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〈反〉知的独占 ―特許と著作権の経済学 単行本 – 2010/10/22

3.6 5つ星のうち3.6 12個の評価

知的財産権は、人類進歩を阻害する!


すぐれた経済理論家の冷徹な分析による驚きの結論。
通説に振り回されずに筋道だって考えたい人、必読。
――国際日本文化研究センター所長 猪木武徳氏推薦


情報やイノベーションへのアクセスを規制するのに使ってきた
根本的なルールについて、最近ではますます重要な疑問の声が
上がるようになってきた。その懐疑的な糾弾の先鋒が、この見事に
書かれた本の説得力ある議論なのだ。
――スタンフォード・ロースクール ローレンス・レッシグ

ボルドリン&レヴァインは、いままで発達してきた知的財産権が、
効率的な経済の構成にとって有害だという強力な議論を展開している。
――ノーベル経済学賞受賞、ワシントン大学セントルイス校 ダグラス・C・ノース

これは重要で登場が待ち望まれていた本だ。ボルドリン&レヴァインの
主張する、知的財産に対して過剰な独占権を与えてはいけないという議論は
説得力に富む。知的財産における独占は、有益な知識の発展を阻害するのだ。
そうした独占を与えることはイノベーションを遅らせる、という主張が、
雄弁に行われている。
――ノーベル経済学賞受賞、ミネソタ大学 エドワード・C・プレスコット

何世紀にもわたり、知的財産権はイノベーションに不可欠と思われてきた。
だが超一流の経済学者二人組、ボルドリン&レヴァインは、知的財産権制度は
丸ごとゴミ箱送りにすべきだと提案している。この主張は論争を招くだろうが、
真面目な検討に値するものだ。
――ノーベル経済学賞受賞、プリンストン高等研究所 エリック・マスキン

商品の説明

著者について

●著者紹介

ミケーレ・ボルドリン(Michele Boldrin)
ワシントン大学セントルイス校芸術科学部ジョセフ・G・ホイト記念経済学教授。計量経済学会フェロー、ロンドンの経済政策研究センターおよびマドリッドの応用経済学研究財団のリサーチフェローでもある。「エコノメトリカ」共同編集者、「レビュー・オブ・エコノミック・ダイナミクス」編集者、ケンブリッジ大学出版局刊「マクロエコノミック・ダイナミクス」編集顧問も務める。研究テーマは成長、イノベーションビジネスサイクル、世代間問題や人口構造問題、公共政策、制度、社会規範など。

デヴィッド・K・レヴァイン(David K. Levine)
ワシントン大学セントルイス校芸術科学部ジョン・H・ビッグス記念経済学教授。「エコノメトリカ」「NAJエコノミクス」共同編集者、経済動学学会会長、計量経済学会フェロー、NBERリサーチ・アソシエイトでもある。ドリュー・フーデンバーグと共著で「ゲームでの学習」を著し、学会論集をいくつか編纂している。研究上の関心は、知的財産の研究、動的一般均衡モデルにおける内的成長理論、選好や制度、社会規範の内的形成、実験経済学へのゲーム理論適用など。


●訳者紹介

山形浩生(やまがた・ひろお)
1964年生まれ。東京大学都市工学科修士課程およびマサチューセッツ工科大学不動産センター修士課程修了。大手調査会社に勤務するかたわら、科学、文化、経済からコンピュータまで広範な分野での翻訳、執筆活動をおこなう。著書に『たかがバロウズ本』(大村書店)、『教養としてのコンピュータ』(アスキー新書)、『山形道場』(イーストプレス)、『新教養主義宣言』『要するに』(以上、河出文庫)、『訳者解説』(バジリコ)など。おもな訳書に、『環境危機をあおってはいけない』『その数学が戦略を決める』(以上、文藝春秋)、『アニマルスピリット』(東洋経済新報社)、『CODE』『コモンズ』『FREE CULTURE』『CODE 2.0』『REMIX』(以上、翔泳社)、『自由は進化する』『誘惑される意志』『「意識」を語る』(以上、NTT出版)など多数。


守岡桜(もりおか・さくら)
翻訳家。共訳書に『リトル★ハッカー』『オープンソースの成功』『ダメなものは、タメになる』 (以上、翔泳社)、『数学で犯罪を解決する』 (ダイヤモンド社)、『地球温暖化は止まらない』(東洋経済新報社)、『僕たちが考えるに、』(エクスナレッジ)、『無一文の億万長者』(ダイヤモンド社)など。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ NTT出版 (2010/10/22)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2010/10/22
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 433ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4757122349
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4757122345
  • カスタマーレビュー:
    3.6 5つ星のうち3.6 12個の評価

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カスタマーレビュー

星5つ中3.6つ
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12グローバルレーティング

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上位レビュー、対象国: 日本

2014年5月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
特許や著作権にまつわる権利は必然的な当たり前のものではなく、実定法的・人為的に定められたものだということ、だから今の権利の形は唯一のあり方ではないということを思い出させてくれる、読む価値の高い本だと思う。

# だが、誰にとって価値のある本か、考えてみると難しい。少なくとも実務者向けではないだろう。大局的な思考実験が好きなマニア向けかもしれない。

評価が予想外に低かったので、甘めに星5つ。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2014年3月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
知的独占で守られていなかった業界にもイノベーションが起きた、だから知的独占は不要。
という理論には飛躍があると思います。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2010年11月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
知財権の実務屋として本書を読んでガツンときた。
始めの3分の2までは、放り出そうと思いながら読んでいたのではあるが。
新入社員に行政側視点による知財権の意味を説明しているが、果たして実効が上がっているのかは正直言って考えたことがなかった。少なくとも問題提起部分の著者の主張は正しいと思う。企業の知財業務は当にレントシーキングである。
本書の著者の主張のうち、知財権がイノベーションを阻害しているという主張の部分に反感を感じた方は、最近の中国の知財権に対する日本のマスコミの反応を思い出してほしい。マスコミは中国企業が知財権を侵害することでイノベーションを阻害していると主張してはいないのだ。日本企業が野心に満ちた中国企業に押されている現状に対する不満を言い募っているだけではないだろうか。
一方、上記マスコミの反応からも分かる通り、実は知財権の社会的意義は、イノベーターとして参加したものの果実を手に入れられなかったものへ報復手段を与える機能にある可能性はないだろうか。刑務所が必ずしも犯罪者の更生に結びついていないというデータが多数あるにも係わらず、刑務所が犯罪行為への報復手段として重要であるように。
ところで、上記意義は別として、著者の知財権廃止論については手放しでは賛成できない。どのようなルールを作ったにせよ、企業の目的はレントシーキングに変わりはないのだから。知財権がイノベーションを阻害する目的で使用されるという著者の主張は正しいと認めるが、レントシーキングを促進する社会制度が悪であるように読めてしまう点はどうなのだろうか。知財権の経済効果について、イノベーション一つを取り上げるのではなく、知財業界の生産性をも含め、経済効果を検証する研究結果を見てみたい気がする(アメリカでは少なくとも重要なサービス産業である)。
いずれにせよ、知財権について冷静に考えるためには大変良いきっかけになる本であると思う。
34人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2010年11月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
 確かに今の知的財産制度は欠陥が多く、改善が必要だ。汗を流した正直な創作者に報いつつも、楽にずる賢く稼ごうとする商売人には金が流れない、そんな制度を再構築する必要がある。著者が主張するように知的財産制度が「廃止」となったら、ずる賢い商売人だけでなく、正直者への報償も無くなってしまう。イノベータに報いる方法は他に沢山ある、と著者は主張するが、具体的にその方法は何ら提示していないように見える。
 蒸気機関のジェームス・ワットの例にしても、彼が先行特許権者の優越的地位を利用して後発者の開発を過剰に妨害した面は否定できない。だからと言って、先駆者のワットに何の報酬も与えないとなれば、ワットは破産し、蒸気機関の登場は何年も遅れていたであろう。
 その他、様々な理由が挙げられており、うなずける部分も無くはないが、それとて改善の道はすでに探られており、「廃止」などという極端な結論に導くようなものでもない。
 結局のところ本書は、知的財産制度の悪い側面ばかりをあげつらい、「廃止」という過激な提案で注目を集めようとしているに過ぎない。知財制度の良い側面は、著者が目を向けないだけでいくらでも例示できる。この本を無条件に称賛する方々は、「インビジブル・エッジ」あたりと読み比べてから判断してもらいたい。
 
 
19人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2010年11月8日に日本でレビュー済み
日本における著作権の議論は、どうしても法技術的なものになりがちだが、この本は、著作権の本質的な意義について議論する。

結果として、著者たちは映画や文学などの著作権、さらに特許などの知的所有権のすべては廃止されるべきだというラディカルな主張をする。

著作権がなくとも、過去の偉大な文学は実際に創作されている。また、当時と同じように、異なった会社が同じ内容を出版することを許しても、実際にはその利益のほとんどが著者と最初の出版社に渡っていた、ということが説明される。

また現在の知的所有権は、発明を促進することに貢献していない。著作権の存在自体の多面に、自分の発明であるのに、時に他人の知的所有権の主張によって、使用を不可能にされることが頻繁にある(パテント・トロール)。それを予防するために、知的所有権を申請するという機能をもっているいるにすぎない。ほとんどのパテントは、他社からの使用差止請求を予防するために使われているのであり、そういった意味で本質的に生産コストを上げているだけだ。この事実は、多くのソフト会社などの開発費の実態から明らかにされる。つまり制度全体として、知的所有権は知的生産にかかる法律、技術費用を上昇させているだけで、社会の進歩を阻害しているというのである。なるほど考えて見れば、アメリカをはじめとして、特許弁護士は全体として大繁栄しているが、彼らがプログラムや工業技術などの開発に従事しているとするなら、はるかに世界は豊かになっているだろう。

こういった説明がどの程度説得的だと感じられるかは人にもよるだろう。しかし、とかく著作権者の権利保護という情緒的な主張に終始しがちな日本国内の議論に比べて、どれだけかの計量性をもって説得しようとする著者たちの態度は、まさに正統派の経済学の伝統にそったものだ。

できるだけ多くの日本人がこの本を読んで、ぜひとも著作権法の、本質的な非生産性、社会的な無意味さに目覚めてもらいたい。
27人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2010年11月21日に日本でレビュー済み
 「著作権は不要だ」という見解を紹介しながら、自分は著作を有料販売して印税をたっぷりもらう、というジョークみたいな本。
 どうしてこの内容をネットで公開しないのだろうか? そうすれば自分は印税を一円ももらえなくなるが、その一方で、内容を広く世間に公開できたはずだ。
 本書を無償公開したとき、本書の内容は支持を得るだろう。
7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2012年6月5日に日本でレビュー済み
 著者は、二人ともワシントン大学の経済学の教授である。論旨は、タイトルからわかるように、知的財産(特に、特許権と著作権)は、イノベーションや創造を推進しない、むしろ邪魔、というものである。ここまではっきりと「アンチ・知財」を宣言している本もめずらしい。
 特許権は、(1)アイディアのコピーを売買する権利と、(2)他人がそのコピーを利用するのをコントロールする権利があり、前者は問題ないが後者には問題がある、という立場である。ある特許発明Aがあり、それを利用する特許発明B(=A+α)があるとき、特許発明Bは実行できない。特許発明Aによりコントロール(=阻害)されるからである。発明Aの特許がその利用技術Bの開発・普及を阻害することになる。特許が利用技術の普及を阻害する、というのは特許制度の欠陥だともいえるが、もともと特許制度はそれを意図して設計されているともいえる。
 また、新しい産業が起こるときには知的財産制度は機能していないが、創造性の蓄えが枯渇してくると知的財産がもたらす余録を求めて争いが始まる、と例証している。知的財産制度がなくても、イノベーターはちゃんと先行者利益を得ることができる、と主張する。ただし、ここはケースバイケースで簡単に一般化はできないのではないか。アイディアの具現化したもののコピーには経済的価値はあるが、アイディア自体は抽象的すぎて無価値、という。しかし、アイディアのコピーの保護では実質的にはほとんど保護にならないのではないか。このあたりの論理は少々粗っぽい気もする。
 根底には、競争を促すのが良い財産であり独占を促すのが悪い財産、という考え方で、特許権や著作権は後者であるという。著者たちはアイディアのコピーを禁止することについては肯定的あるが、特許権のようなアイディアそのものの保護は(2)そのものであるからダメだ、と主張する。
 特許プールは、無用な争いを抑制する代わりに、新参者を除外する障壁として機能する(のでやっぱりイノベーションを阻害する)、防衛目的・クロスライセンス目的の無駄な特許を抱え込むことで相互確証破壊的な状況が生じている、といった問題点も指摘している。
 著者たちは知的財産制度の廃止を提案している。
 知的財産制度には百害あって一利なし、といっているわけではない。そこそこの保護は望ましいかもしれないが、それを鑑みたとしても全面廃止に専念する方が有用である(廃止にはマイナスもあると思うけど、トータルでは廃止の方が断然いい)、という立場のようである。特許のない時代でもイノベーションはあったし、むしろ、過度に独占的保護を与えて既得権に安住させるよりは、どんどん次の発明をしなきゃ、と促す方がいい、という。
 現在の知財制度には欠点が多いことは確かで、パワーゲームの側面がある。資本に劣るイノベーターを守るという面はあることはあるけれども、資本力のある大企業の方が制度を活用しやすい。知恵+金=人工参入障壁という法制度だが、知恵(優秀な人材や設備)は金で買える。その一方、パテントトロールに制度を悪用されやすいという脆さもある。
 利用技術の発展を阻害するというのなら、利用技術の多い基礎技術の保護レベルを下げていくとか、差止請求権よりも金銭的補償を中心としたかたちに調整していくとか、「現行制度維持」と「完全廃止」の間のどこかに最適制度設計があるのではないか。特許制度の一番のメリットは、技術内容(事業化されるとは限らない原石的なアイディア)を一応は統一フォーマットで公開し、かつ、一元的に分類管理できるということではないかと思う。現在の知財制度の欠陥や問題点、知財制度のメリットと副作用、知財制度の理想と現実の乖離などを改めて考えさせられてくれる本であることは確かである。特許制度を廃止せよ、という主張は実は「釣り」で、あえて議論を巻き起こすためにこういう論陣を張っているのかもしれない。
 ついでに、著作権制度も強力になってきているが、ネット時代に合わなくなってきているのも確かである。悪名高いのがミッキーマウスだが、著作権制度をなしにして「ミッキーマウス」というキャラクタの改変やパロティを自由に認めることが「ミッキーマウス」というブランド資産(もはや文化資産?)を守る上で問題にならないのか・・・でもいまの著作権制度のままでいいとも思えない。このあたりも知的財産制度の難しいところだと思う。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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