表題作は、ゲーム雑誌の編集者が、エロマンガ島へ行ってエロマンガ(パプアニューギニアの近くのバヌアツ共和国にある)を読んでくるというお話。実話に基づくという。よくこんな企画が通ったものだ、と関心する。でも、この鹿馬鹿しさ、嫌いじゃないです。出版不況の今では、ちょっと考えられないような。
そう、ありましたね、エロマンガ島(今もあるが)。あと、ベルギーのスケベニンゲンとか、他にも、思い出せないけれど、高校生の頃、地図帳で変な地名を探したりして。ネットなどなかった時代だ。
でも、大の大人がエロマンガ島へエロマンガを読みに行き、読んで、帰ってくるという話は、想像したほどおもしろくなかった。当たり前のことながら、おもしろいのは発想だけなのです。
酒場で酔っ払って思いついた企画を素面で実行する白々しさはちょっとしみじみするほど描けている。そこにおかしみはある。おかしくて、やがて哀しき、といったような。でも、この作者の持ち味である日常のダラダラ感や細部の積み重ねが、旅という非日常ではうまく活かされていないように感じました。キャラクターやエピソードが、どうも「おもしろい発想」への付け足し以上に思えないというか。その意味で、作者にとって「異色」作品集といえるのかもしれません。
現地の子どもたちに日本語の歌を教えてくれといわれて、「はじめ人間ギャートルズ」のエンディングテーマを歌う場面は、どうでしょうか。本当なら、もっと感動していいはずなのに・・・
続編の「青色LED」も、余計な付け足しという感じ。とってつけたようなセンチメンタリズム。
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エロマンガ島の三人 長嶋有異色作品集 単行本 – 2007/5/31
長嶋 有
(著)
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エロマンガ島でエロ漫画を読んでくる……?
およそありえない取材に出向いた編集者たちの、
実話をもとにした南国小説。
温かくて、おかしくて、なのに切ない二泊三日。
表題作ほか、初のSF小説、奇想天外なゴルフ小説、
官能小説に珠玉の書き下ろし新作「青色LED」も加えた
異色作品集!
「エロマンガ島の三人」は、『オトナファミ』(発行:エンターブレイン/季刊)に
連載された中篇小説「エロマンガ島の三人」をメインに、SF短篇、官能小説、
さらに書き下ろし小説も収録した作品集です。
著者原作の映画「サイドカーに犬」の劇場公開(初夏、竹内結子復帰第一作映画として全国公開)も
待機している作家、長嶋有の最新刊となります。
表題にもなっている「エロマンガ島の三人」は、ゲーム雑誌編集者の実体験をモデルに描いた作品です。
三人の男たちが経験した異郷への短い旅を、不思議な手触りを活かしながら描写する
その手腕は、芥川賞受賞作「猛スピードでは母は」からますます磨きがかったものになりました。
'90年代の風物が散りばめられた東京と、南太平洋の島、ふたつの情景の対比も鮮やか。
スローなリズムで展開する、オトナの休日の物語です。
<収録作品>
○「エロマンガ島の三人」(モデル小説・中篇)
○「女神の石」(SF短編)
○「アルバトロスの夜」(SF短編)
○「ケージ、アンプル、箱」(官能小説・短編)
○「青色LED」(書き下ろし短編)
およそありえない取材に出向いた編集者たちの、
実話をもとにした南国小説。
温かくて、おかしくて、なのに切ない二泊三日。
表題作ほか、初のSF小説、奇想天外なゴルフ小説、
官能小説に珠玉の書き下ろし新作「青色LED」も加えた
異色作品集!
「エロマンガ島の三人」は、『オトナファミ』(発行:エンターブレイン/季刊)に
連載された中篇小説「エロマンガ島の三人」をメインに、SF短篇、官能小説、
さらに書き下ろし小説も収録した作品集です。
著者原作の映画「サイドカーに犬」の劇場公開(初夏、竹内結子復帰第一作映画として全国公開)も
待機している作家、長嶋有の最新刊となります。
表題にもなっている「エロマンガ島の三人」は、ゲーム雑誌編集者の実体験をモデルに描いた作品です。
三人の男たちが経験した異郷への短い旅を、不思議な手触りを活かしながら描写する
その手腕は、芥川賞受賞作「猛スピードでは母は」からますます磨きがかったものになりました。
'90年代の風物が散りばめられた東京と、南太平洋の島、ふたつの情景の対比も鮮やか。
スローなリズムで展開する、オトナの休日の物語です。
<収録作品>
○「エロマンガ島の三人」(モデル小説・中篇)
○「女神の石」(SF短編)
○「アルバトロスの夜」(SF短編)
○「ケージ、アンプル、箱」(官能小説・短編)
○「青色LED」(書き下ろし短編)
- 本の長さ197ページ
- 言語日本語
- 出版社エンターブレイン
- 発売日2007/5/31
- ISBN-104757736118
- ISBN-13978-4757736115
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登録情報
- 出版社 : エンターブレイン (2007/5/31)
- 発売日 : 2007/5/31
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 197ページ
- ISBN-10 : 4757736118
- ISBN-13 : 978-4757736115
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,389,864位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1972年生まれ。2001年に「サイドカーに犬」で第92回文學界新人賞を受賞しデビュー。02年に「猛スピードで母は」で第126回芥川賞を受賞、07年に『夕子ちゃんの近道』で第1回大江健三郎賞を受賞した(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 エロマンガ島の三人 (ISBN-13: 978-4167693046 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2007年9月20日に日本でレビュー済み
異色作品集と銘打っているだけあって、長嶋有のメインストリーム、マスイメージからはちょっと外れた作品が並んでいる。はじめて読むんなら、やっぱ「サイドカーに犬」「猛スピードで母は」「夕子ちゃんの近道」がいいんじゃないだろうか。「エロマンガ島の三人」と続編の書き下ろし「青色LED」の間に、習作に近いSF2編と“濡れない”官能小説が一編。どっちかっつーと長嶋有ファンのための作品集の趣きだ。
発見としては、“長嶋有の小説ににフジモトマサルのイラストは合う”ってのと、ネタとしては、「ケージ、アンプル、箱」のなかの「仰向けに寝たときに、かかとから先を伸ばした状態の人と、垂直に立つ状態の人といる」ってのが面白かった。
フレーズとしては、
「そうか。私は「典型」が嫌なんだ」
「相槌は「いいかも」の割に、それをやらないし、そこにいかないし、しないんだ」なんてのが、長嶋有っぽくて気に入った。
それと、
「「うーん、まあまあかな」を選んだ感じ」(『ときメモ』の選択肢)なんていう、ゲームやってた人にしかわかんないフレーズが随所に散りばめられてて、(やってた人間には)ニュアンス伝わる。
いっとう共感したのは、エロマンガ島の幼い少女たちにエロマンガを見せちゃいけない!!ってくだりでの、
「日本のために。大げさでなく、自分が「日本」を代表しているような使命感が急に湧き上がる」って感情。
日ごろは一切、「国」なんて意識しないけど、よそ様の国の人にだけは嫌われたくない、嫌われちゃいけないって場面でだけは、モーレツに「国」ってのを意識するんだよね、俺も。
発見としては、“長嶋有の小説ににフジモトマサルのイラストは合う”ってのと、ネタとしては、「ケージ、アンプル、箱」のなかの「仰向けに寝たときに、かかとから先を伸ばした状態の人と、垂直に立つ状態の人といる」ってのが面白かった。
フレーズとしては、
「そうか。私は「典型」が嫌なんだ」
「相槌は「いいかも」の割に、それをやらないし、そこにいかないし、しないんだ」なんてのが、長嶋有っぽくて気に入った。
それと、
「「うーん、まあまあかな」を選んだ感じ」(『ときメモ』の選択肢)なんていう、ゲームやってた人にしかわかんないフレーズが随所に散りばめられてて、(やってた人間には)ニュアンス伝わる。
いっとう共感したのは、エロマンガ島の幼い少女たちにエロマンガを見せちゃいけない!!ってくだりでの、
「日本のために。大げさでなく、自分が「日本」を代表しているような使命感が急に湧き上がる」って感情。
日ごろは一切、「国」なんて意識しないけど、よそ様の国の人にだけは嫌われたくない、嫌われちゃいけないって場面でだけは、モーレツに「国」ってのを意識するんだよね、俺も。
2008年1月7日に日本でレビュー済み
エロマンガ島でエロマンガを読もう!
そんな無謀な企画がすんなり通ってしまい、
エロマンガ島を目指す三人。
ゲーム攻略を主にする雑誌の編集者佐藤と久保田。
ゲーム会社H社の井沢の代わりにやってきたいわくありげな日置。
実際にエロマンガ島に行った三人は
最初の目的も忘れかけるほど、
エロマンガ島の自然や人に癒されながら日々を過ごす。
もちろん、最終目的であるエロマンガはしっかり読むんだけど。
ただエロマンガを読むという行動ではなく
そこで癒される三人の姿が面白おかしく、そして時に切ない。
日置については最後の短編「青色LED」にて描かれているが、
彼もまた切なく哀しい。
他の短編もまぁ面白いけど、
表題作と「青色LED」だけでも十分だったような気がする。
エロマンガ島は実在するわけだけど、
悲しい歴史のある島のようで、
しかし、それを感じさせないくらいに
自然も人も見知らぬ人に優しい、そんな感じがした。
まぁ、恐ろしげなところもあるけれど・・・。
そんな無謀な企画がすんなり通ってしまい、
エロマンガ島を目指す三人。
ゲーム攻略を主にする雑誌の編集者佐藤と久保田。
ゲーム会社H社の井沢の代わりにやってきたいわくありげな日置。
実際にエロマンガ島に行った三人は
最初の目的も忘れかけるほど、
エロマンガ島の自然や人に癒されながら日々を過ごす。
もちろん、最終目的であるエロマンガはしっかり読むんだけど。
ただエロマンガを読むという行動ではなく
そこで癒される三人の姿が面白おかしく、そして時に切ない。
日置については最後の短編「青色LED」にて描かれているが、
彼もまた切なく哀しい。
他の短編もまぁ面白いけど、
表題作と「青色LED」だけでも十分だったような気がする。
エロマンガ島は実在するわけだけど、
悲しい歴史のある島のようで、
しかし、それを感じさせないくらいに
自然も人も見知らぬ人に優しい、そんな感じがした。
まぁ、恐ろしげなところもあるけれど・・・。
2007年8月24日に日本でレビュー済み
エロマンガ島でエロマンガを読もうという下らない企画.その段階でこの物語の行く末を案じてしまうのだが,実際の展開は,おやと思い,何でと疑問が湧き,そして暖かい気持ちになる.それでも,モヤモヤした気持ちで作品集を読み進むと,最後の「青色LED」で,ははあと納得した.
その南の島の風と蒸し暑さが感じられるような描写に,何か正常な判断を失わせられている気がする.
ただ,主人公の彼女の挿話は,どうもその存在意義が明確ではない.
その南の島の風と蒸し暑さが感じられるような描写に,何か正常な判断を失わせられている気がする.
ただ,主人公の彼女の挿話は,どうもその存在意義が明確ではない.