◆米の一粒は千倍になる
稲は一粒の籾から千粒以上の米ができる。これほどの食用植物は他にはない。
稲作は古代に伝来した時から、用排水の高度な技術があった。農業技術者が道具を持って大挙して渡来したことだろう。水田は水源である川に堰を作り、水路を作り、土地を平らにして、畦を築いて、水を張る。村が共同で行う組織的な土木事業である。
◆風景は文化である
日本は縄文時代から木を植えてきた。戦中、戦後の日本中の山はハゲ山だらけだった。山村の人達が苗木を植えていったおかげで、急な山でも今は緑に覆われている。
日本の森林は森と共に生きてきた人々の歴史である。日本列島の風景は労働の結果である。
風景は、人々の労働や日々の生活の営み、思いがかかわっている歴史の産物である。風景は文化であり、読むものである。この風景はなぜここにあるのか？ なぜこうなったのか？ を考えて見る。
◆水の原点は森林である
森林は山村の人達が木を植え育てた労働の結果でできる→森林は水を養い、川の水を作る→地下水となって下流に湧き出る→都市の水道となる。
水道料金には水そのものの値段は含まれていない。ダムで水を堰とめ浄化して配管する費用だけ。水の生産者である山村には代価が払われていない。
◆森林の危機
植えた木が収入となるのは孫の代までかかる。山村では農業の合間に、山に入っていた。つまり農業が成り立たないと林業も衰退する。こうして山村は過疎となり後継者がいない状態が何十年も続いている。
森林は市街化調整区域なので、農地と違って相続税が容赦なくかかる。制限があるので、高層ビルなど建てられず、相続できなくなる。その買い手は産廃業者ぐらいしかない。
山が荒れると水害が起こる。
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