男子一人に女子多数、しかも女子は全員たった一人の男子の性の御相手役…嫌な予感に冷や汗が出る
先日「
セックス・バトルロイヤル! (ガガガ文庫)
」という超特大の地雷を踏んでしまったので疑心暗鬼になりつつ拝読
舞台は孤島、しかも主人公は大富豪の御落胤と設定だけ読むと完全に先日の地雷と同じな為ますます不安が…
主人公の兼守は「大和撫子」に対する幻想に縛られたちょっとお堅いながらもこの作品では唯一の常識人
（後述するしーちゃんには徹底して「ヘタレ」扱いされてますが）
メインヒロインはフランス人っぽいちょっと怪しい日本かぶれで京都弁を話す亜留姫ことアルレット・ロレーヌ、
主人公のお傍役で毒舌と怪力、何故かメカっぽい描写が頻出して人間かどうか怪しい「しーちゃん」、
徹底した男嫌いで主人公が近付くと毛を逆立て「ふしゃーっ！」と威嚇してくる化け猫っぽい桔梗
その他のヒロインはモブっぽく、ご丁寧にも台詞に使われるカギ括弧が『…』になっています
目新しい部分を挙げるなら亜留姫の徹底した｢ナマケモノ」っぷりかと。おっとりした京都弁を話しながら
主人公が手伝わないと髪も梳かさないなど生活が破たんするという、ある意味本物のお姫様
本文が２８０ページ程度なのにエピローグ、プロローグを除いても第二十一幕まである事から分かるように
話が徹底してぶつ切りでショートエピソードを繰り返すのだけど、どうにも一本ごとの盛り上がりが中途半端というか
消化不良な感じが否めない。最後の最後で主人公が「大和撫子」に過剰な思い入れをするようになった理由が
語られ、亜留姫が日本文化にのめり込むようになった切っ掛けとの共通点が見出されるのだけど、そこで時間切れ
続きは次巻以降で、というオチで最後まで消化不良。２巻以降が出る事前提で書かれるライトノベルの悪い見本
たとえシリーズ物と言えど、一巻ごとに起承転結を付けて欲しい読者としては辛い点を付けざるを得ません
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