元々、紙ジャケ再発時に、ライナーノーツに
細切れで掲載されていたメンバー三人のインタビューの完全版。
購入者への特典"OMOYDE"として出されてはいたが、確か、一般発売は無かったはず。
2007年に発売されたときには、即購入し、
今でも、YMOを聴きながら楽しめる珠玉の一冊である。
なんせ三人が時系列で"YMO"を、こと細かに
思い返して、はぐらかすことなく語ったロングインタビューの完全版である。
面白くないはずが無いではないか。
インタビュアーは三人とも、田中雄二氏が務めてあり、三人に対して同じ質問をおこなうだけでなく、ときにマニアックな質問をしたり、当時の実しやかに囁かれてた噂や仮説を紐解いていく内容は、読み物として、十分読み応えがたっぷりである。
なんせ再生直後に出された"コンパクトYMO"では
細野氏の"再生"に関するインタビューと
高橋氏の短い振り返りのインタビューこそ、
掲載されているが、不完全極まりない。
2000年代に入り、癖のある三人が、それぞれフラットな心持ちで、"あの狂騒"を振り返り、語ってくれているのだから、貴重なのである。
その後、また別ユニット名義で、参集することになるが、元々、ビートルズのように個性の強い三人であることを忘れてはいけない。
そんな毒気の多い三人が、勝手に美化したり、自嘲気味になることもなく、淡々と語る内容に
、つい吸い寄せられてしまうのだ。
YMOが、彼等の"若気の至り"や古き良き思い出として風化することもなく、各々がソロのキャリアを差し置いてでも結集、時代とリンクしながら、精力的に活動した必然的なバンドであったことがわかる一冊。
この絶妙のタイミングでこそ、の企画であったと
思わざるを得ない。
真っ白な表紙にエンボス加工された装丁も、
当時は綺麗であったが、何度も読み返すうちに
すっかり、年季が入って味が出て来た。
背表紙も日焼けしてしまっているが、ついつい
引っ張り出してきては、読み耽ってしまう逸品。
かなり専門性の高い質問やコメントも多いが、各ページに注釈も付いているので、初心者の方でも安心。
またさりげなく巻末に添えられた年表、ディスコグラフィー、全曲解説(以前のコメントからの引用)も参考になる。
資料としての価値もさることながら、ついつい何度も読んでいるのにかかわらず、
読み返してしまい、時間が経つのも忘れてしまう名著です。
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Yellow Magic Orchestra 単行本(ソフトカバー) – 2007/1/23
アスペクト
(編集)
- 本の長さ320ページ
- 言語日本語
- 出版社アスペクト
- 発売日2007/1/23
- ISBN-104757210892
- ISBN-13978-4757210899
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登録情報
- 出版社 : アスペクト (2007/1/23)
- 発売日 : 2007/1/23
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 320ページ
- ISBN-10 : 4757210892
- ISBN-13 : 978-4757210899
- Amazon 売れ筋ランキング: - 409,641位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 773位エンターテイメント音楽のJ-POP
- - 18,804位楽譜・スコア・音楽書 (本)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年11月12日に日本でレビュー済み
2007年2月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
一度に語る量としては、ほぼ史上最大規模の本人達へのYMOインタビュー本。こういう類いのものに目を通し続けてこられたファンの人が読めば、まるで入試の答え合わせをしているような気になるに違いない。質問も、分かりに分かった人がこと細かくチェックを入れながら進めていて、本人達が「そうだっけ?」とつまづくことも度々である。
特に新事実が乱出している、というわけではない。本人達も「いや、今考えるとやっぱり若気の至りです」と言い切るかのように、淡々と振り返っている。なかなか今までなかった「細野さん、ウエザー・リポートって知ってます?」的な直球もあり、この辺はインタビュアー自身も多様化してある種の「てらい」が無くなっている。極め尽くされたYMO年表に対応するかのような、詳細な内容である。
ここで少し私見を述べると、本人も少し触れているように当時のアルバム制作は結構状況に流されている。ピタッとコピーやコンセプトにあてはめたのはこれは一重に高橋幸宏氏のコーディネートの成せる技だったのだ。『ソリッド・ステイト』はメタ・ポップだの鮎川誠だの色々な話があるが、これはVP−330(ボコーダー)という楽器が導入されてこれが嬉しくてたまらず全編で使って遊んだというのが本音のような気がしてならない(全曲で使用)。やっぱり新しい玩具は虜になる。理由は何でも後付けだったのだ。YMOとは想像ほど緻密なグループではなかった。しかしまさしく時代とシンクロしてその効果を最大限発揮したに過ぎない。
さて、ここまで喋ってもらえばもう聞くことはそうはない。今はCMでYMO再結成されてもようやく「事件」でなくなってきた。何だかようやくYMOが世間的にも整理されてきたような気がする。30年近くに渡って影響を与えたYMOというグループがモンスター以外の何者でもなかったことは間違いない。
特に新事実が乱出している、というわけではない。本人達も「いや、今考えるとやっぱり若気の至りです」と言い切るかのように、淡々と振り返っている。なかなか今までなかった「細野さん、ウエザー・リポートって知ってます?」的な直球もあり、この辺はインタビュアー自身も多様化してある種の「てらい」が無くなっている。極め尽くされたYMO年表に対応するかのような、詳細な内容である。
ここで少し私見を述べると、本人も少し触れているように当時のアルバム制作は結構状況に流されている。ピタッとコピーやコンセプトにあてはめたのはこれは一重に高橋幸宏氏のコーディネートの成せる技だったのだ。『ソリッド・ステイト』はメタ・ポップだの鮎川誠だの色々な話があるが、これはVP−330(ボコーダー)という楽器が導入されてこれが嬉しくてたまらず全編で使って遊んだというのが本音のような気がしてならない(全曲で使用)。やっぱり新しい玩具は虜になる。理由は何でも後付けだったのだ。YMOとは想像ほど緻密なグループではなかった。しかしまさしく時代とシンクロしてその効果を最大限発揮したに過ぎない。
さて、ここまで喋ってもらえばもう聞くことはそうはない。今はCMでYMO再結成されてもようやく「事件」でなくなってきた。何だかようやくYMOが世間的にも整理されてきたような気がする。30年近くに渡って影響を与えたYMOというグループがモンスター以外の何者でもなかったことは間違いない。
2018年8月7日に日本でレビュー済み
3人のインタビューをまとめた本です。結成から、それぞれのアルバムについて、3人がどのように考えていたかということがわかります。特に、音楽的な背景などが詳しく語られていて、その曲がどのように作られたのかがよくわかって興味深いです。本人が、これほど詳細に語っているものは珍しいと思うので、貴重な記録だと思います。
2007年1月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
アルファのカタログ権利がソニーに移り、YMOのCDが紙ジャケ再発されたときの購入者プレゼントで送ってくれた冊子「OMOYDE」の一般販売版。ホソノさんのインタビューのみ東芝EMIでの再発時に録られたもので99年、他二人は02年の収録でYMOの結成から散開、そして93年の再生を語っている。表紙のエンボス加工がナイス、また本文の語句に注釈がちまちまついている。判も「OMOYDE」より大きく読みやすい。…のだがよく見ると違和感が。本文フォントも装丁も凝っていてセンスがいいように映るけれども、さて本の内容に寄り添っているかどうか、はなはだ疑問だ。80-90年代にはこういった造りの本が結構あった。正直に言って今通用することとは思えないし、発売自体が再三延期されたので余計印象が悪い。まあそれでも買うし巻末の曲解説コメントの寄せ集めにドキドキしてしまうんですけど。
2007年1月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
発売のアナウンスがされていながら延期に延期を繰り返してようやく発売された”OMOYDE”に加筆修正された究極のYMOインタビュー本。インタビュアーは、”電子音楽インジャパン”の田中雄二氏。
聞き手として確かな音楽知識に裏づけされた氏ならではの明瞭な語り口で、各メンバーからうまく本音を引き出しているように思う。
聞き手として確かな音楽知識に裏づけされた氏ならではの明瞭な語り口で、各メンバーからうまく本音を引き出しているように思う。
2007年1月28日に日本でレビュー済み
忌野清志郎のディスク・ガイドが2冊、ほぼ同時期に発売されたのと同じく、YMO関連の書籍ももう一冊発売されています。NICE AGEという書籍ですが、同時期発売になると比較購入になりますが、本書の方をNICE AGEよりお勧め致します。と言いますのも、やはりメンバー自身が当時の事を語る本書の方が当時サポートしていたメンバーのインタビューよりもよりYMOについて、直接的に語られているからです。本書ではメンバー毎に結成から散解までを時間の経過にそってインタビューしてありますし、注釈も的確になされています。しかし単に時間経過をおってメンバーのインタビューを編集した方が読みやすかったのでは?という感はあります。細野氏・坂本氏、そして高橋氏まで読み続けていくには、かなりの労力を要する筈です。余裕がある場合には、NICE AGEを少しずつ途中読みながら・・・でもいいでしょう。まだYMOの呪縛に解き放たれられない、あなたならばどうなさいますか?
2007年3月17日に日本でレビュー済み
過去に再販された際に分割収録されていた各氏へのインタビューを完全収録した懸賞品の「OMOYDE」から数年…市販化をなかなかしなかったのはこの時期を待っていたのかと言わんばかりにCMによる再結成と共に発売されたこの本(前置きが長くなった…)は多少の加筆修正等されているが所詮はプレ品を市販しただけに感じる。かなりのファンならOMOIDEは所有してるだろうし、分割掲載された際のCDだって下手したら持っちゃってるかもしれない。そこへきて、これを買わせようとする大人達…疲れますよ。ア○ファ商法が薄れてきた感があったのにまだここにも(怒)