私的いち押し漫画家さん、鈴木小波先生の短編集。
先生の作品は「ホク飯」シリーズと「燐寸少女」以外はあまり読んだ事がなかったので、ファンを自称するにはもっと読まにゃあと、手を出しました。
タイトルからは内容の想像がつかず、どんな漫画なんだろう?と期待して読み始めました。
角川・秋田書店・小学館と幾つもの出版社の雑誌に掲載された作品が一堂に会する。その数、15作品も収録されています。ですが、ページ数のバラ付きが激しく、中には2ページしかないものも。
また、ジャンル的にも統一感がなく、ギャグやホラー気味のものや、ドーナツが自我を持つシュール系?と言っていいのか迷うもの等バラエティ豊か。「燐寸」の一部の話のような後味の悪い作品はありません(独特な後味の作品はあります)。
同人紙で発表された表題作である「魔女の箱庭と魔女の蟲籠」が大体、全体の3分の1くらいです。
食ったものに永遠を与える魔女の箱庭を宿す姉と、食ったものに死を与える魔女の虫籠を宿す弟の、姉弟のお話。二人は母親である魔女のお使いで様々なものを食べに行きます。
設定部にあえてか謎を多く含んだ不思議な作品。その設定がかなり面白いので、これをもっと読みたかったのが正直なところ。
3作収録の「ブンゴー」は、オーディエンスを前にした小説バトル。年代的には今現在の習熟した鈴木小波絵に近い絵柄のはずなのに、掲載された小学六年生(雑誌名)を読む年齢層に合わせて変えた画風が興味深い。
最後に収録されている作者さん第二作目の読み切りギャグ漫画「パイパニック」に至っては、注視しないと同じ作者と分からないくらい絵柄が違う。未熟ながらも作者さんのテイストの片鱗が垣間見える。
先生の作品で度々見られる、ゴチャゴチャしながらもパノラマチックな迫力を持った見開きはお見事でした。
その読後感、魔女が蒐集した物品を納めた箱庭、あるいは蟲籠の中を除き込んだかのごとし。
読み応えバッチし、満足です。作者さんのまた違った一面が見られました。
鈴木先生ファンならぜひにとオススメさせていただきます。

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魔女の箱庭と魔女の蟲籠 -鈴木小波短編集 (REXコミックス) コミック – 2016/2/27
鈴木 小波
(著)
- 本の長さ152ページ
- 言語日本語
- 出版社一迅社
- 発売日2016/2/27
- ISBN-104758065608
- ISBN-13978-4758065603
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著者について
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鈴木 小波(すずき さなみ)
千葉県出身
2002年小学館サンデー超にて『なりきりドキホーテン』でデビュー。
児童誌から青年誌まで幅広く作品を発表している。
代表作は「グレゴリーホラーショーアナザーワールド」「アクジキ」「セカイのミカタ」「ブラック★ロックシューターイノセントソウル」「ヤオツクモ」ほか
角川書店「燐寸少女」2016年映画化
講談社「ホクサイと飯さえあれば」2017年テレビドラマ化
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年3月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
お値段に対してページ分量が少なく、カラーページも一枚だけという割高仕様。
加えて、収録されている作品群が、著者の作品に対する実験的部分が大きい為、荒削りで、かつオチが無い作品も多々みられます。
その為、著者の熱心なファンの方でないと、評価はもっと下がると思われます。
ですが、著者のバラエティーに富んだ作品群を読めるのは、最近ファンになった者としては「へ~、こんな作品もあったんだ~♪」という気分を味わえますので、私的にはそこまで大きな不満点は無いです。
表題にもなっている『魔女の箱庭 魔女の蟲籠』×6作を皮切りに、
なんとも言えない雰囲気の五コマ漫画『食魂』←自分的にはこれが一番好きです♪
連載モノだったら面白そうな『地獄幼女』
双子の女の子を題材にした特にオチの無い『直子と治子』
ヤンキー&恋愛モノ『恋するリーゼント』・・・ギャグらしいですけど、私的にはちょっぴりサイコに感じます
子供向け漫画(『小学六年生』)『ブンゴー』×2・・・著者らしからぬ少年ジャ●プ(初期の『遊●王』的な)ノリの作品w
『ブンゴー』の作中作スピンオフ『キトの冒険』
最近の著者っぽい雰囲気を多分に含んだ『ジジイの塔』
もうなんと言って良いかわからない出オチ系ギャグ『パイパニック』・・・オッパイが大きくなって男の子に追いかけられる準下ネタ作品(デビュー2作目)w
どの作品も、荒削りで改善の余地有りと見て良い作品群なので、過去の短編集・『燐寸少女』・ホクサイシリーズと同等の面白みを期待しては肩透かしを喰うでしょう。
あくまで、「著者ってこんな作品も作っているんだ~♪」を楽しむ為の一冊です。
加えて、収録されている作品群が、著者の作品に対する実験的部分が大きい為、荒削りで、かつオチが無い作品も多々みられます。
その為、著者の熱心なファンの方でないと、評価はもっと下がると思われます。
ですが、著者のバラエティーに富んだ作品群を読めるのは、最近ファンになった者としては「へ~、こんな作品もあったんだ~♪」という気分を味わえますので、私的にはそこまで大きな不満点は無いです。
表題にもなっている『魔女の箱庭 魔女の蟲籠』×6作を皮切りに、
なんとも言えない雰囲気の五コマ漫画『食魂』←自分的にはこれが一番好きです♪
連載モノだったら面白そうな『地獄幼女』
双子の女の子を題材にした特にオチの無い『直子と治子』
ヤンキー&恋愛モノ『恋するリーゼント』・・・ギャグらしいですけど、私的にはちょっぴりサイコに感じます
子供向け漫画(『小学六年生』)『ブンゴー』×2・・・著者らしからぬ少年ジャ●プ(初期の『遊●王』的な)ノリの作品w
『ブンゴー』の作中作スピンオフ『キトの冒険』
最近の著者っぽい雰囲気を多分に含んだ『ジジイの塔』
もうなんと言って良いかわからない出オチ系ギャグ『パイパニック』・・・オッパイが大きくなって男の子に追いかけられる準下ネタ作品(デビュー2作目)w
どの作品も、荒削りで改善の余地有りと見て良い作品群なので、過去の短編集・『燐寸少女』・ホクサイシリーズと同等の面白みを期待しては肩透かしを喰うでしょう。
あくまで、「著者ってこんな作品も作っているんだ~♪」を楽しむ為の一冊です。
2016年5月19日に日本でレビュー済み
この単行本は何故か後味がイマイチなものが。
前回まではそうでもなかったのに、後味の悪さにも意味がありました。
不条理を楽しめる方ならありでしょう。
特に表題のお話。
私はその意味のわからないオチ(落ちてないけど)に、何も感じれませんでした。
前回まではそうでもなかったのに、後味の悪さにも意味がありました。
不条理を楽しめる方ならありでしょう。
特に表題のお話。
私はその意味のわからないオチ(落ちてないけど)に、何も感じれませんでした。
2016年3月14日に日本でレビュー済み
バッドエンドですよね、それ。という物語を、さらりと書く作者の感覚が好きです。
少し闇の濃いおとぎ話。
と見せかけて、底抜けのギャグ話が紛れ込んでいます。
高低差の激しい短編集。
少し闇の濃いおとぎ話。
と見せかけて、底抜けのギャグ話が紛れ込んでいます。
高低差の激しい短編集。