タイトルの意味を別の角度から読むと、「家族は家という空間がつくる」とも受け取れます。上野千鶴子氏から、『建築家の空間帝国主義』と呼ばれてしまいそうです。(「家族を容れるハコ、家族を超えるハコ」より)
この呼び方は、人と人との交流を左右する基本が、空間であると言う建築家の思い入れを指して名付けたものです。実際の生活では、空間を超えて、テレビや電話、インターネットなどの情報が行き来しています。空間の役割(同じ空間を共有する事)は、低下してきており、建築家の思い入れは、もはや過剰になっているかもしれません。
しかし、人が五感をフルに使って瞬時に大量の情報をやり取りするには、機械を使うより、対面の方が有利と言う状況は、まだしばらく続くでしょう。家族内の交流の大きな部分は、依然として「家の空間」が担っています。家族の成長と共に、家も成長(変化)すると言う、コンセプトは、今後も死語にはならないでしょう。
家族の歴史が家に刻まれ、まるで、家が熟成しいてく物語を見せて下さっているようです。子供向けに易しく書かれた本ではありますが、内容的には、とても奥が深く、家作りを考えている大人が読んでも、とても参考になるはずです。家作りを、人生の長いスパンで考え直すには、とても分かり易い手掛かりになります。
一生に一度と、思いきったローンを組んで建てる家では、一度に夢を叶えたり、ある部分で諦めたりし、後はただただ、ローン返済に追われることになります。著者の紹介する家づくりでは、何度でも夢を描き、その都度実現していきます。どちらが、楽しい人生になるでしょうか? 人生観の問題かもしれませんね。
増築や改造をしていくと、元の部分には無駄になる所が出て、合計すれば、何割も高くなるから、最初から全部作っておけば良いとの考え方もありますが、最初から多額のローンを組んでスタートした場合、返し終わる頃の支払い総額は、借りた額より何割も増えています。
新築後何年も経ってから、本当に必要になったときに、設備が旧式になっていたり、心境が変化している場合もあります。増築や改造を繰り返していくことは、あながち不経済とは言えません。『小さく建てて、家族と共に成長する家』を、もっと評価しても良いと思います。
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家族をつくった家 (くうねるところにすむところ 4) 大型本 – 2005/4/1
芦原 太郎
(著)
- 本の長さ55ページ
- 言語日本語
- 出版社ジェイ・インターナショナル
- 発売日2005/4/1
- ISBN-104757302916
- ISBN-13978-4757302914
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登録情報
- 出版社 : ジェイ・インターナショナル (2005/4/1)
- 発売日 : 2005/4/1
- 言語 : 日本語
- 大型本 : 55ページ
- ISBN-10 : 4757302916
- ISBN-13 : 978-4757302914
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,235,726位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 653位建築家・様式
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