根井先生の主催する「勉強会」の成果に基づく本です。1.「「スミス」
「マルクス」「ケインズ」の時代から」、5.「多様な経済思想に学ぶ」
まで、5課からなります。
上記の3人以外に、シュンペーター、スラッファ、カレツキ、ワルラス、
ガルブレイスなど偉大な経済学者の、基本理論と基本哲学がでてきて、
資本主義経済の大きな流れの中で、それぞれの経済学者の考えを比較理論
的に学ぶことができます。
「経済学の教養」が得られるかどうかはわからないと、前書きにあります
が、経済学の面白さは十分に伝えられているし、これから、いろいろと
原典にあたって、読んでみる意欲が喚起されるだけでも、目的は達せられて
ますね。
根井先生ご自身の勉学の歴史、学生の時に何に関心があったか、どういう
本を読んだか、どういう本に影響を受けたか、若い研究者へのアドバイス
などなどが書かれていて、シニアの私にも面白かったです。ので、学生諸君
には、もっと面白く、また研究する上で、役にたつのではないでしょうか。
経済理論についても、完全競争についてのワルラスの「保留」や、ケインズ
理論の「時間的性格」、シュンペーターの「企業者」の特徴、ガルブレイスと
シュンペーターの類似、「新しい産業国家」のインパクト等々、重要な指摘が
なされています。
180ページのコンパクトな本ですが、比較経済学者的、比較理論的に読むこ
とができて、得られるものの豊富な本だと思います。
¥1,650¥1,650 税込
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経済学の教養 (NTT出版ライブラリーレゾナント) 単行本(ソフトカバー) – 2006/10/13
根井 雅弘
(著)
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- 本の長さ192ページ
- 言語日本語
- 出版社NTT出版
- 発売日2006/10/13
- ISBN-104757121857
- ISBN-13978-4757121850
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登録情報
- 出版社 : NTT出版 (2006/10/13)
- 発売日 : 2006/10/13
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 192ページ
- ISBN-10 : 4757121857
- ISBN-13 : 978-4757121850
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,788,893位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 5,517位経済学 (本)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2010年5月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2007年1月1日に日本でレビュー済み
根井先生の文章は平明ですが奥深いものがあり、私は好きです。最近は、研究書的なものよりも本作のようなエッセイ風のものが多いので、一度骨太な専門書もお願いしたいです。また、根井先生が永田良先生のゼミであったことをしることができたのが、本作の一番の収穫でしょうか。値段がちょっと高いので星四つにさせていただきます。
2013年9月21日に日本でレビュー済み
『経済学の教養』とは、これまたすごい題名ですねぇ。
本書で示されている意見について、気になったところにコメントしてみます。
<p.22>
わが国では、ときに、経済学が輸入学問から始まったことに引け目を感じて、一日も早く自国の風土に根ざした「日本経済学」を構想すべきであるというような主張に魅力を感じる向きがありますが、「マルクスの基本定理」も「有効需要の原理」も、人類の知的遺産であり、ことさら自国の「伝統」なるものにこだわる必要はないのではないでしょうか。
→この見解については、「ことさら」という言葉の意味にもよりますが、その通りだと思います。もちろん、「制度」や「歴史」や「慣習」において、自国の「伝統」が重要になるような場合も多々あると思います。その側面もありますが、人類の知的遺産として利用可能な考え方もあるわけですね。
ものすごく当たり前のことを言えば、人類レベルで共有できる知識があり、その上で各国の歴史性に合った経済のあり方がありえるということなのでしょう。
<p.104>
ポスト・ケインズ派の文献は、私もたくさん読みましたが、いまから回顧すれば、彼らはケインズの側近であったために、あまりにケインズの言説のあれこれに引きずられすぎたのではないかという印象を受けます。自分たちだけがケインズを正確に理解しているという誇りは立派なものですが、それ以外のものをすべて排除するような「非寛容性」は、彼らの経済学を次第に袋小路に追い込んでいったのではないでしょうか。
<p.105>
「本流」と「周辺」、あるいは「正統派」と「異端派」を問わず、学問はできるだけ広く学ぶべきことも同時に強調しておきたいと思います。
→ポスト・ケインズ派についてのこの考え方についても、その通りだと思います。エコノミクスとしての経済学の歴史において、ケインジアンを名乗ることの意義について、いろいろな経済学者がかなり無駄な議論を展開しているように思えるのです。
私からすると、ケインズの言っていることで、参考にすべきは参考にし、間違っていると思うところは受け入れなければ良いだけだとしか思えないのですよね。
例えば、「価格の硬直性」とか「有効需要の原理」とか「不確実性」とか「流動性選好」とか、それぞれに論じるべきことを論じれば良いとしか思えないのですよね。そこで、ケインズ的か否かとか、ケインズ革命の本質とは何かとか、どうでも良いような気がするのですよね。
<p.171>
まだ故田中真晴氏が元気でよく研究会で顔を合わせていた頃、「年寄りのひがみと思ってもらってもよいが、あなたはものを知りすぎているのではないか。昔は、ミル研究ならミルばかり明けても暮れても読んでいた研究者がいたものだ。そういう愚直さもわからないといけない」という趣旨のことを言われたことがありました。
<p.171‾172>
私は、研究者は、自分の本領があったとしても、できるだけ多様な経済思想を学び、自分がまだまだ「無知」であることを実感すべきだと思っています。そうすることによってしか、異なる思想に対する「寛容」の精神は身につかないという堅い信念をもっています。
→これについても、著者の根井氏に賛成です。
というか、ミルばっかり読んでいる人って、ゾッとしますね。ある意見の妥当性とは、有名人の意見だからとかではなく、反対意見との格闘を通じて研磨すべきものだと思うからです。
本書で示されている意見について、気になったところにコメントしてみます。
<p.22>
わが国では、ときに、経済学が輸入学問から始まったことに引け目を感じて、一日も早く自国の風土に根ざした「日本経済学」を構想すべきであるというような主張に魅力を感じる向きがありますが、「マルクスの基本定理」も「有効需要の原理」も、人類の知的遺産であり、ことさら自国の「伝統」なるものにこだわる必要はないのではないでしょうか。
→この見解については、「ことさら」という言葉の意味にもよりますが、その通りだと思います。もちろん、「制度」や「歴史」や「慣習」において、自国の「伝統」が重要になるような場合も多々あると思います。その側面もありますが、人類の知的遺産として利用可能な考え方もあるわけですね。
ものすごく当たり前のことを言えば、人類レベルで共有できる知識があり、その上で各国の歴史性に合った経済のあり方がありえるということなのでしょう。
<p.104>
ポスト・ケインズ派の文献は、私もたくさん読みましたが、いまから回顧すれば、彼らはケインズの側近であったために、あまりにケインズの言説のあれこれに引きずられすぎたのではないかという印象を受けます。自分たちだけがケインズを正確に理解しているという誇りは立派なものですが、それ以外のものをすべて排除するような「非寛容性」は、彼らの経済学を次第に袋小路に追い込んでいったのではないでしょうか。
<p.105>
「本流」と「周辺」、あるいは「正統派」と「異端派」を問わず、学問はできるだけ広く学ぶべきことも同時に強調しておきたいと思います。
→ポスト・ケインズ派についてのこの考え方についても、その通りだと思います。エコノミクスとしての経済学の歴史において、ケインジアンを名乗ることの意義について、いろいろな経済学者がかなり無駄な議論を展開しているように思えるのです。
私からすると、ケインズの言っていることで、参考にすべきは参考にし、間違っていると思うところは受け入れなければ良いだけだとしか思えないのですよね。
例えば、「価格の硬直性」とか「有効需要の原理」とか「不確実性」とか「流動性選好」とか、それぞれに論じるべきことを論じれば良いとしか思えないのですよね。そこで、ケインズ的か否かとか、ケインズ革命の本質とは何かとか、どうでも良いような気がするのですよね。
<p.171>
まだ故田中真晴氏が元気でよく研究会で顔を合わせていた頃、「年寄りのひがみと思ってもらってもよいが、あなたはものを知りすぎているのではないか。昔は、ミル研究ならミルばかり明けても暮れても読んでいた研究者がいたものだ。そういう愚直さもわからないといけない」という趣旨のことを言われたことがありました。
<p.171‾172>
私は、研究者は、自分の本領があったとしても、できるだけ多様な経済思想を学び、自分がまだまだ「無知」であることを実感すべきだと思っています。そうすることによってしか、異なる思想に対する「寛容」の精神は身につかないという堅い信念をもっています。
→これについても、著者の根井氏に賛成です。
というか、ミルばっかり読んでいる人って、ゾッとしますね。ある意見の妥当性とは、有名人の意見だからとかではなく、反対意見との格闘を通じて研磨すべきものだと思うからです。
2006年10月16日に日本でレビュー済み
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本書は京都大学で教鞭をとる根井雅弘氏の最新本である。「経済学の教養」という変わったタイトルに惹かれて購入した。第1講には、スミスやマルクス、ケインズといった偉大な学者が取り組んだ問題との「対話」を重ねつつ、あたかも彼らが自分の隣人であるかのように意識する姿勢(著者は「歴史的意識」と表現している)の重要性が指摘されている。「古典との格闘」を企図する場合でも、こうした問題意識がなければ、彼らの「声」をより深く理解することはできないであろう。経済学を学ぶということの意味内容を改めて教示されたような気がする。「本流」を学ぶことの必要性を強調した第3講も興味深い。本流から外れた研究ばかりに固執する結果として、きわめて限定的な文献しか読めなくなるという危惧が表明されているが(94頁)、傾聴に値する発言であろう。以前にも根井氏の諸著作を眺めた経緯があるが、彼はたしかに「読書量では群を抜いている」のであり、「評伝を書いてみること」という第4講の論述内容も、そうした印象を強く感じる箇所である。その意味でも、彼が取り上げた論者(ロビンズ、カルドア、カレツキ、ジョーン・ロビンソンら)の評伝それ自体よりも、それら人物たちの評伝を書くことを「決意」したという行為自体にこそむしろ感銘を受けるのではないか。本講の末尾に記された、「知識が深まれば悩みも深まり、知識が増せば痛みも増す」という『旧約聖書』における言葉も、記憶に残るものだった(こうした悩みや痛みを感じるほどの知識は私にはないが)。そして何よりも、自らが興味関心を有するもの以外にも広く目を通し多様な経済思想を学ぶことの重要性を、本書を通じて説いていることは、これからの社会科学としての経済学のあり方を見据えるうえでたいへん示唆的であるに違いない。経済学の初心者というよりは、ある程度の知識を得た人たちに是非とも読んでもらいたい一書である。