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火の賜物―ヒトは料理で進化した 単行本 – 2010/3/26
リチャード・ランガム
(著),
依田 卓巳
(翻訳)
われわれは、いかにして人間となったのか?
人類の起源をめぐる、壮大な文明史
人類が滅亡せずにすんだのも、小顔で八頭身になれたのも、
みんな料理のおかげだったのか!(荒俣宏氏 推薦)
「火」と「料理」こそがヒトの脳を大きくさせ、女性の役割を変えた!
今まで語られなかった人類進化の新しい世界 (久保田競氏 推薦)
人類の起源をめぐる、壮大な文明史
人類が滅亡せずにすんだのも、小顔で八頭身になれたのも、
みんな料理のおかげだったのか!(荒俣宏氏 推薦)
「火」と「料理」こそがヒトの脳を大きくさせ、女性の役割を変えた!
今まで語られなかった人類進化の新しい世界 (久保田競氏 推薦)
- 本の長さ262ページ
- 言語日本語
- 出版社NTT出版
- 発売日2010/3/26
- 寸法13.7 x 2.3 x 19.7 cm
- ISBN-10475716047X
- ISBN-13978-4757160477
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商品の説明
著者について
【著者紹介】
リチャード・ランガム(Richard Wrangham)
ハーヴァード大学生物人類学教授、ピーボディ博物館霊長類行動生物学主幹、ウガンダの
キバレ・チンパンジー・プロジェクト理事。共著書に『男の凶暴性はどこからきたか』(三
田出版会)があり、Primate Societies(霊長類社会)、Chimpanzee Cultures(チンパンジ
ーの文化)、Science and Conservation inAfrican Forests(アフリカの森林の科学と保護)、
Sexual Coercion in Primates(霊長類の性的抑圧)の共同編集者。ナショナル・パブリッ
ク・ラジオ、ボストン・グローブ紙、ニュー・サイエンティスト誌、サイエン ティフィッ
ク・アメリカン誌などの特集にも登場している。マサチュー セッツ州ケンブリッジ在住。
【訳者紹介】
依田卓巳(よだ・たくみ)
翻訳家。おもな翻訳書に『1分間セルフ・リーダーシップ』、『バズ・マーケティング』、『ザ・
コピーライティング』(いずれも、ダイヤモンド社)、『ビル・ゲイツ北京に立つ』(日本経
済新聞社)、『響き合うリーダーシッ プ』(海と月社)、『ワーク・モティベーション』(NT
T出版)など多数。また、加賀山卓朗名義で『最高のリーダー、マネジャーがいつも考え
ているたったひとつのこと』、『最高の成果を生み出す 6つのステップ』などの翻訳もある。
リチャード・ランガム(Richard Wrangham)
ハーヴァード大学生物人類学教授、ピーボディ博物館霊長類行動生物学主幹、ウガンダの
キバレ・チンパンジー・プロジェクト理事。共著書に『男の凶暴性はどこからきたか』(三
田出版会)があり、Primate Societies(霊長類社会)、Chimpanzee Cultures(チンパンジ
ーの文化)、Science and Conservation inAfrican Forests(アフリカの森林の科学と保護)、
Sexual Coercion in Primates(霊長類の性的抑圧)の共同編集者。ナショナル・パブリッ
ク・ラジオ、ボストン・グローブ紙、ニュー・サイエンティスト誌、サイエン ティフィッ
ク・アメリカン誌などの特集にも登場している。マサチュー セッツ州ケンブリッジ在住。
【訳者紹介】
依田卓巳(よだ・たくみ)
翻訳家。おもな翻訳書に『1分間セルフ・リーダーシップ』、『バズ・マーケティング』、『ザ・
コピーライティング』(いずれも、ダイヤモンド社)、『ビル・ゲイツ北京に立つ』(日本経
済新聞社)、『響き合うリーダーシッ プ』(海と月社)、『ワーク・モティベーション』(NT
T出版)など多数。また、加賀山卓朗名義で『最高のリーダー、マネジャーがいつも考え
ているたったひとつのこと』、『最高の成果を生み出す 6つのステップ』などの翻訳もある。
登録情報
- 出版社 : NTT出版 (2010/3/26)
- 発売日 : 2010/3/26
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 262ページ
- ISBN-10 : 475716047X
- ISBN-13 : 978-4757160477
- 寸法 : 13.7 x 2.3 x 19.7 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 491,678位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2021年4月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
人類の進化と食の関わりを明確に提言する名著
2012年1月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「ヒトが火を使ったのではなく、火を使うことでヒトが作られた。」という仮説を様々な角度から検証した力作。
ヒトと類人猿の違い つまり
1 大きな脳と退化した消化器官
2 類人猿には存在しない家族間の食物の分かち合い、男女の分業
3 木登りには向かないが長距離の移動に適した大きな体と体毛の減少
これらの変化のすべてが火の使用と結びつけて語られる。
1
ヒトが大きな脳を獲得した要因として、「群れで生きるために高度な知性が必要とされたこと」があげられるが、群れを作る霊長類のすべてが賢くなったわけではない。賢くなった霊長類は消化器官が小さくなっている。ヒトに限らず、消化に使うエネルギーを脳へ向けることによって、霊長類の脳は大型化する。だから、脳の大型化には食事法の変化がともなっている。そこで肉食があげられるのだが、ヒトの消化器官の変化を肉食だけで説明することはできない。ヒトは肉食動物と違って肉だけ食べて生きてはいけない。ヒトの脳の大型化は、料理によって消化されやすく高エネルギー化した食事によっているのだ。
2
生のものを食べるチンパンジーは1日6時間を咀嚼に費やし、それだけ噛んでも消化に時間がかかるために、食後の休息を必要とする。したがって、成功するかどうかがわからない狩りなどに時間を費やすことはできない。狩猟採集民の男性は、家に帰れば料理された食事を保証されているために、存分に狩りができる。さらに料理された食事は高カロリーで咀嚼の手間が省けるため、争ってでも奪いたい貴重品であり、女性は体力に劣るためにその貴重品を守れない。ここに女性が料理を作り、男性がそれを守るという男女の分業が成立する。
3
火によって暖が取れるようになったために体毛が薄くなり、長時間運動しても体温が上がりすぎてしまうことがなくなったし、捕食者から身を守れるようになったために、樹上で寝る必要がなくなり、体が大型化した。
感想
最近、ベジタリアンになって、ローフードにも興味を持ったため、料理された食物がヒトを作ったという本書の主張に興味を抱いて読み始めた。本書の主張は十分に納得できるもので、ローフードを試す気はなくなった。ローフード推進派の旗印になっているイヌイットの生食文化の報告が、本書が指摘するように誇張されたものであるなら、怪しげな酵素などを持ち出すローフード派の主張に見るべきものは見当たらない。だからローフードに関する本を読む気もなくなった。
ダーウインは「料理は、言語を除けば人類が生み出した最大の発明である。」と主張したようだが、ヒトと動物を隔てたのは料理だった。料理は言語に匹敵するくらい素晴らしい発明だったという主張は新鮮で、興味深いものであった。
ヒトと類人猿の違い つまり
1 大きな脳と退化した消化器官
2 類人猿には存在しない家族間の食物の分かち合い、男女の分業
3 木登りには向かないが長距離の移動に適した大きな体と体毛の減少
これらの変化のすべてが火の使用と結びつけて語られる。
1
ヒトが大きな脳を獲得した要因として、「群れで生きるために高度な知性が必要とされたこと」があげられるが、群れを作る霊長類のすべてが賢くなったわけではない。賢くなった霊長類は消化器官が小さくなっている。ヒトに限らず、消化に使うエネルギーを脳へ向けることによって、霊長類の脳は大型化する。だから、脳の大型化には食事法の変化がともなっている。そこで肉食があげられるのだが、ヒトの消化器官の変化を肉食だけで説明することはできない。ヒトは肉食動物と違って肉だけ食べて生きてはいけない。ヒトの脳の大型化は、料理によって消化されやすく高エネルギー化した食事によっているのだ。
2
生のものを食べるチンパンジーは1日6時間を咀嚼に費やし、それだけ噛んでも消化に時間がかかるために、食後の休息を必要とする。したがって、成功するかどうかがわからない狩りなどに時間を費やすことはできない。狩猟採集民の男性は、家に帰れば料理された食事を保証されているために、存分に狩りができる。さらに料理された食事は高カロリーで咀嚼の手間が省けるため、争ってでも奪いたい貴重品であり、女性は体力に劣るためにその貴重品を守れない。ここに女性が料理を作り、男性がそれを守るという男女の分業が成立する。
3
火によって暖が取れるようになったために体毛が薄くなり、長時間運動しても体温が上がりすぎてしまうことがなくなったし、捕食者から身を守れるようになったために、樹上で寝る必要がなくなり、体が大型化した。
感想
最近、ベジタリアンになって、ローフードにも興味を持ったため、料理された食物がヒトを作ったという本書の主張に興味を抱いて読み始めた。本書の主張は十分に納得できるもので、ローフードを試す気はなくなった。ローフード推進派の旗印になっているイヌイットの生食文化の報告が、本書が指摘するように誇張されたものであるなら、怪しげな酵素などを持ち出すローフード派の主張に見るべきものは見当たらない。だからローフードに関する本を読む気もなくなった。
ダーウインは「料理は、言語を除けば人類が生み出した最大の発明である。」と主張したようだが、ヒトと動物を隔てたのは料理だった。料理は言語に匹敵するくらい素晴らしい発明だったという主張は新鮮で、興味深いものであった。
2021年7月4日に日本でレビュー済み
本書は、進化(知能の獲得)の結果として生じたものと見られ、それ自体の意義はあまり深められていなかった「火」、特に「料理」の進化における意義にフォーカスした本である。
本書のメッセージはシンプルであり、火と料理の獲得が、人類の進化、特に大きな脳の発達を促したというものである。
まず生食だと圧倒的な消化コストがかかること、火を通し、あるいは加工する(柔らかくするなどの物理的な加工も含む)ことで消化に必要なエネルギーが大幅に節約できることを概観する。
消化に使うエネルギーが節約できれば、その分のエネルギーを他の場所、人類ならば脳、に回すことができるようになる。実際、消化器官の小ささや顎や歯などの噛む能力の低下、その他いくつかの消化酵素を失っていること(人間にとっては毒だがチンパンジーにとってはそうではない植物はわりとある)などはすべてエネルギー節約につながる。
さらに、食事に大半の時間を費やす類人猿と異なり、料理をすると食事は短時間で終わらせられるので、分業して長時間の狩りに出るなどの体制もとることができるようになる。
そして人類の進化史を振り返り、180万年ほど前のハビリスからホモ・エレクトスへの進化において料理が獲得されたのではないかと論じている。
著者は人類学者なので、現代のいろいろな民族の料理事情、特に火を用いるか否か、が紹介されている。
ただしこれと180万年前の人類を結び付けるのはやや難しく、しっかり論証するというよりはストーリーを提示しているという面が強い本だと思う。
その意味ではまだ仮説段階と言えるが、非常に刺激的な仮説であり、さらなる検討が期待される。
本そのものは平易で読みやすく、それほど長くもないので、興味のある人には気軽に勧められる一冊だと思う。
本書のメッセージはシンプルであり、火と料理の獲得が、人類の進化、特に大きな脳の発達を促したというものである。
まず生食だと圧倒的な消化コストがかかること、火を通し、あるいは加工する(柔らかくするなどの物理的な加工も含む)ことで消化に必要なエネルギーが大幅に節約できることを概観する。
消化に使うエネルギーが節約できれば、その分のエネルギーを他の場所、人類ならば脳、に回すことができるようになる。実際、消化器官の小ささや顎や歯などの噛む能力の低下、その他いくつかの消化酵素を失っていること(人間にとっては毒だがチンパンジーにとってはそうではない植物はわりとある)などはすべてエネルギー節約につながる。
さらに、食事に大半の時間を費やす類人猿と異なり、料理をすると食事は短時間で終わらせられるので、分業して長時間の狩りに出るなどの体制もとることができるようになる。
そして人類の進化史を振り返り、180万年ほど前のハビリスからホモ・エレクトスへの進化において料理が獲得されたのではないかと論じている。
著者は人類学者なので、現代のいろいろな民族の料理事情、特に火を用いるか否か、が紹介されている。
ただしこれと180万年前の人類を結び付けるのはやや難しく、しっかり論証するというよりはストーリーを提示しているという面が強い本だと思う。
その意味ではまだ仮説段階と言えるが、非常に刺激的な仮説であり、さらなる検討が期待される。
本そのものは平易で読みやすく、それほど長くもないので、興味のある人には気軽に勧められる一冊だと思う。
2010年7月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ヒトの脳はなぜここまで大きく発達したのか。その秘密は、消化という作業を料理によって一部「外部委託」できたことにあった。肉であれ野菜であれ卵であれ、生のものを消化するのは非常にエネルギーのかかる作業である。しかし、火を用いることによって、その負担が大幅に削減できるだけでなく、含まれる栄養素の利用効率も格段に上がるらしい。それによって、ヒトの消化器官は小さくコンパクトで済むようになり、余ったエネルギーが脳の発達に振り向けられ、脳自身もまた、贅沢にもその活動に大量のエネルギーを利用することができるようになったというのだ。
ヒトは十分に進化しきってから料理を編み出したと思いがちだが、実際には料理を前提とした身体に進化してきたというのは意外である。事実、人間は唯一、生食では健康に生きていけない生命体のようだ。また、男は狩猟、女は料理という役割分担が幅広い原始的部族に見られる理由も、料理にかかるコストとリスクを考えれば当然の帰結だったらしい。考古学、人類学、生物学、栄養学など、引き合いに出される分野も文理に渡って幅広く、栄養や消化に関する研究史としても興味深い一冊である。
で、ここからは本書ではあまり触れられていない点だが、文明人は、ヒトを進化させたこうした諸々の要素とどう向き合うべきかを考えるべき段階にきているのではないか。例えば、エネルギーの利用効率を高めることがヒトの進化につながったとはいえ、我々文明人はその効率を高めすぎたことの弊害に悩んでいる。脂肪の過度な蓄積と、咀嚼力の低下による脳機能の衰えがその一例だ。また、調理技術やさまざまサービスの発達によって、料理にかかるコストとリスクが軽減されたため、原始時代の様な男女の役割分担は必ずしも社会と家庭の最適解とは言えなくなってきた。いまさら原始時代の生活や文化に戻ることはできないし、その必要もないが、議論の前提や出発点として、本書の示すストーリーは押さえておくべきだろう。
ヒトは十分に進化しきってから料理を編み出したと思いがちだが、実際には料理を前提とした身体に進化してきたというのは意外である。事実、人間は唯一、生食では健康に生きていけない生命体のようだ。また、男は狩猟、女は料理という役割分担が幅広い原始的部族に見られる理由も、料理にかかるコストとリスクを考えれば当然の帰結だったらしい。考古学、人類学、生物学、栄養学など、引き合いに出される分野も文理に渡って幅広く、栄養や消化に関する研究史としても興味深い一冊である。
で、ここからは本書ではあまり触れられていない点だが、文明人は、ヒトを進化させたこうした諸々の要素とどう向き合うべきかを考えるべき段階にきているのではないか。例えば、エネルギーの利用効率を高めることがヒトの進化につながったとはいえ、我々文明人はその効率を高めすぎたことの弊害に悩んでいる。脂肪の過度な蓄積と、咀嚼力の低下による脳機能の衰えがその一例だ。また、調理技術やさまざまサービスの発達によって、料理にかかるコストとリスクが軽減されたため、原始時代の様な男女の役割分担は必ずしも社会と家庭の最適解とは言えなくなってきた。いまさら原始時代の生活や文化に戻ることはできないし、その必要もないが、議論の前提や出発点として、本書の示すストーリーは押さえておくべきだろう。
2011年7月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
新聞の書評を見て、おもしろそうと思って、中も見ずに注文しましたが、しろうとの読むものではありませんでした。というか、私には火を通さない生肉同様、消化しきれませんでした。
膨大な注と、延々と十数ページにわたる引用文献リスト。学者らしいというか、米国人らしいというか、ひとつの説を書くのに、傍証を並べ立てて、とにかくしつこい。火を使って料理するから私たちは、サルや他のほ乳類のように大きな口やするどい牙などなくても、食べ物を短時間で消化し、残った時間をほかのことに振り向けられる。って、こうしつこく傍証を並べ立てて説明してくれなくても、私、知っていたような気がする。
膨大な注と、延々と十数ページにわたる引用文献リスト。学者らしいというか、米国人らしいというか、ひとつの説を書くのに、傍証を並べ立てて、とにかくしつこい。火を使って料理するから私たちは、サルや他のほ乳類のように大きな口やするどい牙などなくても、食べ物を短時間で消化し、残った時間をほかのことに振り向けられる。って、こうしつこく傍証を並べ立てて説明してくれなくても、私、知っていたような気がする。
2018年1月22日に日本でレビュー済み
ある程度の進化人類学の知識に基づいて書かれているので尤もらしく読んでしまうが、肝心の本書特有の仮説の部分が微かな傍証に対して想像を膨らませ過ぎで、推論に推論を重ねる論理の飛躍があまりにも目につく。小説としてはつまらなくはないが、学術研究の域に達していない。
2010年4月26日に日本でレビュー済み
『朝日新聞』『日経新聞』の書評などで話題になっている本。
長谷川眞理子さんの書評にあるように、この本では
「人類進化に火が重要な役割を果たした」と述べているのではなく、
「火の使用によってヒトになった」と述べており、
まさしく、「新たな人類進化論」ともいえるような、壮大な本である。
本の最初の部分では、「火を通さないもの」ばかりたべていると、
体にどのような影響が起きてしまうのか、が紹介されており、
生食の危険性が述べられている。(ヒトや動物での実験を元にしている)
4章からは、人類の起源と火の使用、そして料理の起源等について、
さまざまな調査や文献をもとに、文化人類学的な魅力的なストーリーが
展開される。(狩猟採集民族の話なども、興味深い)
後半では、料理と家族の関係(男女の役割分担のはじまりや、料理が
いかにしてヒトに時間的余裕を与えたか、など)や、料理と脳の関係等
についても解説される。
この本を読んで、個人的に気になったのは、現在、僕たちの食べている
食べ物のカロリーについてである。
食物のカロリー計算というのが、どのように発展してきたのか、という
話が紹介されているが、現在のやりかたでは、大きな限界があることが
よくわかる。
やわらかいものばかり食べていると、太りやすいというのも
自分の食生活を考え直すうえで、非常に勉強になった。
翻訳も非常によみやすくてオススメ。
長谷川眞理子さんの書評にあるように、この本では
「人類進化に火が重要な役割を果たした」と述べているのではなく、
「火の使用によってヒトになった」と述べており、
まさしく、「新たな人類進化論」ともいえるような、壮大な本である。
本の最初の部分では、「火を通さないもの」ばかりたべていると、
体にどのような影響が起きてしまうのか、が紹介されており、
生食の危険性が述べられている。(ヒトや動物での実験を元にしている)
4章からは、人類の起源と火の使用、そして料理の起源等について、
さまざまな調査や文献をもとに、文化人類学的な魅力的なストーリーが
展開される。(狩猟採集民族の話なども、興味深い)
後半では、料理と家族の関係(男女の役割分担のはじまりや、料理が
いかにしてヒトに時間的余裕を与えたか、など)や、料理と脳の関係等
についても解説される。
この本を読んで、個人的に気になったのは、現在、僕たちの食べている
食べ物のカロリーについてである。
食物のカロリー計算というのが、どのように発展してきたのか、という
話が紹介されているが、現在のやりかたでは、大きな限界があることが
よくわかる。
やわらかいものばかり食べていると、太りやすいというのも
自分の食生活を考え直すうえで、非常に勉強になった。
翻訳も非常によみやすくてオススメ。
2014年10月21日に日本でレビュー済み
成毛眞さんが推薦されていたので読んでみた。
かつては人類は進化したから料理をするようになったとされていたが、事実は逆で、現生人類になるまえから火を使って料理をしていた。料理によって食物を食べやすく消化しやすくしたため、効率的にエネルギーを得る事が出来(「チンパンジーはなぜヒトにならなかったか」という本によれば、彼らは一日約6時間、堅い食物の咀嚼に費やす)、顎の筋肉や消化器ではなく脳にエネルギーを使用する事で知能が高まった。
「火」の存在は男女の性差、役割をも規定する。世界のあらゆる民族のほとんどが、男は狩り、女は料理という文化を持つ。男性は女性が火を守り、女性が料理してくれた食事を摂って食べ物さがしに出かける。ある民族は未婚男女が食事をしたら結婚とみなすという。
そして現代人はあまりに柔らかく高エネルギーの食物を食べるせいで、肥満になりやすい・・・
人類がいかに人類になりえたか、火と料理という観点から切り取ったポピュラーサイエンスの好著。
かつては人類は進化したから料理をするようになったとされていたが、事実は逆で、現生人類になるまえから火を使って料理をしていた。料理によって食物を食べやすく消化しやすくしたため、効率的にエネルギーを得る事が出来(「チンパンジーはなぜヒトにならなかったか」という本によれば、彼らは一日約6時間、堅い食物の咀嚼に費やす)、顎の筋肉や消化器ではなく脳にエネルギーを使用する事で知能が高まった。
「火」の存在は男女の性差、役割をも規定する。世界のあらゆる民族のほとんどが、男は狩り、女は料理という文化を持つ。男性は女性が火を守り、女性が料理してくれた食事を摂って食べ物さがしに出かける。ある民族は未婚男女が食事をしたら結婚とみなすという。
そして現代人はあまりに柔らかく高エネルギーの食物を食べるせいで、肥満になりやすい・・・
人類がいかに人類になりえたか、火と料理という観点から切り取ったポピュラーサイエンスの好著。