『人類の三大欲求』などといいますが、こと『食欲』というのは別格でしょう。老若男女を問わず、カロリー計算だのメタボだの、雑念（？）に惑わされさえしなければ、人間誰しも好きなものを腹一杯食ってさえいれば幸せなんです（断言）。
で、この『でらぐい』は、『色気（萌え）より食い気』とばかりに、食の要素がむやみと突出した、珍妙な萌え４コマ、つか、ギャグマンガです（すみません、これでも誉めているつもりです(^^;)）。
主人公は当然のごとく、食欲が異常増進した元気系娘。これほど食いまくる萌え４コママンガの主人公は、『三者三葉』の小田切双葉以外に知りません(『まじんプラナ』もあるけど、あっちは人間じゃないからなぁ)。『ダイエット』とくれば、『お泊まり』『銭湯』と並ぶ『萌え４コマ・定番エピソード』の筈ですが、おおよそこのマンガでは無縁です（夏祭りとか、初詣とか、イベント系のエピソードは多いですけどね）。
テーマも食がらみが多いですが、いわゆるグルメマンガのような高級料亭・レストラン系ではなく、あえて言えば『食いしん坊系』。カップメンだの、コンビニ肉まんだの、身近な食い物が取り上げられてます。ただ食ってばかりでなく、北○道で局地的に支持されている『や○そば弁当』の名が飛び出すあたりなど、トリビア的にもなかなか侮れない（ちゃんと、「残り湯でスープが作れる」ってポイントも押さえているし）。
登場人物も、変質者１歩手前（いや、半歩？）、フェチズム全開の部長をはじめ、ロボっ子（ツンデレ属性あり）やら、ちびっ子やら、食欲以外の欲求も亢進していそうな顧問教師やら、いろんな意味でいじられキャラの風紀委員やらと、個性派（つか、『濃い』）キャラクター揃いで、飽きさせてくれません。
『ぱれっとLite』で連載中の他作品のパロディまで、臆面もなく……、もとい、さりげなく織り込んでいる辺りも笑わせてくれます（この辺は、単行本ではわかりにくいかも知れませんが）。
読んでいると、つい釣られて、無性にカップメンとか食いたくなってきます（笑）。
そんなわけでダイエット中の方にはおすすめできませんが、笑って、食って、満腹・満足したい方にはおすすめのメニュー、もとい１冊です。
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