今回のテーマである「国家戦略」は従来の著作でも何回となく言及されていますが、急速に変化する環境(技術や他国の目論見)も含めて、総合的に記述されています。RFIDや通信企業の分割後の状況など、一般新聞では報道が途絶えがちな内容が具体的に記されていて、その後の経緯を知ると知らないとでは受ける印象ですら雲泥の差だと改めて実感します。
TRON普及に尽力されているだけあって、世界レベルでのスタンダード策定にまつわる折衝関連部分は、開発者自身がタフネゴシエーターであることの必要性が、きれい事だけでは済まない脂ぎった雰囲気を醸し出しつつワイルドに語られています。
ただ、教育等に関する3章で、法治国家として大量の法整備を急いだ明治元勲らのビジョンの正しさ云々に記述については釈然としません。江戸時代でも識字率は低くなく、古くから律令制の歴史もあり、法整備を急拡大させても、国民が順応できた結果であって、当時の元勲らがそこまでのビジョンを練っていたかは疑問に思います。
明治は廃仏毀釈の例もあり、技術、法律のみならず、文化等まで幅広くカバーした国家戦略が本当にあったのか? 他の章に比べても論調がかなり粗く感じられましたので、☆1つマイナスとしました。
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グローバルスタンダードと国家戦略 日本の〈現代〉09 単行本 – 2005/10/25
坂村 健
(著)
欧米がつくりあげたものをいち早く取り入れたり、使ったりすること」がグローバルスタンダード戦略だと勘違いしている人たちがいる。
これは正しくは「自分たちの技術をグローバルなスタンダードにするにはどうするか」という文脈で使う言葉なのである。
しかし、グローバルスタンダードを獲得するのは、簡単ではない。言葉の壁、地理的な問題、会社の体制の問題、さまざまな問題がある。
しかし、一番の問題は、日本に「国家戦略」がないことである。世界に挑んできた、現在も挑み続けている坂村健が、初めてグローバルスタンダード論を語る!
これは正しくは「自分たちの技術をグローバルなスタンダードにするにはどうするか」という文脈で使う言葉なのである。
しかし、グローバルスタンダードを獲得するのは、簡単ではない。言葉の壁、地理的な問題、会社の体制の問題、さまざまな問題がある。
しかし、一番の問題は、日本に「国家戦略」がないことである。世界に挑んできた、現在も挑み続けている坂村健が、初めてグローバルスタンダード論を語る!
- ISBN-104757141009
- ISBN-13978-4757141001
- 出版社NTT出版
- 発売日2005/10/25
- 言語日本語
- 本の長さ272ページ
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商品の説明
メディア掲載レビューほか
グローバルスタンダードと国家戦略
約25年間にわたりTRONプロジェクトを指揮し、日米の開発競争の最前線に身を置いてきた著者が、技術の普及と標準化に関して持論を展開する。膨大な軍事予算を背景に産業を育成し、標準化の主導権を確保する米国。優れた要素技術を生みながらも国家戦略に欠け、米国標準に追随し続ける日本。パソコンや電子会議といった過去の例を挙げながら、両者の違いを分析し、これからの日本が取るべき道を説く。無線ICタグについては、欧米の標準化団体の動向を詳説している。
約25年間にわたりTRONプロジェクトを指揮し、日米の開発競争の最前線に身を置いてきた著者が、技術の普及と標準化に関して持論を展開する。膨大な軍事予算を背景に産業を育成し、標準化の主導権を確保する米国。優れた要素技術を生みながらも国家戦略に欠け、米国標準に追随し続ける日本。パソコンや電子会議といった過去の例を挙げながら、両者の違いを分析し、これからの日本が取るべき道を説く。無線ICタグについては、欧米の標準化団体の動向を詳説している。
(日経コンピュータ 2006/01/09 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
-- 日経BP企画
登録情報
- 出版社 : NTT出版 (2005/10/25)
- 発売日 : 2005/10/25
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 272ページ
- ISBN-10 : 4757141009
- ISBN-13 : 978-4757141001
- Amazon 売れ筋ランキング: - 779,785位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 98位工業規格
- - 5,718位外交・国際関係 (本)
- - 6,152位社会一般関連書籍
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2005年12月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2008年8月31日に日本でレビュー済み
国際戦略として、標準をどうとらえるかが良く分からなかった。
デファクトになろうとしているのか、デジュールをめざすのか。
両方天秤にかけながら、均衡を取るという方法もある。
参考文献は、RFIDに関して以外は技術文書の参照がない。
標題はRFIDのグローバルスタンダードの方がよかったかもしれない。
現在の標題なら、「標準の哲学」を参考文献にあげるとよかったかもしれない。
坂村健氏の考え方は分かるが、国際標準化について、技術的な視点での発言を期待する。
ps.
技術的な記述の疑問点を記載する。
「IPv6になるとモバイルIPといって移動する機器を対象に通信することができるようになるが」とあるが、モバイルIPはIPv4の技術である。
デファクトになろうとしているのか、デジュールをめざすのか。
両方天秤にかけながら、均衡を取るという方法もある。
参考文献は、RFIDに関して以外は技術文書の参照がない。
標題はRFIDのグローバルスタンダードの方がよかったかもしれない。
現在の標題なら、「標準の哲学」を参考文献にあげるとよかったかもしれない。
坂村健氏の考え方は分かるが、国際標準化について、技術的な視点での発言を期待する。
ps.
技術的な記述の疑問点を記載する。
「IPv6になるとモバイルIPといって移動する機器を対象に通信することができるようになるが」とあるが、モバイルIPはIPv4の技術である。
2005年12月29日に日本でレビュー済み
「グローバルスタンダードと国家戦略」というタイトルにふさわしい内容も含まれているが、印象に残ったのは誰もが曖昧に使っている「ユビキタスコンピューティング」を「状況の認識」として明確に定義し、さらにそれを具現化するためのユーコード(ucode)の意義を事例を交えて具体的に説明している点である。
ユビキタスコンピューティングでコアビジネスを展開しようとする人にとっては必読の書であると思う。
星4つにした点は、目次にないトロン、RFID、ユビキタス・コミュニケータ、ユビキタスIDセンターなどのタイトルと異なるテーマの主張が多いことと、文章がこなれていない箇所が散見されたためである。
ユビキタスコンピューティングでコアビジネスを展開しようとする人にとっては必読の書であると思う。
星4つにした点は、目次にないトロン、RFID、ユビキタス・コミュニケータ、ユビキタスIDセンターなどのタイトルと異なるテーマの主張が多いことと、文章がこなれていない箇所が散見されたためである。
2005年11月29日に日本でレビュー済み
TRONというコンピューターのシステム概念を作り上げた事で有名な研究者が、自ら世界の第一線で自力で開発した企画を普及させる過程においての体験を時系列でまとめ、日本としてどのように標準化を戦略として取り扱うべきかをまとめた提案書。専門用語は多いが、解説が多くて読みやすい。
グローバルスタンダードという言葉を語る前に、是非一度目を通すべき本である事には間違いがない。日本でも数少ない、国際標準化の最前線で戦ってきた人間の言葉だけあって、話す内容が事実に即していて非常に説得力がある。
グローバルスタンダードという言葉を語る前に、是非一度目を通すべき本である事には間違いがない。日本でも数少ない、国際標準化の最前線で戦ってきた人間の言葉だけあって、話す内容が事実に即していて非常に説得力がある。