保田與重郎,萩原朔太郎,亀井勝一郎、林房雄などの
日本浪漫派の同人達のテキスト分析。
約束通り、回帰不可能なことに自覚的でありつつ「人工性」な
時空間を切り開かんと身振りした「イロニー」にふれつつ、
日本浪曼派の独自性を「文化的ナショナリズム」(アンダーソン)の
観点から分析しているところに本書の特徴が出ているように思う。
ある意味でドイツロマン派と異なる日本浪漫派の土着性にこだわった
分析だと感じた。
というと理路整然としていそうだがさにあらず。
伝記的な研究要素もあまり表面には出しておらず、非常に観念的な議論で
難解な部分多々あり。もっともこれは評者の力不足にすぎないが。
同人それぞれはかなり見ているものがさまざまで、むしろその違いの方に
日本浪漫派の面白味があるようだ。
林房雄の作者論にJ・L・ナンシーと通底するものを感じたりしており興味深い。
ヴルピッタ「不敗の条件」と並び、外国人による日本浪漫派論の双璧をなす。
両書については、桶谷秀昭「浪漫的滑走」でそれぞれに一項を割いて触れている。
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日本浪曼派とナショナリズム (パルマケイア叢書 12) 単行本 – 1999/4/1
- 本の長さ272ページ
- 言語日本語
- 出版社柏書房
- 発売日1999/4/1
- ISBN-104760117318
- ISBN-13978-4760117314
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
1930年代、日本固有の文化的差異(アイデンティティ)を探求した日本浪曼派。彼らのテクストの精緻な読解を通して、近代批判の体系としての民族主義の意味を問う。
登録情報
- 出版社 : 柏書房 (1999/4/1)
- 発売日 : 1999/4/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 272ページ
- ISBN-10 : 4760117318
- ISBN-13 : 978-4760117314
- Amazon 売れ筋ランキング: - 67,355位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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- - 19,228位文学・評論 (本)
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