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大学の反省 (日本の〈現代〉11) 単行本 – 2009/4/10
猪木 武徳
(著)
この複雑な時代に、「教養の伝達」の場となる大学の役割とは何か? 本書で著者が試みたのは、「難問山積といわれ、若い人たちが魅力を感じなくなってきている日本の大学の現状に、反省をこめて対応しようとするときの、一つの指針を探ること」である。長年にわたり大学教育の場に身をおいてきた著者が、日本の高等教育と研究活動が孕む問題を縦横無尽に論じ、大学のあるべき姿とは何かを真摯に考える。大学関係者、必読の書。
- 本の長さ328ページ
- 言語日本語
- 出版社NTT出版
- 発売日2009/4/10
- ISBN-104757141025
- ISBN-13978-4757141025
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商品の説明
著者について
1945年生まれ。国際日本文化研究センター所長。
著書に『経済思想』(岩波書店、サントリー学芸賞、日経・経済図書文化賞)、『自由と秩序』(中央公論新社、読売・吉野作造賞)、『文芸にあらわれた日本の近代』(有斐閣)など多数あり。
著書に『経済思想』(岩波書店、サントリー学芸賞、日経・経済図書文化賞)、『自由と秩序』(中央公論新社、読売・吉野作造賞)、『文芸にあらわれた日本の近代』(有斐閣)など多数あり。
登録情報
- 出版社 : NTT出版 (2009/4/10)
- 発売日 : 2009/4/10
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 328ページ
- ISBN-10 : 4757141025
- ISBN-13 : 978-4757141025
- Amazon 売れ筋ランキング: - 683,503位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 50,549位教育・学参・受験 (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2009年5月5日に日本でレビュー済み
日本を代表する労働経済学者で、現在は日文研(国際日本文化研究所)所長を務める猪木氏の「日本の大学」の現状を分析し、国際的にかつ精確に比較・評価した1冊。
著者は京大・東大で日本の教育を受け、博士号をMITで取得し、その後日本の経済学研究のメッカ阪大で教鞭を執り、現在は上記研究所長にある関係で、世界のさまざまな機関でも教壇に立ち、学生の反応なども精確に比較できる立場にあり、現実を精確にとらえる一方で、自らの労働経済学と高等教育論の交差する地点で論点を立てているので、全く無駄のない議論である。「消える大学・残る大学」の諸星の立場とは異なるが、猪木は欧米とアジアの両方での経験もあり、日本の高等教育がおかれている現状を精確に描き出している。その一方で、福沢諭吉の文明論と教育論をも踏まえて、近代日本百年の歴史的・思想史的意義をも絶えず参照しており、視野の広い議論でバランスが取れている。
特に日本における学歴が、ホワイト・カラーの業種では世界的に低い位置である一方、理系の博士号取得者で渡米して就職している人口の73%がアメリカでの処遇に満足している現実など、明らかに日本の労働市場の歪さを指摘するなど、日本の高等教育がおかれている問題点を開放的に分析している。大学関係者は一読すべき好著である。
著者は京大・東大で日本の教育を受け、博士号をMITで取得し、その後日本の経済学研究のメッカ阪大で教鞭を執り、現在は上記研究所長にある関係で、世界のさまざまな機関でも教壇に立ち、学生の反応なども精確に比較できる立場にあり、現実を精確にとらえる一方で、自らの労働経済学と高等教育論の交差する地点で論点を立てているので、全く無駄のない議論である。「消える大学・残る大学」の諸星の立場とは異なるが、猪木は欧米とアジアの両方での経験もあり、日本の高等教育がおかれている現状を精確に描き出している。その一方で、福沢諭吉の文明論と教育論をも踏まえて、近代日本百年の歴史的・思想史的意義をも絶えず参照しており、視野の広い議論でバランスが取れている。
特に日本における学歴が、ホワイト・カラーの業種では世界的に低い位置である一方、理系の博士号取得者で渡米して就職している人口の73%がアメリカでの処遇に満足している現実など、明らかに日本の労働市場の歪さを指摘するなど、日本の高等教育がおかれている問題点を開放的に分析している。大学関係者は一読すべき好著である。
2018年8月14日に日本でレビュー済み
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現在、失われつつある教養教育とは如何なるものなのか、どうあるべきなのか、を問うている。実学や実証化が横行する中で本来有るべき姿の大学とはなんなのかを問うている
2013年9月18日に日本でレビュー済み
同じ著者の『経済学に何ができるか』と同様、内容は非常に豊富で、理念に関するそもそも論が多く、歴史的経緯を非常に重視している本です。あまりに話題が豊富で、たとえば大学というコンセプトの成立した歴史から現代のポスドク問題・ロースクール問題まで多岐にわたるため、結局何が書いてあったのか思い出すのも一苦労という感じです。
著者の提言としては「私学助成の拡大」や「教養教育の復活」などがメインです。“仕事に直接結びつくような専門職教育も大事かもしれないが、教養教育はもっと大事だ”というのが著者のスタンスで、古典に学ぶことの重要性を何度も強調しています。読んだ感想を3つほど。
● まず、将来の日本を担い、政治的・技術的に困難な課題にグローバルに取り組むような人材は、今も昔もひとにぎりのはずです。日本中の大学でキケロやマキャベリを読むような教養教育をやっても、正直無駄だと思います。それよりは手に職をつけてあげた方がいい。
● この著者としてはグローバルに日本の国益を考えて行動できるような人間をもっと育てねばという危機感があるようですが、それはハッキリ言って難しいと思います。なぜなら日本には外国人がいないからです。ヨーロッパで、鉄道に乗って隣の国にすぐいける、人種のるつぼのような環境で育った人たちと同じ国際感覚を持つことなどできるわけがありません。これは地理的に仕方のないことだと思います。結局、日本は島国なんです。
● そもそも教養の意義が明快に伝わらなかったです。たとえばこの本ではアメリカの大学での教養教育がたびたび賞賛されますが、ではアメリカがすっごくいい国かというと私にはそうも思えない。よく戦争するし、人種差別はあるし、貧富の差なんて日本どころの話じゃない。日本がアメリカみたいになったらどうするの?と思ってしまう。伊藤博文は漢詩の素養があったと著者がほめるのもよくわからない。植民地拡大主義に異を唱えた、本当の知性があった知識人は当時ほかにいくらでもいたと思うのに、なぜ伊藤博文なのか。
以上の点を考慮して星をひとつ減らさせて頂きました。
でもこの本を読んで初めて知った事実も多かったので、読む価値はすごくある本だと思います。
著者の提言としては「私学助成の拡大」や「教養教育の復活」などがメインです。“仕事に直接結びつくような専門職教育も大事かもしれないが、教養教育はもっと大事だ”というのが著者のスタンスで、古典に学ぶことの重要性を何度も強調しています。読んだ感想を3つほど。
● まず、将来の日本を担い、政治的・技術的に困難な課題にグローバルに取り組むような人材は、今も昔もひとにぎりのはずです。日本中の大学でキケロやマキャベリを読むような教養教育をやっても、正直無駄だと思います。それよりは手に職をつけてあげた方がいい。
● この著者としてはグローバルに日本の国益を考えて行動できるような人間をもっと育てねばという危機感があるようですが、それはハッキリ言って難しいと思います。なぜなら日本には外国人がいないからです。ヨーロッパで、鉄道に乗って隣の国にすぐいける、人種のるつぼのような環境で育った人たちと同じ国際感覚を持つことなどできるわけがありません。これは地理的に仕方のないことだと思います。結局、日本は島国なんです。
● そもそも教養の意義が明快に伝わらなかったです。たとえばこの本ではアメリカの大学での教養教育がたびたび賞賛されますが、ではアメリカがすっごくいい国かというと私にはそうも思えない。よく戦争するし、人種差別はあるし、貧富の差なんて日本どころの話じゃない。日本がアメリカみたいになったらどうするの?と思ってしまう。伊藤博文は漢詩の素養があったと著者がほめるのもよくわからない。植民地拡大主義に異を唱えた、本当の知性があった知識人は当時ほかにいくらでもいたと思うのに、なぜ伊藤博文なのか。
以上の点を考慮して星をひとつ減らさせて頂きました。
でもこの本を読んで初めて知った事実も多かったので、読む価値はすごくある本だと思います。
2013年1月12日に日本でレビュー済み
全体に良くまとまっていて、国際比較のデータなどは参考なります.センター入試や教養部が無くなった時から変ってきたのでしょう.成果(数値的な)を求めることは、大学だけでなく、一般の企業においても当たり前になってきています.その面で、大学だけの状況ではない、企業や官公庁での状況もふまえての比較も欲しかったですね.
大学の先生や大学向けの教科書を作っている出版社の人とよく話すことがあるのですが、状況は悪くなっているかな.
大学の先生や大学向けの教科書を作っている出版社の人とよく話すことがあるのですが、状況は悪くなっているかな.