介護などでしばらく離れているうちに完結していて、書籍のEp7９巻とEp8の７、８、９巻が手に入らず。
書店から出版社のスクエニに問い合わせても、直接スクエニにメールで問い合わせても重版未定という返事を返され、入手を諦めていましたが、Kindleを購入したので、電子書籍という形で読むことができました。
原作当時は私がまだ若かったのもあり、縁寿に感情移入し過ぎていて、残酷な真実を見せつけるベルンカステルが憎くて仕方がありませんでした。
数年後の今、漫画という媒体で読み返し、縁寿にとって必要なことだったのだと、やっと気づきました。
絵羽は縁寿を愛していました。
水野英多先生の描写が秀逸で、この９巻では絵羽の縁寿に対する深い愛情が痛い程に伝わってきました。
私が絵羽にも感情移入できる年齢になった上で読み返しているというのもあるかもしれませんが。
絵羽は悪意があって縁寿に真実を語らなかったのではなく、縁寿を愛するが故に彼女を傷つける残酷な真実を語らずに墓まで持っていきました。
けれど、縁寿は実母の霧江の幻想に囚われるが故に、養母の絵羽の愛情に気づけません。
それどころか、登場から一貫して『絵羽こそが諸悪の根元』と憎悪し続けています。
縁寿には、一度霧江の幻想を壊す必要がありました。
霧江の幻想を壊さなければ、彼女は絵羽の深い愛情に気づけないからです。
ミステリーとしての回答はEp7で描かれている通りで、ミステリーとしての真実もここで描かれている通りだとは思うのですが、霧江についてはここで描かれている姿が真実かどうかはあまり重要ではないのだと、やっと気づけました。
大切なのは真実の霧江の姿が悪女なのかどうなのかよりも、
『縁寿が育ての親である絵羽の深い愛情に気づくことができるか』。
……数年越しの再発見でした。
うみねこの主人公は最初から一貫して縁寿だったんですね。
戦人は主人公ですらなく、だから明日夢の姿が全く描写されない。
数年前は戦人が主人公だと思っていたので、明日夢の描写や明日夢と霧江に対する戦人の苦悩などが何故描かれないのか疑問だったのですが、主人公が縁寿なら納得です。
ただ…やはり良い作品であるからこそ、電子書籍ではなく紙媒体、書籍という形で手にしたいです。
2020年現在も、紙媒体の書籍はかなりの高値で取引されています。
需要はあります。
Ep8も含めて重版されることを強く望みます。
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