主婦をしながら素晴らしい小説を書く著者の日常とその心の奥底が、この短いエッセーの数々から垣間見られる。意外な程フツーだ。
最後の方に著者が金光教の教会の離れに住んでいた一連の話が出てくる。これにびびっときた。金光教の神様は氏子あっての神で、勿論氏子も神に尽くすのであるが、その神は氏子がキリスト教に鞍替えしても、幸せになれば喜ぶという、私の感じている神さんとかなり近い。
色々な神さんの本は読んできたが、金光教は見落としていた。早速amazonで「神と人とを取り次いで」玉井光雄、と日本の古本屋で「金光大神の生涯」というのを注文した。そういやぁ昔、芦屋の方を散歩していて、金光教のこぢんまりした教会を見つけたことをふと思い出した。
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深き心の底より 単行本 – 1999/7/1
小川 洋子
(著)
- 本の長さ222ページ
- 言語日本語
- 出版社海竜社
- 発売日1999/7/1
- ISBN-104759305971
- ISBN-13978-4759305975
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
人間は誰しもが、他人には触れられたくない深い沼のようなものを、心の底に持っている。小説を書くことで、その沼のありさまにこだわり続けているという著者による、存在の根源を透視したエッセイ集。
登録情報
- 出版社 : 海竜社 (1999/7/1)
- 発売日 : 1999/7/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 222ページ
- ISBN-10 : 4759305971
- ISBN-13 : 978-4759305975
- Amazon 売れ筋ランキング: - 790,579位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 12,186位近現代日本のエッセー・随筆
- - 73,673位ビジネス・経済 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1962(昭和37)年、岡山県生れ。早稲田大学第一文学部卒。
1988年「揚羽蝶が壊れる時」で海燕新人文学賞を受賞。1991(平成3)年「妊娠カレンダー」で芥川賞受賞。主な著書に『やさしい訴え』『ホテル・アイリス』『沈黙博物館』『アンネ・フランクの記憶』『薬指の標本』『夜明けの縁をさ迷う人々』『猫を抱いて象と泳ぐ』等。2004年『博士の愛した数式』で読売文学賞、本屋大賞を受賞。『ブラフマンの埋葬』で泉鏡花文学賞、2006年『ミーナの行進』で谷崎潤一郎賞受賞。翻訳された作品も多く、海外での評価も高い。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2020年9月28日に日本でレビュー済み
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とても有益、早稲田大学を出て大学病院の秘書科に就職、雑用係を経て日本を代表する作家になった。
生まれは金光教の教会。金光教は他の宗教を信じても良いという心の広い宗教。著者の経歴を見ながら読めば
才能を生かすことが出来れば、素晴らしい人生があることを知らされる。著者の心の広いのも金光教の影響もあるのではないか。
生まれは金光教の教会。金光教は他の宗教を信じても良いという心の広い宗教。著者の経歴を見ながら読めば
才能を生かすことが出来れば、素晴らしい人生があることを知らされる。著者の心の広いのも金光教の影響もあるのではないか。
2012年1月14日に日本でレビュー済み
古本で手に入れてから何度となく読み直している自分がいる。強く心に残っているのではなく、何となく再び手にしているのである。それほど年数が経っていないのに、かなり本は草臥れている。前の持ち主も何回も手にしているように感じてしまう不思議な本である。一つ一つが物語になっているように思えるが、読み終えてしまうと、何が良かったのか。それがわからない。物覚えが悪くなったか。内容がないものであったのか。それさえも理解しがたいもので、ふっと、また手にしてしまう。きっと自分にはついてくれる本なのだろう。これからも大切にしたい一冊である。小川さんの幼少の頃の生活が、あなたの今を生み出しているのが分かるような気がします。
2007年9月17日に日本でレビュー済み
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「物語の役割」を興味深かく読み期待が大きかったので、昔の生真面目な女学生という印象を拭えない文章にちょっとがっかりした。デビューからの10年間の初期エッセーと銘打ってあるからそれはそれで仕方ないのかも知れないが。
生まれたときから宗教的な環境の中に否応なく組み込まれていて、それが作者の精神にも体にも深く影響を与えているのだと思われる。人生の中で出合った諸々に真摯に対応して生きてこられたのだと思い、祈りながら小説を書くのだという言葉に考えさせられた。
生まれたときから宗教的な環境の中に否応なく組み込まれていて、それが作者の精神にも体にも深く影響を与えているのだと思われる。人生の中で出合った諸々に真摯に対応して生きてこられたのだと思い、祈りながら小説を書くのだという言葉に考えさせられた。
2010年6月17日に日本でレビュー済み
著者の作家デビューから10年間に書かれた初期エッセー集。新聞、雑誌から機内誌まで多くの活字媒体に掲載されたものを集め、子供時代、大学時代、秘書時代、結婚、そして執筆生活と著者の生活の諸断面を切り出している。題材も昔の思い出、子育てを含む家族生活、ペットとの触れ合い、アンネ・フランク、旅行記、そして小説創作論と多岐にわたる。
小説創作論は07年刊行の「物語の役割」と重なる記述が多い。「過去の森の奥へ奥へと分け入り、少しでも明確な言葉を聞き取ろうとして耳をすましている。」「現実の生活に漂っている言葉を、ますめで遮断することで、小説世界に植え込んでゆく」等の著者自身の言葉や、「もはや名前もわからなくなった人々を死者の世界に探しに行くこと、文学とはこれにつきるものかもしれない」という一文の紹介、あるいはエリ・ヴィーゼル氏や柳田邦夫氏の子息における物語の創作への言及から、著者の小説創作の心構えは初期から一貫していることがわかる。
堅苦しい話ばかりではない。宇高連絡船の甲板で食べた讃岐うどんのおいしかったことには、私も同意する。
小説創作論は07年刊行の「物語の役割」と重なる記述が多い。「過去の森の奥へ奥へと分け入り、少しでも明確な言葉を聞き取ろうとして耳をすましている。」「現実の生活に漂っている言葉を、ますめで遮断することで、小説世界に植え込んでゆく」等の著者自身の言葉や、「もはや名前もわからなくなった人々を死者の世界に探しに行くこと、文学とはこれにつきるものかもしれない」という一文の紹介、あるいはエリ・ヴィーゼル氏や柳田邦夫氏の子息における物語の創作への言及から、著者の小説創作の心構えは初期から一貫していることがわかる。
堅苦しい話ばかりではない。宇高連絡船の甲板で食べた讃岐うどんのおいしかったことには、私も同意する。
2022年12月10日に日本でレビュー済み
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人生を思わせます
もちろん筆者の日々の暮らしや関心事から発見され紡ぎ出されたものなので、まさに人生そのものなの
かもしれませんが、普段誰もが経験しうる日常を筆者はさすがこんなにも美しく表現してしまうんだと
感動し楽しめました
この文庫本自体大切で愛おしいものに思えてなりません
もちろん筆者の日々の暮らしや関心事から発見され紡ぎ出されたものなので、まさに人生そのものなの
かもしれませんが、普段誰もが経験しうる日常を筆者はさすがこんなにも美しく表現してしまうんだと
感動し楽しめました
この文庫本自体大切で愛おしいものに思えてなりません