるので程々に。
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メディアは存在しない 単行本 – 2007/10/1
斎藤 環
(著)
- 本の長さ301ページ
- 言語日本語
- 出版社エヌティティ出版
- 発売日2007/10/1
- ISBN-104757102054
- ISBN-13978-4757102057
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登録情報
- 出版社 : エヌティティ出版 (2007/10/1)
- 発売日 : 2007/10/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 301ページ
- ISBN-10 : 4757102054
- ISBN-13 : 978-4757102057
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,152,753位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 494位メディアと社会
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