これまで丸尾末広の原作作品はいくつか読んできたのですが、大正ロマンを感じさせる緻密な画は素晴らしいのですが、
抽象的なイメージ重視のストーリーに今一つのめり込めない自分がいました。
それで丸尾末広作品とは自分の感性が合わないと判断し、しばらく縁遠くなっていたのですが、彼が
乱歩作品を描いているということを知り、これなら期待できるのではと瞬間的に感じ、即座に注文した次第です。
実際、その予想は当たり、乱歩の描く禍々しくも耽美的な世界観が、見事に丸尾氏の絵でダイナミックに劇画化されていて、
独特の捻じれた世界へと読者を誘います。
とても読み応えのある一冊であり、小説からではない乱歩怪奇作品の入門としてもおススメできると思います。
同じく「芋虫」も乱歩と丸尾のコラボ作品ですが、小説は傑作なのですが、私的には「芋虫」のじめじめした内省的世界観よりも、
こちらの壮大な悪魔的パノラマ世界のほうが、劇画でやるには合っていると感じました。
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パノラマ島綺譚 (BEAM COMIX) コミック – 2008/2/25
魔神・丸尾末広が、江戸川乱歩の代表傑作を、奇跡の完全漫画化!
三年余の沈黙から覚醒した、日本漫画界が世界に誇る魔神・丸尾末広、満を持して、
巨星・乱歩の歴史的傑作に挑む!
満都震撼、ファン感涙、天下無類の、極上怪奇幻想譚!ここに奇跡の降臨!
三年余の沈黙から覚醒した、日本漫画界が世界に誇る魔神・丸尾末広、満を持して、
巨星・乱歩の歴史的傑作に挑む!
満都震撼、ファン感涙、天下無類の、極上怪奇幻想譚!ここに奇跡の降臨!
- 本の長さ272ページ
- 言語日本語
- 出版社エンターブレイン
- 発売日2008/2/25
- ISBN-104757739699
- ISBN-13978-4757739697
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登録情報
- 出版社 : エンターブレイン (2008/2/25)
- 発売日 : 2008/2/25
- 言語 : 日本語
- コミック : 272ページ
- ISBN-10 : 4757739699
- ISBN-13 : 978-4757739697
- Amazon 売れ筋ランキング: - 315,506位コミック
- カスタマーレビュー:
著者について
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1894年三重県生まれ。早稲田大学卒業。雑誌編集、新聞記者などを経て、1923年「二銭銅貨」でデビュー。以後、「D坂の殺人事件」などの探偵小説を 次々発表。怪奇小説、幻想小説にも優れた作品が多い。代表的なシリーズに、「怪人二十面相」「少年探偵団」などがある。日本の小説界に多大なる業績を残 す。65年没(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 大槻ケンヂが語る江戸川乱歩 私のこだわり人物伝 (ISBN-13:978-4041847213)』が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年1月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
丸尾末広さんと言えばサブカル系の大御所と言いますか、知る人ぞ知る漫画家です。
その丸尾末広さんが江戸川乱歩の作をコミカライズしたとあらば、それが駄作になることはないだろうという確信の元購入しました。
と、偉そうなことを申し上げましたが、実は原作小説は未だ読んでおりません。
その分、先入観なしに漫画を楽しむことができたかなと考えております。
この話を簡単にまとめると、売れない小説家である主人公が、自分に瓜二つと言われていた同級生の死を知り、彼に成り替わろうと企てるというストーリーです。
主人公にはどうしても死ぬまでに叶えたい夢がありました。
これは現実世界で考えると恐らく今現代の技術を持っても再現は不可能と思われる、幻想的な楽園のようなアミューズメントパークを作るというものでした。
自分を亡き者とし、相手になりきっていく描写も素晴らしかったけれど、その庭園内の表現がとても美しかったです。
元の文章から建物などを描き上げることは非常に難しいことだと思うので、頭の中でイメージをしてそれをイラストに落とし込んだ丸尾さんには尊敬の念を覚えるばかりです。
やはり江戸川乱歩の作品というだけあり、血腥さを感じる場面もきちんと描かれていて、さらに脱帽でした。
丸尾さんの描く、明智探偵が主人公のストーリーも読んでみたいですね。
その丸尾末広さんが江戸川乱歩の作をコミカライズしたとあらば、それが駄作になることはないだろうという確信の元購入しました。
と、偉そうなことを申し上げましたが、実は原作小説は未だ読んでおりません。
その分、先入観なしに漫画を楽しむことができたかなと考えております。
この話を簡単にまとめると、売れない小説家である主人公が、自分に瓜二つと言われていた同級生の死を知り、彼に成り替わろうと企てるというストーリーです。
主人公にはどうしても死ぬまでに叶えたい夢がありました。
これは現実世界で考えると恐らく今現代の技術を持っても再現は不可能と思われる、幻想的な楽園のようなアミューズメントパークを作るというものでした。
自分を亡き者とし、相手になりきっていく描写も素晴らしかったけれど、その庭園内の表現がとても美しかったです。
元の文章から建物などを描き上げることは非常に難しいことだと思うので、頭の中でイメージをしてそれをイラストに落とし込んだ丸尾さんには尊敬の念を覚えるばかりです。
やはり江戸川乱歩の作品というだけあり、血腥さを感じる場面もきちんと描かれていて、さらに脱帽でした。
丸尾さんの描く、明智探偵が主人公のストーリーも読んでみたいですね。
2015年7月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
毎日のようにアウトレットを見ている。
とにかくお買い得だ。
基本的には激安狙いなのでが、まさか!
丸尾が出てるとは思わなかった!
やった!って感じだ。
とにかくお買い得だ。
基本的には激安狙いなのでが、まさか!
丸尾が出てるとは思わなかった!
やった!って感じだ。
2016年6月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
これまで乱歩作品を含めて数多くの小説の、漫画化や映像化を見て来たが、これほど納得感の高い漫画化には初めて出会った気がする。原作に無い部分の描写が極めて素晴らしく、それでいて良い意味で原作を越えておらず、実に見事なバランスを保っている。原作を愛する人なら読むべきだと思うし、またこの漫画から原作に当たるというのももちろんアリだと思う。
2015年6月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
小説は既に読んでいました。それからこの作品を読むと、ストーリーに忠実に描かれていることがわかりますが、最後のパノラマ島の全景は、江戸川乱歩のイメージを数倍凌駕している、桁違いの壮大さで描かれています。どう表現したらよいのかわかりませんが、絵が読者に向かって攻めてくるのです。丸尾先生の作品が持つ迫力は、ちょっと他では体験することができない類いのものだと思います。
2019年8月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ストーリーは単純です。しかし、緻密な書き込みにより、ビジュアル化不可能といわれた乱歩原作の理想郷(ユートピア)を画で見られるのは快感です。丸尾氏の画力に脱帽し、帯にある「最強コンビ」という煽り文句に納得しました。
2013年9月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
最近遅ればせながら、乱歩の作品をまとめて読む機会があって、その中でもっとも心魅かれたのはこの「パノラマ島奇譚」でした。私流にこの物語を一言で言い表せば「乱歩流変態的夢想物語の極致」と、なりますか。発表は大正15年。
そしてこの物語を漫画化した人がいるのです。それは丸尾末広氏。早速AMAZONで入手して読みました。そして再び衝撃!!腰を抜かすかと思ったぜい。最初は原作に最高のマッチングであるなと思って読み進めていたのですが、それは間違いで、明らかに原作を超えています。特に154P以降の、完成したパノラマ島の全景、海底に作られた透明な遊歩道とそこから見た海と魚たち、そして人魚に見立てられた少女、島内の奇抜な建造物や仕掛けの数々等々、どれもこれも乱歩世界を完全に飛び越えて、丸尾氏独自の表現世界に差し替えられているではないですか。さらに小説発表当時は、もちろん当局の規制が厳しくて乱歩も手も足も出なかったと思われるエロ描写の美しすぎること。
とにかく天国で乱歩が本作を読んだら、嫉妬に怒り狂って、化けて出るのでないかと思うほど完璧です。「芋虫」も漫画化されているようですので、早速注文することにしました。そして丸尾氏には「陰獣」、「屋根裏の散歩者」そして「人間椅子」も是非漫画化していただきたいです。
そしてこの物語を漫画化した人がいるのです。それは丸尾末広氏。早速AMAZONで入手して読みました。そして再び衝撃!!腰を抜かすかと思ったぜい。最初は原作に最高のマッチングであるなと思って読み進めていたのですが、それは間違いで、明らかに原作を超えています。特に154P以降の、完成したパノラマ島の全景、海底に作られた透明な遊歩道とそこから見た海と魚たち、そして人魚に見立てられた少女、島内の奇抜な建造物や仕掛けの数々等々、どれもこれも乱歩世界を完全に飛び越えて、丸尾氏独自の表現世界に差し替えられているではないですか。さらに小説発表当時は、もちろん当局の規制が厳しくて乱歩も手も足も出なかったと思われるエロ描写の美しすぎること。
とにかく天国で乱歩が本作を読んだら、嫉妬に怒り狂って、化けて出るのでないかと思うほど完璧です。「芋虫」も漫画化されているようですので、早速注文することにしました。そして丸尾氏には「陰獣」、「屋根裏の散歩者」そして「人間椅子」も是非漫画化していただきたいです。