ユリウス（時計屋）が好きなので、迷わずに新書を購入しました。
因みに絵柄は、藤丸豆之助さんの描くユリウス像が一番好きです。
まず、イラストが文月ナナさんでしたので好みの絵柄ではなく、
挿絵のキャラに感情移入し辛いところから始まり、嫌な予感は的中します。
（線が細くて綺麗なのですが、目が細すぎるのと、口が妙にへの字でガラの悪い
ユリウスに見える。鼻の穴の描写も嫌い。でも、絵柄は好みがありますので・・・。）
表紙のイラストとは全く異なる事も付け加えておきます。
問題のストーリーは、何ていうか、簡単に言えば「つまらない」に尽きます。
269ページあって、初めてキスしたのが226ページです。・・・長。
キスシーンの後も「帰る、帰らない」で迷うアリスの話。
当然Ｈ描写もありません。
Ｈしたんだね・・・？的な、抽象的な文書が3行ほどあったくらい。
健全なお話でした。
今回は「お相手はユリウス」という事ですが、ゴーランドやボリス、エースの方が
登場回数が多いような気がするくらい。ボリスの方が積極的。
ナイトメアとペーターも、チラチラ出てきてました。
ブラッドなど帽子屋ファミリーのキャラは登場していません。
（以下ネタばれ：あまりにガッカリしたので全貌をお伝えします）
アリスの滞在先は遊園地。危ない所を偶然居合わせたユリウスに助けられた事から、
休憩時間になると、お弁当を作って時計塔へ行くようになったアリス。
ただ、甘いやりとりは一切なく、ただ弁当を届けコーヒーを飲んで帰宅のパターン。
ある時、突然ユリウスに「時計塔にはもう来るな」と強く言われて傷つくアリス。
時計塔に行きづらくなると同時に、ハートの城で舞踏会が開催され、アリスも
ペーターに招待状を貰い、出席。その舞踏会は役持ちのユリウスも出席。
エースが間を取り持って（しかもすご〜く簡単に）、ハイめでたし、めでたし。
内容が薄いというか・・・全作の「Memories of the Clock」の方が面白かったし、
甘かった！今回は、600円払って読むには勿体無い内容。
因みに、今回のユリウス、アリスを元の世界にあっさり帰しています。
「達者でな、アリス」とか言って、実際に彼女を軽く突き放し現世へ
送り返しています。そこで、アリスが考えを変えて「あなたと一緒にいたい」
「帰れない」と戻ってきてます。
本書の始まりと終わりに数ページの漫画があります。
後半、時計塔に弁当を差し入れに来たアリスがエースとはち会い、エースに
弁当のバスケットを横取りされます。その時、ユリウスの放った一言
「これも（弁当）、こいつも（アリス）、お前にはやらん。」
これが、一番甘いセリフでした。
あー、つまらなかった。
次回作に期待しています。
元は乙ゲーなんだから、もっともっと甘く仕上げていいんじゃないでしょうか？
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