ファンタジーを書く人間全員に再認してほしい事なのだが……
「冒険者」なんて職業はこの世にはない。
が、困ったことにそれっぽい職業がこの世には実在する。
してしまう。
没落した騎士の成れの果て、ロマンのかわりに世知辛い現実を手に入れた「盗賊騎士」。
あるいは剣術教えますと村々を放浪し、青空道場で剣術を教えていた「剣士」。
本物のダンジョンと化してしまったロンドン下水道を徘徊したある意味最も冒険者らしい下水の落とし物回収屋「トッシャー」。ダンジョン飯と違って汚染された下水の動物なんて食ったら即死である。
そう、冒険者とはおそらくこういう連中を見て人々が生み出した幻想なのだ。
……トッシャーは違う気がするけど。
ともあれ、ファンタジー作品を作ろうと思うヒトならぜひ一度手にとってほしい。
これだけ多数の資料から多角的に研究された中世の職業事情を一冊にまとめた本は他にない。
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