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風の邦、星の渚―レーズスフェント興亡記 単行本 – 2008/10/1
- 本の長さ390ページ
- 言語日本語
- 出版社角川春樹事務所
- 発売日2008/10/1
- ISBN-104758411166
- ISBN-13978-4758411165
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商品の説明
商品説明
内容紹介
【イラスト:村田蓮爾】 父親と対立して、辺境に追いやられた若き騎士ルドガーは、赴任した領地でカエサルと古代ローマを知っているという、不思議な街の守護精霊「レーズ」と出会う。実は彼女の正体は遠い星の彼方からやって来た巨大な異星生命体の対外感覚器官だった。ともに故郷を亡くし、固陋なキリスト教の因習に反発する二人は、中世ヨーロッパの海に面した三角洲に、今までなかった街「レーズスフェント」を作り、帝国自由都市を目指す。だが、街が発展するにつれて辺境伯やハンザ同盟の怒りを買い、同じく異星生命体と接触を持ったデンマーク国王との戦いへとつながっていく……。はたしてレーズスフェントの未来は?俊英・小川一水が、初のハードカバーで描く歴史SF!
(※画像をクリックすると拡大してご覧になれます)
小川一水氏からのメッセージ
【撮影:谷口雅彦】 小川一水です。昔から、巨大な強者と戦う懸命な弱者という構図の話を、多く 書いてきましたが、本作ではそういう図式を踏まえつつ、二つのカメラを駆使し てみました。ひとつのカメラは自分たちの村を持とうとする14世紀ドイツの人々 にぐっと近づき、もうひとつのカメラは大きく引いて、上空から中世を写してい ます。映像のところどころには、ちょっぴり奇妙な何者かの姿も写るでしょう。 お楽しみください。
担当編集者からのメッセージ
小松左京賞をはじめSFに力を入れている小社ですが、いよいよハードカバー 書き下ろし単行本に「導きの星」シリーズでスマッシュヒットを飛ばした小川一 水さんが登場。本作は中世北ドイツを舞台にした歴史SFです。900枚オーバー の大著となりましたが、読みごたえ充分です! デビュー作『『まずは一報ポプ ラパレスより』を彷彿とさせる本作は最初期のラノベからのファン、また『第六 大陸』『時砂の王』からの本格SF的好きのファンのみならず、はじめて小川一 水を読むという一般読者の方々にもおすすめです。ぜひご一読ください!
内容(「BOOK」データベースより)
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
1975年岐阜県生まれ。中篇『リトルスター』でデビューの後、若手SF作家として期待される。宇宙作家クラブ会員。2004年『第六大陸』で第35回星雲賞日本長編部門を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : 角川春樹事務所 (2008/10/1)
- 発売日 : 2008/10/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 390ページ
- ISBN-10 : 4758411166
- ISBN-13 : 978-4758411165
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,400,941位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 5,596位SF・ホラー・ファンタジー (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
1975年岐阜県生まれ。1996年、『まずは一報ポプラパレスより』で長篇デビュー(河出智紀名義)。
2003年発表の月面開発SF『第六大陸』が第35回星雲賞日本長編部門を受賞して以降、骨太な本格SFの書き手として活躍を続けている。また、2005年の短篇集『老ヴォールの惑星』で「ベストSF2005」国内篇第1位を獲得、収録作の「漂った男」で第37回星雲賞日本短編部門を受賞した。
他の作品に『復活の地』『天涯の砦』『時砂の王』『フリーランチの時代』(以上、ハヤカワ文庫JA)、『導きの星』など。
ホームページは、小川遊水池 http://homepage1.nifty.com/issui
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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今回の趣向は歴史ファンタジー。
中世終期、14世紀のローマ帝国(ドイツ)に起きたひとつの街の勃興を四半世紀にかけて描く。
あらすじ:
帝国の辺境、モール荘に若き騎士が荘司として遣わされた。
事実上の流刑である。
そして、着いた先の村は騎士の想像する以上に枯れ果て、死にかけた村であった。
そんな僻地に着任した騎士が内情の把握に努めるのもつかの間、蛮族による襲撃予告がもたらされ・・・。
というように始まる“レーズスフェント”なる街の成立から発展までの一大記。
中心となり奔走するひとりの人物をメインに、街や都市などのコミュニティの興りからその繁栄・維持、幾多の苦難が描かれます。
これがもう、読み進める間の高揚・興奮や読後の満足感の充足振りがたまらないです。
この分野は『第六大陸』や『復活の地』(こちらは既にあるものの再建ですが)といった前歴がありますし、小川さんがもっとも得意とする領域なのかも。
小川作品を読む度に言っている気がしますが、「さすが」の一言を送りたい作品。
ちなみに地理や歴史的な当時の勢力図など大雑把な概観は史実に因ります。
但し、当時には絶対なかった要素としてファンタジー・・・というよりSFでしょうか、地球外の生命体が物語に深く関与してきます。
とはいえ地球外と言っても時代が時代であり、物語が星間規模にまで発展するような規模の拡大はなし。
エイリアンといったものでもなく、単純に「人ならざる超常の力を持つ精霊や土地神のようなもの」が居る物語と考えて頂ければ良いです。
これまで文庫で著作が発売されることが多かっただけにハードカバーの今回はお値段も張りますが、それだけの価値はあります。
お薦めです。
一気に読破させられた今の気持ちは「良い本に出会ったなぁ↑」というもの。
ゼロから始まる二人の兄弟が、不可能にも思えるゴールにたどり着くのは感動です。
読後、誰もが「あの町」に故郷を感じることでしょう。
に、と目を細める笑顔が迎えてくれるかもしれませんね。
SF的要素をスパイスにした、街と人々の物語です。小川一水の長編では一番気に入りました。
系統的には、「導きの星」「時砂の王」のように、超越者が現地人を導いて行く、というお話。前述の物語との違いを挙げるならば、超越者視点ではなく、現地人視点で描き続けることによって、SF色が極めて薄まっていることだろうか。ほとんど、中世ヨーロッパの仮想歴史物と言っても良い。
何作か前から思っていたことだが、以前と比べて作風が少し変わってきているような気がする。以前は、やたらと元気でテッキーな女の子が縦横無尽に走り回るという、キャラ中心で、それに技術的な要素を付け加えるという感じだった。しかし、最近は、人間自身よりも、人間が作り上げる何かが中心になっている気がする。一言で言ってしまえば、その何かとは歴史なのだろう。
「導きの星」「時砂の王」では生命体の歴史という大きなものを描こうとしていたように見えるし、「妙なる技の乙女たち」では宇宙時代の幕開けという歴史を描こうとしていたように思える。技術好きが高じて、技術が生まれた背景に目が向くようになったのかもしれない。不遜な言い方だが、幅が広くなったように思う。
本作、興亡記と銘打っているが、レーズスフェントの勃興について描いたのみで、衰亡には全く話が及んでいない。ひょっとすると、続編があるのかも。でも、その際には文庫で出版して欲しいな。
歴史SFと銘打ってありますが、SFというよりファンタジー風味の歴史小説というだと思います。
当時の人に理解できるレベルでしか科学的なことが並べられていないので、SFに抵抗があるひともきっと楽しく読めます。
ひとつの町を理解するにはそこに生きなければならない、とどこかで聞きましたが、それをよく実感できます。
ボリュームにも内容にも満足できました。どの年齢であっても楽しめる、いい小説です。