巻頭にはグラビア風のイラストページも少しありますが、どちらかといえば活字の多い「読み物」といえそうです。
雑誌掲載されたスタッフへのインタビューなど、忘れ去られやすいメディアでの発言も網羅されているのは「全集」としてもなかなかの出来のように思います。近年のアニメ関係ムックで、これだけ活字情報の多いものは珍しいのではないでしょうか。
ただし図版に関しては、他の方のレビューにも見られるとおり、雑誌掲載イラストや過去の販促ポスター・設定資料など掲載点数は多いものの、切手サイズのように小さく載っている例が多く、ビジュアルとしては少しインパクトが弱いような気がしました。
どこか、観光地などで公共機関が配布しているような、情報凝縮タイプの案内パンフレットを連想します。
ビジュアル重視の「図録」とするにしてはやや判型が小ぶりなため、こういう方針になったのかもしれません。
ただし、今後「かみちゅ！」関連で、これだけボリュームのある本が発行されるとは考えにくく、「大全ちゅ～！」の名のごとく「最初で最後のかみちゅ全集」となる公算が高いのですが、元の作品がアニメという映像コンテンツなのですから、バランス的にもう少しビジュアル的誌面への注力があっても良かったのではないかとの印象です（ただしメガミマガジンのようなピンナップ・見開きグラビア尽くしの方が良かったという意味ではありません）。たくさんのイラストや資料を集めてあるのにもったいないです。
なおブックカバーを外すと、鳴子ハナハル氏の書き下ろしイラストがあります。
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