非実在人物の対話形式の本で、無人島で暮らしている男女が、
あることをきっかけに、数学の理論を作り上げていく物語です。
超現実数と呼ばれている数について、
その定義や代数的な構造について書かれています。
この本の面白いところは、数学の研究の雰囲気が良く伝わってくるところだと思います。
つまり、主人公たちが、順調に答えを出していくだけでなく、
いろいろ規則性をみつけるために具体例を計算しながら予測を立てたり、
その予測を証明しようと四苦八苦する様子もしっかりとかかれてるところです。
証明できたと思ってたら、実は証明に大きな穴があってショックを受けて、
その穴を埋めるために苦悩したりする様子は、数学研究そのものです。
数学の研究してる人はとても共感できると思うし、普段数学をやらない人も、
この本を主人公たちと一緒に計算しながら読み進めていけば、
実際の数学の研究の雰囲気を味わえるかもしれません。
ただ、よくある啓蒙書と比べると、簡単に読める本でもないかもしれません。
意外とガッチリと書いてある本です
(紙とペンを用意して、普通の数学書を読むつもりで読む必要があるかも)。
この理論の応用などについては書かれていませんが、
ひとつの理論を創り上げていく雰囲気を味わいたい人、
単なるお話的な本だけではもの足りないと感じてる人は、気に入るかもしれません。
ちなみに、『超現実数(surreal number)』とは、この本だけの話でなく、
実際にそういうものが研究されていて、本も何冊が出てるみたいです。
カントールの順序数の隙間を埋める数らしいです。
本格的に勉強したことないから、よくわからないですが。
ちなみに、J.H.コンウェイ、R.K.ガイ『数の本』にも
超現実数の一般向けの解説があったはずです。
最近の本では、『組合せゲーム理論入門 -勝利の方程式-』にも載ってるみたいです
(ぼくは未読ですが)。
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至福の超現実数: 純粋数学に魅せられた男と女の物語 単行本 – 2004/11/1
- 本の長さ174ページ
- 言語日本語
- 出版社柏書房
- 発売日2004/11/1
- ISBN-104760126465
- ISBN-13978-4760126460
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登録情報
- 出版社 : 柏書房 (2004/11/1)
- 発売日 : 2004/11/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 174ページ
- ISBN-10 : 4760126465
- ISBN-13 : 978-4760126460
- Amazon 売れ筋ランキング: - 66,370位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 111位数学一般関連書籍
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2004年12月2日に日本でレビュー済み
あのTeXで有名なクヌースがコンウェイの理論をもとに小説仕立てで発表したもの。無人島で若い男女が石版を発見するが、その石版には神が数を創った事が書かれている…と言う話である。一日ごとに、前の日までに得られた数の集合の要素間にデデキントの切断のような操作を行なうことで、新たな数を創っていく。最終的には実数よりも大きな超現実数の体系が得られるわけであるが、第一日にはまだ何の数の要素もないので、神様らしく無から有を創る。この辺りは見事としか言いようがない。
コンウェイの理論もすばらしいのだが、クヌースの話も良く出来ており、最近流行の内容のない数学小説と違って本当の意味での「数学小説」といえる。高校生程度なら読めるはずなのでおすすめ。以前他出版社から出ていたが、手に入り難くなっていたので、興味のある人はこの機会にぜひ。
残念なのは題名か。「超現実数」で十分だったと思う。
コンウェイの理論もすばらしいのだが、クヌースの話も良く出来ており、最近流行の内容のない数学小説と違って本当の意味での「数学小説」といえる。高校生程度なら読めるはずなのでおすすめ。以前他出版社から出ていたが、手に入り難くなっていたので、興味のある人はこの機会にぜひ。
残念なのは題名か。「超現実数」で十分だったと思う。
2005年2月8日に日本でレビュー済み
ずいぶん長い間日本語訳が品切れでいたので、別の出版社から別の訳で、豪華なイラストつきで刊行されて驚きました。そういえば、原著も数年前にTeXで組みなおしたんじゃなかったかな。大学1年のときに、この本を薦められましたが、そのときは読み終えなかったな。集合論の教科書を勉強した後に読んだので感動がいまいち薄くなったのが残念。また数年後にPrologというプログラミング言語の本を読んでいたときに、本書のことを思い出したりしました。こういう種類の本が、もっとたくさん出ると思ったのですが、そうでもないですね。